ある日、ある戦場
広がる荒野に轟音が響く。空からは鉄の塊が降り注ぎ、中から奇怪な物体がぞろぞろと現れる。
一際大きなモノが現れた途端に、どこからか飛んできた銃弾がそれを撃ち抜く。
『着弾を確認した。各員、行動開始!』
体格のいい男が無線機に向けて叫ぶと、銃を構えた何人かの人間が一斉に飛び出していく。
『傭兵、ブリーフィングは覚えているな?貴様の役割は陽動と殲滅。できる限り前線の敵を惹きつけ、撃破してくれ。』
『了解、行動を開始。』
銀髪の少女、クーナが無線を切り、迫り来る物体共にありったけの銃弾を叩き込む
「よし、傭兵が抑えてるうちにデカブツを殺せ!」
男が先行した味方に叫ぶ。しかしその後も依然として敵の数が減ることはなく、クーナが持つ機関銃"M249"の銃身が赤熱し弾は減っていく一方であった。
「残り弾数少ない!前線部隊、早く対処を!」
「今やってるところだ。傭兵、お前は黙って戦況を維持しろ。」
クーナの要求に前線の兵士の一人が答える。
しかし前線の巨大な怪物はびくともしておらず、雑魚の群れの勢いは衰えることもなかった。
「クソ、残弾が...!」
弾帯袋から出てくるベルトには弾がもう残っておらず、クーナの攻撃の手が止まる。
「弾切れ!繰り返す、弾切れ!銃を持ち替える!」
手に持っていた機関銃をインベントリに収納し、ドラムマガジンを取り付け光学サイトを載せたカスタム済みアサルトライフル"AK-74N"を持ち出す。
「前線は何をやっている!さっさと片付けろ!」
男の怒号の後、漸く前線から怪物の悲鳴が聞こえてくる。そして...
「目標の撃破を確認した、状況終了!」
退いていく残党を眺めながら、クーナは持っていたAK-74Nをインベントリに収納し男のもとに向かう。そして貸与されていたM249を投げ渡しながら話し出した。
「司令官殿、報酬を受け取りに来た。事前の打ち合わせだと230000N$に武器貸与、簡単な依頼だって話だったけど、アンタらの優秀な前線部隊が首領級撃破に手こずってくれたおかげで自前の銃を使う羽目になった。弾代諸々考えて報酬が230000N$は流石に少ない。よって、増額を要求する。」
「それは無理な話だ、傭兵。」
「無理?アンタらのやらかしでこっちは損をした。なのに、補償も謝罪も無しだなんて...」
クーナと司令の男が話しているところに、先ほど前線で揉めていた兵士の一人が割り込んでくる。
「雇われ如きが文句言ってんじゃねーよ。報酬の増額はできない。銃の貸与でこっちも痛手負ってんの。」
「話にならないわね。自称トップギルドもこの程度?懐事情が厳しいのかしら。」
「ンだとテメェ...!」
「落ち着け、ロンド。」
司令が兵士...ロンドを宥める。
「とにかく、報酬の増額はできない。こちらにも事情があるのでな。それに、我々には次の予定がある。失礼させてもらうぞ。」
そうして、兵士たちは車に乗り込み走り去っていった。荒野に一人残されたクーナは呟く。
「...クソッタレ」




