引き篭もり魔女と砂漠の竜
ペンネーム試しに替えるかも知れません。
その時はよろしく。
早速王都を出てから、サンドドラゴンが生息する西の熱砂の砂漠へと向かった。
しかし徒歩だと三日掛かる。その間にあのスキンヘッドの冒険者がラプトル(二足歩行のトカゲ)に乗って先に着くと思う。
『でも獲物を横取りされる心配はないかな』だってそう簡単にはサンドドラゴンは倒せないと思う。
とはいえ歩いて行くのはシンドイから店長に相談してみる。
ぼくはコンビニを召喚して入店した。
「おいでませ〜♬」
「おっ、おおう……」
入ったとたん挨拶された。まるでぼくの入店を待ち構えていたかのようだ。
……ヒマなのか店長。
しかし相変わらず陽気な店長だ。ぼくは棚を物色しながら自然に聞いてみる。
「クエストのため西の砂漠に行きたいのだが、歩くと三日も掛かる。だから早く移動出来ないか?」
「そうでございますか、ならヤドカリハウスの歩行速度をあげたらええに」
「なるほど」
ヤドカリハウスにそんな機能があったとは、だったら最初から説明して欲しかったな。
店長が言うには室内にリモコンと呼ばれる装置があるハズだと、それで歩行速度や止まれなど操作するらしい。
もし高速移動中リモコン無くしたら大変だ。
「ありがとう店長」
「ちょっとお待ち」
ぼくが店から出ようとしたら店長が呼び止めた。振り返ったけど、やっぱりなにも買わなかったのが、不味かったか……。
「今から砂漠に行くんやろう?」
「ああ、そうだ」
「ならスポーツドリンクとタオルを買っていくとええ、あと冷え冷えジェルも」
「なぬっ! 冷え冷え……ジェルだと……」
タオルは分かるが、スポーツドリンクと冷え冷えジェルは聞いたことない商品名だ。どっちも名前だけではどんな用途なのか分からない。
「スポーツドリンクはドリンクコーナーです。ではこちらに」
「おおうっ」
入り口右のトイレ横の冷蔵棚にドリンクコーナーがある。紙パックと違ってペットボトルと呼ばれるプラスチック製容器に入ったドリンク類だな。
その中で水分と塩分が補給出来るのがスポーツドリンクらしい。それを500mlサイズのを5本、棚移動して冷えジェル一箱とタオルを購入した。
会計はスポーツドリンク5本で銀貨5枚、冷えジェル一箱銀貨2枚、タオル銀貨1枚合計銀貨8枚でポイントは80で490ポイントに加算して570ポイントになった。
「店長っアドバイスしてくれてありがとう」
「お役に立てて私も嬉しい。今から行くクエストに役に立つとええな。それではご武運を」
「おっ、おおう」
頭をさげる店長と別れて店を出た。
さて早速ヤドカリハウスの中に入ってリモコン探した。するとテーブルの上にリモコンらしき黒い長方形のモノを見つけた。
それを手に取って見ると、見たことないボタンが沢山あって困惑した。
しかしボタンの上に用途別の名前が記していたので使い方が分かった。とりあえずヤドカリハウスの移動速度をあげてみよう。
上と下の矢印の歩行速度調整ボタンを見つけた。それで説明はなかったけど、上矢印ボタンが多分歩行速度が速くなると理解した。
試しに押してみると確かに歩行速度が速くなる。ただそれでも間に合わないから、もう少し速度をあげてみる。
「おおっ!」
ちょっと立っていられない速度でヤドカリハウスが走り出した。外はどうなっているか分からないが、障害物とかはヤドカリ自身が判断して避けてくれるそうなので、目的地に着くまでぼくはベッドに寝転んでいられる。
□ □ □
それから一日経過してヤドカリの動きが止まった。どうやら熱砂の砂漠に辿り着いたみたい。
ぼくはペットボトルと冷えジェルをリュックに詰め、水に濡らしたタオルを首に巻き杖を握って外に出た。
「熱っ……」
当たり一面灼熱の砂漠だった。だから外に出た瞬間空気がモワッとして熱いのなんの、すぐに部屋に戻りたくなった。
しかし我慢してヤドカリさんを小さくしてポケットの中に入れた。これで干からびる心配はない。とはいえぼくも干からびそうだ。
だから冷えジェルを開けて額にくっつけた。
「おおっ!」
冷たくて気持ちいい。これでしばらく快適に過ごせそうだ。
しばらく砂漠を歩いてサンドドラゴンを探していると、男の悲鳴が遠くからした。
声を目指して行くと、例のスキンヘッドの冒険者がサンドドラゴン食べられている場面に出会した。
下半身を咥えられたハゲが逆さになっていた。ぼくにイキっていたのに雑魚過ぎですね。
せめて生きていて欲しかったけど残念死んでいる。だったら好都合。大魔法使っても目撃者がいないから噂される心配はない。
熱に強いサンドドラゴンには水魔法だな。とはいえ砂漠の中水分を集めるのは無理みたい。
だからリュックをおろして蓋を開けたペットボトルを二本空中に投げた。そして水魔法発動して中の水分を集める。
おっと、サンドドラゴンがぼくに気づいてハゲを吐き捨てると、こっちに向かって来た。
しかし四足歩行で動きがゆっくりだ。灼熱の厳しい環境で暮らすにはいかにエネルギー消費を減らすかが重要だ。おかげで魔法を詠唱する時間は充分にあった。
ペットボトルの水分が急速冷凍し、十字に重なった氷の刃になった。
それをサンドドラゴンに飛ばし首を跳ね、体内を切り裂いた。
「楽勝だ」
サンドドラゴンを倒したぼくは首を持ち運ぼうとしたが、重くて持ち運びは無理だった。
だからってあきらめないよ。実は土魔法を習得していたぼくは砂漠の砂を使ってサンドゴーレムを作製。巨大化させたヤドカリハウスの中に頭部を運ばせた。
あと金になりそうな手足と尻尾を切って運ばせた。胴体は大き過ぎるので放置する。
「さて帰るか」
ぼくはヤドカリハウスに乗り込んで干からびる前に高速で走らせた。
初の討伐クエストは拍子抜けするほど簡単だった。この程度の魔物はダンジョンにわんさか居て、平気で倒していたからな。
コレで金貨10枚貰えるなんて美味しい。この調子でお金を稼ぐぞ。
ぼくは無事王都に戻った。




