33話
「おう!坊主、飲め飲め!」
数時間後、俺と桜はお邪魔したお宅で手厚すぎる歓迎を受けていた。
おじいさん(おそらく家に招いてくれたおばあさんの旦那さん)が飲み物を勧めてくる。けどこれは……。
「ビール、ですよね?」
「違う違う!オレンジジュースだ!」
「オレンジジュースってこんなに泡立ちませんよね!?」
「気にするな!飲め飲め!」
ずいっとジョッキに入ったそれを押し付けて来る。
俺は食卓に並べられた物に視線を移す。
「おじいさん、俺飲み物より、こちらのお寿司が気になるなぁって」
テーブルの上にはおばあさんが孫が来たみたい。と大喜びで出前をとった寿司が並んでいた。
「おう、そうか。どれ食う?マグロか?ウニか?」
「い、いえ俺はこれを」
おずおずと指さすその先にはシャリに長方形に綺麗にカットされ、真ん中に海苔の巻いてある、それを示す。
「タマゴォ!?遠慮するな!男ならもっといいもの食え!」
俺の取り皿を奪い、次々にネタを選ばれる。
ドーン!
小さな皿には、ウニ、イクラ、サーモンなどみんな好きそうなものが山盛り。というか綺麗にタワーを作っていた。
決して遠慮していた訳では無い。
ただ、たくさんあるし少しづつ味わって行きたいと思っていたのだ。
「よし!食うものも揃ったし、今度こそこいつだな!」
と差し出されるオレンジジュース、もとい酒。
「あ、あの……」
「だから遠慮するな!嬢ちゃん見てみぃ!」
丸いテーブルを180度挟んだ先の桜に目線をやると、
顔が赤くなり、両目がトローンとしている彼女。
「あ、まさりゅ〜。飲んでる?」
「い、いや……」
「にゃんで〜!?飲もうよ〜!?」
完全に酔っ払っている。断れよ、俺と同じ未成年だろ!?
おばあさんを跨ぎ、俺の隣までやってくる酔っ払い幼なじみ。
「飲め!」
「飲め!」
両側からの重圧。
俺はそれに耐えきれず。
「ちょっと外の空気吸ってきます!」
盛られたネタを全て喉に押し込み、逃げ込む俺。
ドタドタと居間からベランダへ移動する。
「なんでぇ、ノリ悪いなぁ」
「まさる……。無理しすぎ……」
背後からはガッカリした声と、心配するような、呆れたような声が届いた。




