骨の髄まで想定外
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
非常に官能的な恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
ネオンの小部屋で待ってる の二人。多分。
前と後の話。
只今の現状、俺は女に押し倒されている。長髪が顔の両脇に垂れ下がって、視界を遮る。女の無表情だけが空になり、他は何も見えなかった。
女の細い手が服越しに肌を撫でる。腹筋、胸元、頂、露出した首元、それらを焦れったく這い回り、肉の感触を静かに味わっている。性感帯をまさぐっている様で、ただ何かを確かめている様にも見える。こそばゆい。
「どうだ? 気分は?」
俺がそう問い掛けると、水面のように俺の無表情を反射させて、ポツリと呟いた。
「……思ってたのと違う」
そう言って、そっと俺の体に覆い被さった。男の硬い体の溝を埋めるように、脂肪が入り込む。頬を擦り寄せて、胸元を押し付けて、脇腹のシャツを掴んでは離す。添い寝をした時の彼奴が眠る前の行動。甘えたい時の行為。だからこそ黙って髪を撫でてやった。
「虐めるのも、虐められるのも好きなんだ。そう言うと、愚かな輩は総じて図に乗って、私を手荒く扱うから、床の上だけね。口腔を荒らし回られて、言葉で詰られて、蔑んだ目で見られるのが好き。でも良くさせるのも好き。『離せ』とか『死ね』とか涙目で言われながら、気持ちよくさせるのも好き。一滴の残らず搾り取って、枕元で愛を囁くのも好き。どっちも好き。でも君は……どっちでも無い」
異常な性的嗜好を暴露しながら、女は何処か残念そうに服の中に手を入れる。直に、指先で溝を擽り、そろりと下まで辿る。最も快楽を得やすい所に触れようとして、また戸惑った様に腹に戻る。
焦らしているようで、その実焦らされているのは女の方なのかも知れない。現に目が訴えてくる。これ以上の事をしていい? と。だからそっと拒む様に指同士を絡ませた。
「……何処か哀れむ様に身体中を撫でて、泣きじゃくる私を宥めながら、事を終わらせる。虐める事も、虐められる事もない。刺激が……ない。つまらないって思ってない? 私じゃ酔えないって思ってない? だから今もこうして……」
「酔えてなかったら連絡しねぇよ」
「ん。そっか」
そう言うと少しだけ安心した顔をして、胸元に頬を擦り寄せた。それからゆっくりと下腹部に手を伸ばし、ゆっくりと撫でる。
「今日は気分が良いから、私の好きな様にするよ」
「……思ってたのと違う。可愛い顔見られなかった。君、骨の髄までド攻めなんだね。君相手にはずっと被虐趣味で良いかも」
されるがまま、施されるままに、吐くだけ吐かされた後の事。言葉通り、全てを搾り取る勢いの施しを受けた。理性の箍は弾き飛ばされて、獣に成り果てた俺は、本当に雑に扱った。
その返しと言うか、詫びというか、女の手入れをしてやりながら言われた台詞。どんなにこの身が穢れようとも、素知らぬ顔。でも目だけか僅かに蕩けている。
「お前が骨の髄まで弱いだけだろが」
「まぁ、何時も沢山我儘言ってるからそれでいいか。今日、出掛けるから」
先日書きたかった話をまとめ直した話です。
本当に書きたいものは、ノクターン様、ムーンライト様になるので、これくらいに。
基本的にダウナー系のツンデレで、相手のことを振り回す事の方が多そうですが、優しく追い込まれたら普通の少女です。
この時ばかりは、素の自分と言いますか。
皮肉を言う余裕がないと言いますか。
ずっと泣いてるし、ずっと抱き着いてます。
だから相手の方が、これ以上手荒な真似が出来ないんですよ。
まぁでも、彼女の性癖は前に述べた通り。
良くしてあげるのも好きだし、良くされるのも好き。
だから今日は彼女が好きな『良くしてあげる』方にさせてます。
相手がド攻めなので、結局何時も通りですが。