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コミ症ひきこもり魔女の底辺飯  作者: 大空司あゆむ


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20/20

ひきこもり魔女と予期せぬ侵入者

 

 今日は朝からギルドに行って積極的に依頼を取って金を稼ぐぞ。とは言っても、ヤドカリハウスの中に閉じこもったまま出発だ。

 とは言え城下町内なので、ギルドまで10分程度で辿り着く。歩いたら5分だが、なにせヤドカリの歩く速度が遅い。その代わり頑丈で輩に狙われる心配がないから、ぼくは遅い方を選ぶ。


 さて、朝食に昨日コンビニで購入した肉まんが残っていたので食べてみる。


「はむっ……ムシャムシャ……うっ! ……これはウマいぞ……ムシャムシャ……ううむ」


 ふかふかの小麦粉生地に中の味付けされた挽肉がウマい。『……』自分で思うのもなんだが、どのコンビニ飯全てウマいと言ってんな。

 逆に、不味い飯に当たるのは難しいのではないかと思うのだ。


「ムシャムシャ……もう無くなったか……」


 別味のピザまんとやらに手を出そうかと思ったが、ヤドカリハウスが止まったので、どうやらギルドに到着したらしい。


「……仕方がない。行くか……」


 ちょっと億劫だ。

 しかしぼくは決めて来た。

 強くなるため買い物沢山してポイントを貯める。そのためにはお金が必要だ。だからギルドに用があるんだ。


 しかし引き篭もりのこのぼくを薄暗いダンジョンから、外に引きずり出すとは恐るべし金の魔力だ。


 ぼくはピザまんを鞄に入れ杖を持ってヤドカリハウスから出た。すると物珍しそうに人だかりが出来ていた。


「…………」

「凄いなコレ、あんたのか?」


 いかにもなスキンヘッドの荒くれ風冒険者の男がぼくに聞いてきた。


「ああ、そうだ」

「そ、そうか、大丈夫かコレ?」

「…………問題ない。だ、大丈夫だ……」

「……本当か?」

「問題、ない」

「そ、そうか、悪かったな。突然聞いてよ」

「ああ……」


 気まずくなったのか、男は手を振って去って行った。悪かったな会話が弾まなくて……だけど、滅多に人と喋らないからしょうがない。


 さて、ギルドに入るか……。


 緊張しながら中に入ると朝なのに冒険者が居て賑わっていた。ぼくは掲示板に直行して好条件のクエストを探した。


「…………高難易度のクエストでも、ぼくの魔法と相性が良ければ……」


 一枚のクエストに目が止まった。

 依頼内容はここから南にある炎鉱山に棲息するファイヤーサラマンダー討伐依頼だ。


 高レベルの魔物だから命を落と可能性があるから、手つかずだったのかな。

 まぁぼくは水魔法が得意だから大丈夫だろ。それで迷わず手に取るとカウンターに行って受付嬢に渡した。


「はいっ、ファイヤーサラマンダー討伐クエストですね。……でも、大丈夫でしょうか?」

「……揉んだない」

「分かりました。お受けいたしました。ではご武運を」

「おおっ」


 ぼくはギルドをあとにし、見物人をすり抜けヤドカリハウスの中に入って走らせた。


「……やれやれ」


 部屋に閉じ籠ると落ち着く。

 安心したらお腹が減ったな、ぼくはピザまんを鞄から取り出した。

 すっかり冷めていたが、生地の色がオレンジ色でウマそうだ。


「では、頂きま……」

「これ美味しいの?」

「…………」


 気がつくとぼくの横に見知らぬ子供が座って、ピザまんを物珍しそうに見つめていた。


「これ美味しい?」


 何故二回聞く。

 しかし妙に見すぼらし子供だ。フード付きの服がぼろぼろで、髪がボサボサ、頬がススだらけだ。


「……君は誰だ?」

「あ、……ごめんなさい。この面白ハウスのドアを開けちゃってつい中に……」

「なに!」


 このヤドカリハウスはぼく意外ドアを開けることが出来ないのだが……。

 それをこの見すぼらし子供が開けることが出来た。一体何者だ……。


「あのっ……オレッ……」

「んっ……」


 見すぼらし子供が申しわけ無さそうにフードを外した。すると狼耳がピョコンと飛び出した。


「……お前、人狼族の子か……」

「そうだ。オレの名はガルだっ!」

「そ、そうか……でっ、一人か?」

「ひっ、一人で悪いかっ!?」


 ガルが立ちあがってぼくに反論した。


「聞いて悪かった。だけど、ぼくも一人だ」

「へー、あんたも一人か」


 気を良くしたのかガルがしゃがんで胡座をかいて、ジッと見つめている。どうやら同じ境遇のぼくに親近感が湧いたらしい。

 しかし普通に会話出来ているな。


「ところでガルの両親は?」

「死んだよ」

「なに……」

「第一次魔王討伐に向かったオレの親父は帰ることはなかった。そして母ちゃんは病気で……」

「そ、そうか……」


 ガルはぼく以上にぼっちだ。

 だからヤドカリハウスのドアを開けられたのかもな……。


「お前とりあえず風呂入れ」

「風呂っ! この部屋に風呂があるのかっ!?」

「お、おおう……ちょっと待て」


 ずいぶん長い間風呂入ってなさそうだ。だから汚れを落とすには骨が折れそうだ。

 そこで城下町を出てから人気のない場所でコンビニ召喚して、店長に相談してみよう。


「大人しくここで待ってろ」

「ああ、うん」


 ガルはやんちゃっぽいが、素直に言うこと聞いてくれた。そとに出たぼくは周囲を見回してから早速コンビニ召喚した。


「おいでまし〜♬」

「おおう、店長さっそくだが……」


 ぼくは店長にガルの話をした。


「なるほど、綺麗にしたいと……それやったらコンビニやのうて、薬局召喚した方が良かったかもな」

「そ、そうだったのか……」

「お客さん。そんな目を丸るうしてぇ……だんないで、少し割高ですけど、コンビニにもええ商品を取り扱うてますけど」

「ほ、本当か!」

「ええ、頭を綺麗にするシャンプーとリンスに、身体を綺麗にするボディソープと垢すりタオルとまとめて買いましょか?」


 そう言って店長はこの4点の商品を勝手にカゴに入れた。


「なぬっ、強制か……」

「なん言われよったら身体を綺麗にするには絶対必需品です。て、お客さんも使わず、今までどうやってお体綺麗にしとったんや?」

「……みっ、水樹洗いだ」

「あかん! それじゃ髪がべたべたになるに」

「……魔法で綺麗にしているから問題はない」

「そうですか。では4点ご購入で?」 


 店長はぼくえの説得を諦めた。


「ああ、あと冷たい飲み物も」


 風呂あがりに喉が乾くからな。


 こうしてぼくはシャンプー銀貨4枚、リンス銀貨4枚、ボディソープ4枚、垢すりタオル銀貨2枚と、シュワシュワシュする2リットルのオレンジジュース銀貨3枚一本購入した。ジュースはガルと分け合うぞ。

 合計銀貨17枚。発生ポイント170を足して1720ポイントになった。

 2000ポイントまであと少しだな。


 さて、店長と別れてヤドカリハウスに戻った。


主人公の行為はいわゆる将来に向けての種まきです。

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