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超世界

水文明の星、グレベーシ。アルターが離れ、パゴメノスを亡くしたこの星で現在研究長を務めるルバタは、あまりの労働量に追われていた。

「はぁ…アルターさん…帰ってきてくれぇ…頼む…」

「まぁまぁ、ルバタ、いったん休憩にしよ?」

ルバタの補佐官のシモスが、ルバタに優しく声をかける。

「あぁ…ありがとう…!僕の癒しはシモスちゃんだけだぁ…!!」

「ふふふ」

そんな会話で空気が緩む中、研究長室のドアが勢いよく開く。

「研究長!!」



「これは…」

「別の作業をしていたところだったのですが…これを発見しまして。」

アルターの乗っていた|戦闘用ロボットアーマー《フェクギア》の、機体名アヴニール。そのアヴニールのメインモニターに、文字が映っていた。

『アルターニトドケロ』

「アルターに届けろ…まさか、このフェクギアを?」

「さぁ…私どもにも、この言葉が何を意味するのやら、なぜ今日突然現れたのか、なんもわからないんですよ。」

アルターに届けろ…そのまま読めばそうなる。そういうことなのかもしれない。

だが。アルターのフェクギアである以上、このメッセージを無視するわけにはいかないのである。

「アルター()()()は、今どこにいるんだ?」

ルバタが言う。さっきまでとはトーンも変わった。

「確か、自然文明の星…ワウド。」

「ワウド…か」

「行くの?」

シモスが声をかけた。ルバタは下を向き、勢いをつけて前を向く。目が燃える。

「行こう、ワウドへ。アヴニールを届けるよ。シモス、フェクギアで行く。準備して!」

「うん!」

大きめの荷物と、アルターのフェクギア、アヴニール。

「さあ行くよ、ダゼンブラ。久しぶりの任務だね?」

ルバタが自身のフェクギアのダゼンブラに乗り込む。

「メストレサ、出番!」

シモスも、フェクギアに乗り込む。水文明の、いわゆる幹部は自衛用のフェクギアを一機は持っている。

「あー、そういや僕らが留守の間誰が研究長やるんだろ?」

『フェクギア発進!』

アナウンスが鳴る。射出レールが作動し、フェクギアが、勢いよく宇宙に飛び出す。

「あぁ…その…まぁ、なんとかなると思うよ?」

「そ…そうかなぁ……??」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

フェクギア

パーフェクト・ギアを略して付けられた。開発者はアルター。死文明が現世に来ると、レーダー系統と通信系統がほとんど使えなくなるため、レーダーに頼らない戦闘機が必要になった。そこでアルターが提唱したのが、フェクギア。人型で視野の広いフェクギアはレーダーが機能しない死文明戦において非常に有効である。また、歩兵と違い重装備させやすく柔軟に対応できるという点も高評価。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「みつけた みつけたみつけた」

「あぁ…やばい…あまりにやばいぞ!」

ブレンネンの直感が反応する。スライムが、ひとつの塊になった。

「…見つけた 捕まえた 殺す」

「さ、散開!!!」

ブレンネンが、咄嗟に叫ぶ。

地面に、スライムから放たれた闇のビームが走る。

「食らったら1発でお陀仏だ…!」

「なんで私がこんなに面倒なことに……!…こうなったら…《多色魔法 - アースウィンドアンドファイアー》」

ピサンリの元に、風が集まり、翠色の球体になる。そしてその球体がスライムの方へ発射され、暴風になり、そしてその暴風が、燃える。

「多色魔法…だと?!」

ピサンリは効果を見る前に、場所を変えてまた腕を伸ばし魔法の構えを作る。

「《三原多色魔法 - ドミニオンワールド》」

スライムの足元から、つる性の植物が生えてくる。

「殺す…殺す…」

スライムが頭部分からビームを放ち、そのつるを断ち切るも、ずんずん伸びていく。

そしてスライムにつるが絡み始めた時、更にスライムの身体が凍り始める。

「見つけ…見つけた見つけた」

「すごい…」

「一体だけになった分………マシね……」

「攻撃は当たらなければどうということはない!行けるぞ、みんな!」

ブレンネンの発言に、士気が高まる。

そして、スライムの頭上に魔法陣が現れ…

「起爆!」


スライムが火柱に包まれる。

「すごい…だがなぜ1人で多色魔法が…?」

「へへん、言ったろ?ピサンリはすごい魔法使いなんだ!」

マルトが得意げにする。だが、そのマルトの後ろからピサンリがコツンと頭を叩いた。

「あんたの力じゃないのに、威張らない。」

「え〜?すげぇんだから、いいじゃん!」

火柱が消え、土ぼこりも晴れる。だがそのスライムは、水しぶきがそのまま止まったような形をして、プルプルと震えていた。

「捕まえた」

「うわぁっ?!」

「ゼレ!」

ゼレの方へスライムから1本触腕が伸び、ゼレを締め上げて捕らえる。

「バーン!」

マルトが指示を出すと、バーンがスライムの触腕に噛み付こうとする。

「捕まえた」

だが、それをスライムはバーンの目の前にゼレを動かして抑制する。

「う…うぐぐっ…」

「人質作戦だとォ…スライムの癖に知能が高くて情熱的じゃねぇなぁ…!!」

「魔法さえ使えれば…」

苦し紛れにゼレが、スライムに刺胞を刺し、毒を注入する。

「痺れろ…!」

「効くわけないだろ」

イクエルがボソッとつぶやく。

「イッくんは黙ってて…」

「殺す」

スライムの頭に、黒いもやが集まる。毒が効いていないようで、反撃に対し激昂したようだ。

「ゼレ!…クソッ!」

アルターが堪らず目を瞑る。

ゼレも死を覚悟する。

「なにも…できないか…」


ジャキッ


切断音。アルターが目を開ける。

「な…なに?」

「きゃっ」

ゼレが、地面に落ちる。スライムの拘束が解ける。触腕が切れている。

一人の、少年が居た。ナギナタを振り下ろしている。

「…クノップ!」

うろの中で聞いた覚えがある。クノップ。確かからくり職人…

「待たせたねマルト!僕に任せて!《機巧(からくり)兵装-弓曳童子》!」

ナギナタが形を変え、「弓曳童子」と名付けられた弓形態に変わる。

クノップは鬨の声を上げ、弓曳童子から多数の矢が射出される。

「すごい…どんな収納技術を使っているんだ…?」

ゼレが感嘆する。放たれる弓矢が、スライムに確かなダメージを与えているのがわかる。

「いいぞー!クノップぅー!そのままやっちゃえ!」

「マルト、手伝ってくれ!」

マルトが跳んで喜んで応援しているのを見てクノップが指示を出す。

「わ、わかった!コピル!ムトト!チャンスを作れ!」

「キャーウ」「シャァーッ」

鳥のコピルと蛇のムトトが、スライムに攻撃する。コピルの攻撃には電撃、ムトトの攻撃には毒の効果がある。

「見つけた……見つけた」

「《クロノスタシス》!」

ピサンリもスライムに対し麻痺効果の魔法、クロノスタシスを放ち妨害する。

「ありがとうマルト、ピサンリ!《機巧(からくり)秘伝技-篠突く奔流雨》!」

弓曳童子の内部機構が光る。そして音を立てて歯車が回り、大量の矢が放たれた。

「捕まえた」

「《機巧(からくり)兵装-祭之薙刀》」

スライムに穴が空き、あたりに液体が散る。それを見てクノップはからくりを薙刀に変形させた。

「はぁぁぁ!《踊鳥之舞》!」

クノップは薙刀を回転させ、舞うようにスライムに斬撃を加える。

「あれは斬技……情熱的だな!なぁアルター!」

「あ…ああ……」

圧倒。

「《機巧(からくり)秘伝技-晴天の霹靂》!」

クノップは薙刀の片方を地面に突き刺し、それを支点にしてアクロバティックに跳び上がる。そうしつつ地面から薙刀を抜き、回転しながらスライムに飛びかかり、回転斬り。

「こ…ここ…殺…す……」

両断されたスライムの頭にモヤが集まりそうになるも、地面に液が散り、モヤが発散される。

圧倒。ピサンリに対してもそうだった。圧倒。

水文明は、時折死文明に襲撃されては、多少の死者を出しつつ追い払ってきた。死文明の襲撃をきっかけとして、パゴメノスを失ったのも事実だ。

自然文明の、この何でも屋どんぐりを仲間にできたらどれほど心強いだろうか?



「パルガン、トドメを!」

ゼレが、プレェトを倒して手の空いていたらしいパルガンに声をかける。

「うん!《月食》!」

潰れていたスライムに月食攻撃をすると、スライムが次は完全に消滅する。地面に染みていた液体も消えて綺麗に無くなった。

「よし…これで…何とかなった!」

その場にいた者全員が脱力した。

「良かったぁぁぁ………!!」


「《ワンダリング・ゲート》」


地面に座り込んだところに、自身の影がゲートになり落ちていく。

「な…なに………嘘………もう面倒ごとは…!」

ピサンリも、飛べるはずが吸い込まれていく。強制転移。死文明に…引き摺り込まれる!

「《飛翔プログラム》……っ!ダメだ!」

アルターのアーマーの翼から火が噴き出て推進する。が、どんどん影の中に飲み込まれていく。

「チカエル!ヤツエル!何とかならない?!」

「ふんぬぅぅぅぅーーー…無理ぃぃ…!」

「不可抗力だ…我らに直接引き摺り込む力は働いていないが…マスターにリンクされる形で我らも間接的に引き摺り込まれている…おそらく…イクエルも同じ…」

チカエルとヤツエルが、パルガンの肩を掴み、影から引っこ抜こうとするも、やはり引き摺り込まれる。

「うわっ、ちょっとちょっと!」

「み、みんなぁーっ!!」

「ヴァウ!ヴァァウ!!」「キァーーーーウ」「ガルルルッ」「キャッキャッキャッッ」「シャァァーーッ……」

クノップとマルトも、あの手この手で脱出を図るも、意味をなさない。

その頃…


「うわっ…え?…おいおいなんだなんだ?!!」

「う…うーん………」

フラゴルとムボガも、引き摺り込まれていく。


そして…


「アルターさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

「うわっ、おい、その機体、ルバタとシモス?!今は近づくな…って!!」

飛来したルバタとシモス、そして連れてきたアヴニールが夕陽を遮り、辺り一面を巨大な影にする。今まで日向にしがみついてギリギリ耐えてきたものの、こうなっては耐えられない。

「きゃ、きゃぁぁぁ!!!!」

「逆噴しろぉぉぉぉ!!!!」

2人のフェクギアのスラスターが全力で逆噴射するも、どうやら2人も引き摺り込む対象になってしまったようだ。



「プレェト…並びにこのオステオンがわざわざ生み出した闇の落胤を…始末した……赦してはおかん…………」


オステオンの声が響く。そこらに、ワンダリング・ゲートによって連れられてきたパルガンたちが、気絶して倒れている。おそらく、影から入った後この部屋に落ちてきた衝撃で、気を失ったのだ。

スライムがビームを放つ時に、一瞬集まる黒いモヤ。オステオンの身体はそれで構成された、煙状で実体の見えない人型であった。目に当たる部分が赤紫色に妖しく光っており、頭にはこれもモヤで形成された王冠が被さっていた。

「マスター、起きろ…!…強者だ…!《葬送刀ジギタリス》」

パルガンの手に、葬送刀が握られる。そして、パルガンが目覚める。ただならない空気に目が覚め、すぐさま刀を構えた。

「…は…った、はぁ…!」

「アヴニール、起動」

背後でアルターの声が聞こえる。アルターも目覚めたようだ。そして機械の動く音も聞こえる。アヴニール起動…つまりその音がアヴニールの音だと言うのはわかりやすい。ワンダリング・ゲートに落ちた時一瞬だけ見えたあの巨大な機械が、アヴニールなのだろう。

「悲鳴を……聞かせよ……………」

「《光線プログラム》!」

アルターの乗っているアヴニールの頭部から、白いビームが発せられる。

「無意味」

「なにっ!」

ビームがオステオンに到達するために発散してしまう。モヤのせいだろうか?

「それなら!《月食》《断炎斬り》!」

「《眷属召喚-堅牢なる蝙蝠》」

パルガンが勢いよく振り下ろした刀は、まっすぐ入るも、召喚された蝙蝠の翼が火花を散らして刀を止める。

「この硬さ、プレェトと同じっ…!……ぐあぁっ!!?」

蝙蝠が口を開き、超音波を発してパルガンを攻撃する。

(頭が…頭がガンガンする!)

「《氷点下ブレード》!!」

アヴニールの手首のユニットから持ち手部分が射出され握られる。持ち手からは、凝固点を下回っても凍らずに過冷却状態となり、刺激により瞬時に固体に相転移する性質をもつサーフュージョニウムの液体が出て、それによりブレード部分が形成される。

「はぁっ!」

ガキン!と派手な音を立てて氷点下ブレードが堅牢なる蝙蝠に防がれる。そして、超音波が発せられた。

「聴覚への攻撃、だがアヴニールにその手は…なに?!」

超音波の振動により、氷点下ブレードが粉砕される。

「馬鹿な?!」

「無理だ…アルター!!逃げるよ!!!ブレンネン、起きて!ブレン!!」

パルガンが焦った様子でブレンネンを起こす。

「ブレン、ブレイズバーストだよ!とびきりでかいの!!」

「う…あ、あぁ……あぁ!!」

まどろむブレンネンも、パルガンの様子とあたりの空気の異様さに目を覚ます。

「《ブレイズ・バースト》!!!」

爆音が響く。

「うわっ、ちょっとちょっと、何これ?!」

「走れ!」

驚きの声を上げるクノップ。そのあとにパルガンの声が続いた。

その場にいたものが、ぞろぞろと立ち上がり、直感的に逃げる。

「バーン!ライドだ!ムトト、掴まれ!」「ガルッ!」「シャァッ」

「《破竹の勢い》……何なのよ!」

「え…なに、なに…?」

ムボガはまだ少し意識がはっきりしない。ピサンリは加速する魔法を使った。

「あれは絶対勝てない!攻撃が通じない…動いてすらいないのに!眷属しか使っていないのにだよ!次元が違いすぎる!!」


「逃すと……思うか………?…自惚れたな………《バンシーの叫喚》」


「ぐうっ?!!」

バンシーの叫喚。言い表せないような、悲痛そうな叫び。その叫びに、力が抜けてしまう。逃げていたのに、逃げる必要があると分かってるのに、動けない。

「《眷属召喚-邪な異端者》」

オステオンから、身体が骨で構成された…スケルトン。スケルトンが湧き出る。

カラカラと骨のなる音が近づいてくる。動けない。

「いやぁぁぁぁぁぁっ!」

「マスター!!」

「うわぁぁぁぁ!!!!!」

ピサンリの悲鳴に、ヤツエルはパルガンを無理やり立たせる。立ったは立ったが、膝が震えている。

「ぁぁぁぁぁ《月食》!!!」

やけっぱちに振られた刀が、スケルトンの骨をバラバラにする。だが、すぐに骨が1人でに動き出し元通りになった。

「フラゴル君、フラゴル君!!」

ゼレがフラゴルに這い寄っていき、手を握る。真っ直ぐな瞳でフラゴルを見つめて言う。

「多色魔法だ、多色魔法を使おう、研究長とパルガン君に出来たんだ、ここが男の見せ場だよフラゴル君!!」

フラゴルは一瞬目をそらす。だが、すぐに向き直った。

「魔法はそんなに得意分野じゃないんだがな……!」

「魔力は私の方に合わせてくれ!…パルガン君!何とか耐えてくれたまえ!!」

「う、うん!!何とか!!」

パルガンは、スケルトンを刀身でなぎ払い、なるべく遠くでバラけさせることで時間を稼ぐ。これも同じ、プレェトと同じ感覚。硬い。斬れるビジョンが、浮かばないのだ。バンシーの叫喚のせいで、斬技を使う余裕が無い。ただ振るしか出来ない。

「フラゴル君、円周率はどこまで言える?」「円周率ってなんだよ?!」

「3.14159265358979…」

フラゴルとゼレが、同じ色で光り始める。魔力の同調、多色魔法だ。

「「《多色魔法-ゼロ・フレイム》!」」

多色魔法が放たれ、スケルトン部隊が冷気でおおわれる。そしてすぐさま次は炎が発せられ、温度が一転する。

「パルガンとアルターのようにはできないのかよ……いや待てよ、これで疲労が起きる!」

「そういうことだフラゴル君。」

「《月食》!」

温度差によって疲労が起き、脆くなった骨は簡単に割れ、月食の効果で消滅する。

「ありがとう、フラゴル、ゼレ!」

(嘘でしょゼレさん、火炎文明の男と付き合ってるの?!!)「ゼレさんばっかり!ダゼンブラ、来て!」

「メストレサ!」

その声に応じて、ルバタとシモスの機体が飛んできて、2人が搭乗する。

どうやらもうさっきの叫び声攻撃の効果は切れている。

「《氷点下ロッド》!」

「《氷点下リボン》!」

ダゼンブラ、メストレサの手に、アヴニールと同じようなサーフュージョニウム製の武器が握られる。

「《バンシーの叫喚》」

「同じ手をっ…なぁっ?!」

アヴニールのコクピット内モニターが点滅する。

「電力が?!!」

「メストレサ、お願い動いてよ!」

コクピット内に居たアルター、ルバタ、シモスはダメージを受けていないものの、フェクギアが死文明の力によるものか、ダウンしてしまった。

(逃げ…逃げないと…戦って勝てる相手じゃない……!!でも…!!逃げられない………っっ!!!!)

パルガンは、足に力を入れて立とうとすると、全く力が入らない。

「嫌ぁ……!」

オステオンの人間の枠をでた強さ。プレェトを倒したのに、全く敵わない。

「《眷属召喚-アドラメレクの幻影》」

追い討ちをかけるように…いや、トドメを刺すように、オステオンから新たな眷属が呼び出される。アドラメレクの幻影…プレェトやオステオンと同じく、モヤによって体が形成されている。人型に近い造形に、クジャクのような羽根が背部に生えている。そんな形のモヤ。

「《呪殺》」

羽根から、丸くて黒い球体が放たれる。人数分。おそらく、あの球体を受ければ死ぬ……それは肌でわかった。

「旅の終わりか…………」

ブレンネンまでもが諦めた。


そんな中だった。


「《ワンダリング・ゲート》」


パルガン達の目の前に、神々しく輝く金色の、円形のゲートが現れる。死文明の物と同じワンダリング・ゲートとは思えない。そこから出てきたのは、純白の鎧に身を包み、赤い宝石が目を惹く飾り用と見間違うような美しいエングレーブの入った槍を一本携えた……神。…戦神ローアル。


「度重なる水文明への侵攻…ポルター・ガイストを用いた火炎文明…失礼、パッション・ワンダラーへの介入。そして現行の強制介入……()()()()だ。執行する…賽は投げられたアーレア・ヤクタ・エスト。」

「邪魔をするな………神文明!」


人智を超えたもの同士の戦いが始まる……賽は投げられてしまった。

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