活発少年1
本当の戦場は日本でも北朝鮮でもアメリカでもない
本当の戦場は…ここにあった…
「ただいまぁ!!」
「おかえりなさい!遅かったじゃない!どこかで寄り道でもしてきたんでしょ?」
「ごめんなさい、放課後、皆でサッカーしてたら遅くなっちゃったよ」
「まったく…まぁいいわ、うがい手洗いしてきなさい、もう夕飯の時間…あら、膝小僧擦りむいてるじゃない!!」
「あ…ホントだ…気付かなかったよ」
「あらま、怪我したのに気付かないって…どんだけ鈍感なのよ」
「鈍感な訳じゃないよー、サッカーに夢中だっただけ!…多分スライディングされた時に転んで、膝小僧擦りむいちゃったのかも…」
「ホント呆れるわ…毎日のように怪我してきて…ちゃんと水で洗い流して、消毒して絆創膏しときなさいよ!!」
「いいよ、こんな傷!へっちゃらだよ!」
「はぁ…ホント呆れちゃうわ…ほら、もう夕飯だから、早くうがい手洗いしてきなさい」
他愛のない日常会話の裏で、
本当の戦いが幕を上げる…
時間は、さかのぼり…
放課後の時間、この少年がサッカーをしている時間
ズサァァァ!!
ドカ!!
「うわぁ!!」
ズシャァァ…!!
「いたたた…」
「ごめん!大丈夫…??」
「大丈夫だよ!左膝擦りむいただけだから…!」
少年が左膝小僧を擦りむいた事により、
少年の左膝小僧の中で異変が起きる。
場所は変わり…
左膝小僧の中では…
〈緊急事態発生!緊急事態発生!〉
「コ、コイツ、またやりやがったぞー!!!!」
「な、なにぃ!?昨日右膝やったばかりじゃねーかよオイ!!!!」
「パパぁ!またお仕事ぉ?」
「ごめんな…お仕事終わったらまた遊んでやるからな…」
「おい!急ぐぞ!」
「ああ、分かった!」
「パパ!頑張ってね…!」
「おう…!」
本当の戦いが…幕を上げる…!!