32話
俺と桜は学校を休み、久保田先生に紹介してもらった場所を目指していた。
その場所を行くためまず、新幹線でその場所がある県まで行く。
着いたら電車が通らない場所なので、2、3時間バスに揺られ、停車した所は、車の通りはあるものの山の中だった。
そこからはひたすら坂道を登ることになる。
民家がちらほらと見受けられ、草むらを機械で刈っている音が聞こえてくる。
「ぜぇはぁ……!ぜぇはぁ……!」
「勝、大丈夫?」
あまりに長い坂道、時刻は午後3時を回ったばかりだが日の暑さもあり、額からは汗が流れ体力が持っていかれて息も切れていた。
桜はそれを心配してくれた。
しかし、当の本人も息づかいが荒い。
「おう、大丈夫……」
「そうは見えないけど……。休める場所あるかなぁ?」
そんな会話をしていると通りかかった家の前の玄関が開き、おばあさんが顔を出した。
「あんたたち、見ない顔だね」
「はい、この先にある神社に用がありまして」
「あそこだねぇ。ってことはあんたたち、訳ありかい?」
この地域に住んでいるからか、俺たちの向かう場所について知っているのかもしれない。
「ええ、まぁ」
詳しくは話せないが肯定しておく。
「そうかいそうかい。あそこまでまだ距離がある。休憩がてらうちに寄っといで」
「いえ、悪いですよ」
「遠慮なんかするもんじゃない、汗もかいて疲れてるだろ?」
それはそうだ。けど、一刻も早く、落葉のことを聞いて市原を助けないと……!
「あそこに向かう者はな、みな何かを成そうとして訪れる。あの神社の神主には、外から来た者はもてなしてくださいと頼まれてるのだ。成すべきことを成す前に倒れたら大変じゃろ?」
「でも、急いでるので……!」
そうふりきって、先へ行こうとした時、ドサッと音が聞こえた。
振り返ると桜が倒れていた。
「桜、大丈夫か!?」
「マサル、ワタシモウアルケナイ」
目を合わせず、棒読みで答える幼なじみ。
「いやまだ余裕あるだろ……」
「ワタシ、オバアサンノオコトバニアマエテ、キュウケイシタイ」
「連れの子もこう言っておる。倒れた子を無理やり連れていく気か?」
おばあさんの追い討ち。
あんたら息ぴったりだな。
はぁとため息をこぼす俺。
「わかりました。ちょっとお邪魔します」
「うむ、歓迎するぞ」
ニッコリと了承してくれたご老人宅へお邪魔することになった。




