3話 悲しい記憶
サクといつも通り笑いながら話していた。でも、毎日同じ事を考えている…
サクの左目に付いている眼帯を見ると、いつも辛くなってしまう…
サクが赤石に撃たれた5年前、私はわがままでいつも無理言ってサクについて行くことをよくしていた。でもあの日だけ、ついてくるなと言われてしまった。
「何でついて行っちゃ駄目なの?」
「今日だけは危険すぎる。絶対ついてくるな!」
「いつも危険だけどついて行ってるじゃん!!」
「でも、駄目なんだ。危険な目にあわせるわけにはいかない!!」
「………いや・・・」
「え!?…」
「絶対ついてく!!」
「もう勝手にしろ…」
あの日初めてサクに怒られ、喧嘩した。でも、どうしても心配だった私は、サクには分からないように、入ったばかりの探偵育成所で身につけた尾行を利用してついて行ったのだ。
サクとサクのお父さんが向かったのは、あの事故が起きた3年前にできた時計塔であった。あの時私は知らなかった。そこが赤石たちオルディオンの拠点であったことを。
サクたちが入っていった後を見計らって追い続けると、塔の一番上に着いていた。大広間のような場所で赤石が奥の椅子に座っていたのが見えた。
私は隣の窓のある部屋から覗き込むようにして見ていた。
そしてあのような事件が起きたのだ。私はサクが撃たれ、赤石がいなくなったのを確認した後、どうにか塔の中から二人を運び出してすぐ近くの病院に駆け込んだ。よくよく考えると、なぜあの時、二人の男をひとりで運び出せたのか分からない。必死だったのだろう。
その後サクは助かったものの、サクのお父さんは植物状態に陥ってしまった。
だからなのだろう。サクの眼帯を見ると、どうしてもこのことを思い出してしまう…
(ごめんね…ちゃんと救えなくて…)
そう心の中でつぶやいた。
その内バスは私たちの通う「探偵育成所」に着いた。私はいつも通り笑いながら話すサクを見ながら、笑顔でバスを降りた。
どうも咲羅です。
投稿がとても遅くなってしまい申し訳ございませんでした。いろいろとやることが多くなってしまったり、データが飛んだりして遅れてしまいました。言い訳にしか聞こえないと思いますが、お許しください。今後は週一ペースで投稿していこうと思います。
今後ともよろしくお願いします。
(遅れた分は一週間以内に投稿なるべくします)