この爪に紅葉を
こんにちは、葵枝燕です。
この作品は、空乃 千尋様とのコラボ企画となっております。空乃様撮影のお写真をお題に、葵枝燕が文章を綴る——題して、[空翔ぶ燕]企画です。企画名は、僭越ながら私が名付け親です。一応、由来があるのですが——長くなると思うので、後書きで披露させてくださいませ(今回第十一弾なので、前回までの作品からご覧の方はご存知かと思いますが、はじめましての方もいるかもしれませんので、ご理解のほどよろしくお願いいたします)。
そんなコラボ企画第十一弾の今回のお題が、「楓(二〇一九年十一月二十九年)」です。本文の最初に入っている写真が、お題として提供いただいたものとなっております。
そうですね……自分の願望ダダ漏れじゃないか?——という感じのお話かななんて個人的には思っています。
本文に、写真が入っております。ぜひ、合わせてお楽しみくださいませ。
手の平を空へ向けてみる。青く澄んだ空と、緑から赤へと染まるカエデの葉が、少しづつ寒さを増す空気に映えていた。
カエデはすきだ。葉の形、「カエデ」という名の響き、「楓」という漢字——そのどれもがかわいらしいと、ワタシは思う。カエデという名の語源が、「カエルの手に似ているから」と何かで知ったときは、おもしろいと思う反面、なんとなくがっかりしたような気持ちも抱いたものだけれど。
あの葉の形を、ワタシのこの手の爪にまとわせたら、さぞ美しいに違いない——と、ふと思う。
自分の容姿に自信のない、また、自身を着飾るという気もあまりない、そんなワタシではあるが、手の爪の形だけは自信があるのだ。その自慢の爪に、秋を彩るカエデをまとわせれば、きっとよりいっそう、この爪を愛しく思えるだろう。そう思ったら、早くこの爪を飾りたくてたまらなくなる。
爪を彩る楽しさを知ってしまったからこそ、裸の爪では物足りなくなる。
ワタシは立ち止まり、スマートフォンを操作し始めた。ワタシの心に刺さるような、そんなデザインをさがし求めるために。
そんなワタシの耳元で、寒さを増す風が鳴き声をあげながら過ぎていった。
『この爪に紅葉を』のご高覧、ありがとうございます。
さて。ここから色々語りたいので、お付き合いのほどを。多分、長くなります。
前書きでも書きましたが、この作品はコラボ企画です。名付けて、[空翔ぶ燕]企画。「空」=空乃様から一文字拝借、「翔ぶ」=お題から想像力膨らませて文章書くイメージ(「翔」という字には、「とぶ」の他「めぐる」や「さまよう」という意味もあるそうで、その意味も含めて「翔ぶ」を採用しました)、「燕」=葵枝燕から一文字——そんな由来で生まれた企画名です。
そんな今回のお題は、「楓(二〇一九年十一月二十九年)」でした。本文最初の写真が、お題となったものです。
さぁ……というわけで、ここからは登場人物について語ります。ですが、今回もお一人しかいないので、そこまでは長くならない、と思います。
というわけで、主人公兼語り手の「ワタシ」について。自慢の爪にカエデの葉を飾りたいと思う——そんな方です。一応、今回もモデルが私自身なので、女性のつもりです。あとは、自分の容姿に自信がないだの、自分自身を着飾る気があまりないだの、爪が自慢だの、爪を飾りたいと思っているだの——そういうとこも私自身がモデルだから、です。
そしてこれも前回書きましたが、私は生まれてからずっと沖縄県に住んでいますが、カエデをあまり見たことがありません。旅行で訪れた福岡県かどこかで見た気はしますが、そのくらいです。だからこそ、憧れもありますね。
前回は写真から素直に書いてみたというかそんな感じでしたが、今回は写真から素直に書いてみたというか私の願望を混ぜてみたというかそんな感じです。
その願望——「爪を飾りたい」、その理由というか経緯というかですが、先月、姉から、「初めてのネイルサロンでのネイル」を誕生日プレゼントされまして。その一件で、ジェルネイルの楽しさを知ってしまったのです。ただ、今は右手の親指の爪が割れてしまってるので、それが治ってからかなと思っていますが。でも、早くこの爪を彩りたくて彩りたくてたまらないのです。その願望を、今作にはのせてみました。まぁ、時期的にもうクリスマスネイルとかお正月ネイルとかになりそうですけれど。
それから、物語に取り入れられなかったので完全に余談ですが。カエデの花言葉は「遠慮深い」だそうです。
タイトル『この爪に紅葉を』ですが、思いつくまま素直に付けてみました。
さて。これで語りたいことは語れたでしょうか。何か忘れてる気がしなくもないですが……思い出したら書きたいと思います。
最後に。
空乃 千尋様。今回も、ステキなお題をありがとうございます! 実をいうと、柿のお写真もよいなと思っていたのですが、カエデにしました。次のコラボも楽しみにしています。
そして。ご高覧くださった読者の皆様にも最大級の感謝を。もしご感想などをTwitterにて報告される際は、ぜひ「#空翔ぶ燕」を付けて呟いてくださいませ。
拙作を読んでくださり、ありがとうございました!
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参考資料
※メモし忘れていたので、調べてから書きます。すみません。