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魔法骨董屋 「夢見まくら」

作者: サバ後輩

この小説は全年齢対象の小説です。

つまり全然お色気もグロもありません。

刺激が足りねえよ!とか平和ボケしてんじゃねえよ!

とかはやめてくださぃ

ではどうぞごゆっくりお楽しみください。

ここは魔法と気持ちがこもった骨董品を売る場所。

道具の想いに耳を傾け、商品価値を見分ける。

そんな所に、一つの「まくら」が届いた。

玲166年、3ー15。少し肌寒い春の日に、

私はその「まくら」の声を聴くことにした。

慣れた手付きでまくらを右手で触れ、魔力で繋げる。

「もし?そこのお方、少しよろしいですか?」


「その見た目に喋り方、龍人族か。名前は?」

「えぇ、私は名をきんと申す者で...貴方は?」

「俺は..なんだろうな、夢見さんとでも呼んでくれ。」

「わかりました、夢見殿。」

「殿はやめろ。そんな大層な代物じゃねえ…」

少々落ち込んだ様子でまくらは答えた。

「と、言いますと?」

「俺は多分、持ち主に嫌われてたんだよ、

効果は寝た人に”夢を見せる”だけなんだがな。」

「なるほど...だから夢見...ふむ」

左手でメモを取りつつ質問を続ける。

「して、持ち主は夢が嫌いな人でしたか?」

「いいや?何というか...自分に厳しいヤツでな。

可笑しいぐらいに馬鹿真面目なヤツなんだ。

夢を本気で実現しようとしてな…

それで体ぶっ壊しちまった。」

「ついには『せめて最期ぐらいは夢をみたい』なんてほざいて、俺の上で逝きやがったよ。」

「それでも嫌われていぬと、私は思うのですが。

最期まで使ってくれたではありませんか。」

「使ってたのは最初の方と最期だけさ。

どの道俺は気に入らねえ。」

何故(なにゆえ)に…ですか?」

「普段真面目で可愛げねえのに、寝顔が死ぬほど嬉しそうなんだよ。そこが気に入らねえのさ。」

...思ったよりも優しいまくらであった。

これが俗に言う”ツンデレ”というものだったか。

「その魔法は作られた時に?」

「あぁ。アイツの父親もセンスが悪いよな、全く...」

「…お悔み申し上げます。」

どうやら父から子のプレゼントだったらしい。

間接的とはいえこのまくらが理由で亡くなったとは…

その父は一生後悔することになった…かもしれんな。

「逆にこっちから質問してもいいか?

人と話すなんて滅多に無ぇからな」

「もちろん、宜しいですよ。」

「なんでアンタはボロい物で商売してんだ?

龍人族なら用心棒とか騎士とか

もっといい職があると思うんだが。」

「それは...私が古き物、特に人の手を介した品々が好みで。

多様な人に渡って使われ、それぞれに想いが詰まっておる...素敵だとは思わんか?」

「随分とロマンチストなんだな。でも嫌いじゃないぜ、その考えは。」

少し素の口調が出て少し恥ずかしきかな…

骨董屋を営む理由は、他にもあるが...人…ではなかった、

物にわざわざ話すことではないな。

「では最後に。引き取り先の希望などは御座いませんか?」

「特にこれと言ってはないんだが...

アンタみたいに優しくて、心の強い人に使ってほしい。」

「承知致しました。では…またの。」

「また?そいつはどういう_」


物品名︰夢見まくら

166年 3ー15__引取不可物品に認定。

理由:死亡事例があり、一般に使われるべきでない物品と判断。

だから、このまくらは私が使うとしよう。

毎日ではないが、偶には夢を見るのも悪くない。

...お主もそう思うだろう?のう、多摩(たま)よ。

まぁ、にゃあとしか返って来ぬがな。

...どうでしょうか、これが初投稿なのですが。

誤字脱字やら「これ、どういうこと?」

というのがあれば是非コメントしてください。

これは単発ですが、好評なら続きを書きます。

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