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引き篭もり魔女と新たな店

 

「現在貯まったポイントの使い道はコンビニ召喚スキルをレベル2にあげる。その際1000ポイント消費するのをお忘れのう、あとどんな大きな物も収納出来るガマサイフがおすすめやに、ただしこれは少々値が張るなぁ、一つ5000ポイントやに」

「ごごっ五千っ!」


 実際店長が現物見せてくれたガマサイフは緑色に白い渦巻き柄の20センチ位のカエルを模したサイフだった。

 紐がついていて首に掛ける仕様らしい。持ち運び便利だけど、なんでも収納出来るって本当かなぁ?


「出来るに、見してやりましょうか?」

「!?」


 また心を読まれた。何度もおもうが店長は何者なんだろ……その能力は神がかっているな。

 多分トランプやらせたら無敵だな。


嫌でしょう(いややに)遊ぶ時不正したらつまらんやろう?」

「……また心を読まれた」

「アハハ、ほなポイントの使い道は決めたか?」

「……と、とりあえずスキルレベルあげにする」

「はいっ分かった。ではポイントカードお借りしまするなぁ」


 店長はぼくの手からポイントカードを抜き取ると、謎の機械をカードの裏目に当て『ピッ!』と鳴らした。


「はい確かに1000ポイント頂いたに、ではお客様のコンビニ召喚スキルをレベルアップさせるに」


 店長が微笑むとぼくの胸に手を当てた。その途中『あら〜思た通りまな板やんな』と余計なこと言ってきた。ぼくが気にしていることを内心ほっといてくれと思った。

 それはそうと、ぼくの胸に触れる店長の手が熱い。しかも手を中心に眩く光る。その時間は1分位で終わった。


「はいっ完了です。スキルステータスチェックしてみて」

「ス、スキルステータス?」


 初めて聞く言葉だ。これまで出せたなら早く説明して欲しかったな。とにかくぼくは店長にスキルステータスの出し方を聞いた。


「ええ質問や、スキルステータスを出すにはまずこうっ、パーにした両手をバッと掲げて、大きな声で『スキルステータスオープンッ!』と叫ぶと目線の位置に立体文字が出る」

「…………」


 ぼくにそんな恥ずかしい大声出せるわけがない。この余計な起動システムを考案したのは店長か?

 それとも目的はぼくのコミ障改善プログラムの一環か?

 とにかくぼくには苦手なやり方だ。


『でもやるよ』レベル2の内容知りたいから……僕は両手をグーにして突きあげた。


 ピッ!


【ピピス・プシー コンビニ召喚スキルレベル2 コンビニ召喚 New!薬局召喚】


「なんだ薬局召喚とは!?」


『まさか薬屋か?』まさか新たなショップを召喚出来るとは思ってもみなかった。

 薬屋なら怪我を治す薬なんか揃っているよな。それなら先ほど助けた家族の傷の手当てしたい。

 良し早速召喚してみるか。


「あーそうそう。同じ空間に召喚出来るのは一店舗だけやに」

「なぬっ、そ、そうか……」

「そしたら先にコンビニで買い物済ませとく?」

「ああ、そうする」


 店長アドバイス通りぼくはコンビニであの家族のために弁当と惣菜を買うことにした。

 まずは弁当コーナーだ。ぼくの分とあの家族母娘の三人分を選んだ。まぁのり弁一つにハンバーグ弁当二つだ。ハンバーグ弁当ならあの家族も食べ易いかなと思ってね。


 あと惣菜は鳥の唐揚げにニパックに、アメリカドック三本に肉まんとやら三個。

 飲み物にオレンジジュース二本と生ビール二本もちろんぼくが飲む。

 しかしそろそろ金が減ってきた不味いな。ええいっ金に関しては稼げばまた増える。今は考えないで買い物に集中だ。


 あとあの子のためにお菓子コーナーを物色した。ポーキーと言う箱に入った棒菓子とポテチと書かれたスナック菓子を選んだ。

 不思議なことだが、見たことのない文字なのに何故か読めるんだ。それはぼくが呼び出した店舗だからかとにかく謎だ。


 あとプリンを三つ買って最後は……あの子のためにおもちゃでも買ってあげようと棚を隅々まで探した。すると5センチほどの紐がついたピンクウサギのぬいぐるみを見つけた。ぼくはそれを手に取りカゴに入れた。

 あとは会計だ。


「一杯買うたなぁ、ではお会計いたしますね」

「おっ、お、おおう……」


 店長はカゴに入れた消費を機械に通して値段を確かめてるみたいだ。

 それで値段はこうだ。


【 のり弁銀貨5枚、ハンバーグ弁当2個金貨1枚、ポーキー銀貨1枚、ポテチ銀貨1枚、鳥唐揚げ2パック銀貨4枚、アメリカンドック三本銀貨3枚、肉まん3個銀貨3枚、オレンジジュース二本銀貨2枚、生ビール二本銀貨2枚、ピンクウサギのぬいぐるみ銀貨2枚以上で合計ポイントは250ポイント】


「ずいぶん買ってしまったな……持ってる100ポイントに加算して合計350ポイントか……ところで店長っ次のスキルレベルアップに必要なポイント数は?」

「4000ポイント必要になる」

「よ、四千……」


 千から三千アップにぼくは驚き目を丸くした。これは中々ポイント集めるのが大変だぞ。


大丈夫ですよ(だんないで)お客様っ、こんな時は人助け。一人助けるとボーナスポイントととして100ポイント、複数人助けると1000ポイントあげるにやで困っとる人みたら、積極的に助けた方がお得やに〜♬」

「なぬっ……」


 複数人ってたった二人助けただけで1000ポイントくれる甘々判定だな。とはいえちまちま買い物してポイント稼ぐより人助けボーナスポイントもらえば早く貯まりそうだ。

 良し、買い物と人助けどっちも力を入れていこう。


「お買いあげおおきんな、またのご来店をお待ちしとります♬」

「おっ、おう……」


 店長がお辞儀したのでぼくも頭さげた。さて買い物を済ませたぼくは明るい店長に見送られ、コンビニから出た。

 で、ふとうしろを振り返るとコンビニが消えていた。なるほどぼくが買い物を済ませ外に出ると店舗が消える仕組みか……逆に会計せずに出ようとすると自動ドアが開かない良く出来た仕組みだな。

 さて、薬局とやらのお店どんなもんかと見せてもらおうか。ぼくは早速薬局を召喚した。


「なんと……」


 ぼくの目の前にコンビニの二倍の大きさの四角い建物が現れた。気になる店舗名は看板にはこう書かれていた『ドラックよろず』とよろずとはどんな意味かはサッパリだ。

 とにかく入ってみよう。


 ぼくは入り口前のカーペットを踏むと、透明なドアがスライドして自動で開いた。コンビニもそうだけど自動ドアが標準設備ってのが驚きだ。

 これは俄然ワクワクしてきた。


 店内はこれまた広く沢山の棚に薬らしき小箱が陳列されていた。しかしこれだけあるとなんの薬かサッパリだ。


「お客様っ当店の薬をお探しですか?」

「えっ」


 うしろから声を掛けられ振り向くとそこに二十歳前後の女性がいた。頭の上にお団子状に黒髪をまとめ長方形レンズの眼鏡を掛け、薄青の制服の上に白衣を着た知的そうな美人さんだ。

 店長もそうだが、彼女も中々だ。


「あ、えっと……貴女は誰ですか……」


 店員に名前を尋ねるのはおかしな話だが、とりあえず間が保たないので聞いた。

 すると彼女は眼鏡に手を掛けると切れ長の目でぼくを見つめた。


「紹介を遅れましたことをお詫び申し上げます。私はこのドラックストア店長の、『ずしひめ』と申します。お客様はピピス様ですね」


『ずしひめ?』ここらでは聞いたことがない名前だ。まぁ多分、東方の大陸の島国でそんな言葉を使う国があったような……知らないけど……。


「おっ、そ、そうだが何故初対面の貴女はぼくの名を知ってる?」

「これは失礼いたしました。私はコンビニエンスストアライジングの店長からお客様のことお聞きになりまして」

「そ、そうか……」


 店長と知り合いか……同じスキルで出したのなら当然かな……しかし彼女はコンビニ店長と違って凄く真面目で礼儀正しいな。


 とりあえず彼女に薬について尋ねてみよう。


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