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終わる歯車仕掛けの世界  作者: シナミカナ
非日常世界での館の日常
24/39

世界はツギハギだらけ

皆が寝静まった館の一室、三階の黒で統一された明かりの灯った部屋で物音がする。

大きな木製の机を中央に配置され、それの付属品のようにまわりに家具が囲っている。

ゴソゴソと何かを探しながら作業をする音の出処はどう考えてもここだった。


全く仕事をしないディーラーと言われながらも、あってないような組織をなんとか纏めあげ引きずってきている。

少数派の初期メンバーであり幹部であるクマもジョンもミッさんも最近は俺に全部任せっきりなもんだから、俺が部屋で引きこもって作業をしてあたかも仕事をしていないように見えるだけだ。


いつもなら寝ている時間をとうに回ってしまったが、どうしても解決するまで眠れない訳があった。


まぶたが重い深夜0時、どうだって良いが見ないわけにもいかない天使の番組を作業のように見ていた。

番組の中で唯一引っかかった「一週間で死んだ人間は21人。」

どう考えてもおかしな数字だった。

俺達、少数派が天国教の信者を殺したと報告があった数を全部足して今週で24人。

生存者が天国教によって殺された人数を合わせるとさらに膨れ上がるだろう。

明らかにこの数字はおかしい。


死んでしまえば皆、天国に行くのが絶対のルールの筈だ。

誰もがその天国へ行くからこそ、天国教は大義名分を得て殺し回っている。

だが、全員が天国へ行っていないと数字が証明している。


なぜ、天国へ逝っていない奴がいるんだ?

そいつらはどこへ逝っているんだ?


思い当たるフシは一つだけあった。

度々報告に上がるジョンが呼び出したと思える奇妙な怪物。

誰もが姿形は鮮明に覚えておらず、怪物が這い出る直後には気を失ったという。

能力の応用はいくつも見てきた。

しかし、ジョンのこの能力だけはあまりにも異質すぎる。

あの怪物が何かをしでかしているのでは、ないだろうか?


一切の機器、銃器を無効化する能力をどうこねくり回しても怪物を召喚する能力にはならない。

それに、不死身だという話もそうだ。

そんな話は今までの付き合いの中で一度も聞いたことがない。


天国の存在が明らかになるずっと前でも一緒に少数派として、相棒としてやってきた。

それなのにいつの間にか距離が遠ざかっていた。

切っ掛けはきっとあの日ジョンが・・・ジョンが?



―――異常に気付く。

俺はいったい今まで何をしていたんだ?


なぜこんなにも大事なことを忘れていたんだ!


ジョンがなぜ、どうしてアイツがここにいるんだ?


それに、なぜ彼女が天使になって―――



急に眠気が襲い掛かる。

どうしてこんなタイミングで?なぜ?

机によりかかり体を起こそうとしても沈み込んでいく。


ブラックアウトしていく視界には羽を宿した女性を見た。

懐かしい彼女を。





―――酷く体が重い。

冷たい床から体を起こすと、時計が6時を指していた。

考え事をしながら眠ってしまったようだ。

大事な考え事を―――結局は整理が付かず終いのはずだがどうにも思い出せなかった。

思いだせないようなことなら大したことではないのだろう。


ベッドに体を預け、もう一眠りすることにしよう。

寝て起きさえすればきっと気がかりなことも忘れているだろう。

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