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風のフルーティスト  作者: 蒼乃悠生
第一章 いろんな人に出会ったり
11/42

4-2

 職員室のドアを閉める。

 すると、そこにはあの彼が立っていた。私は驚いて、泣き顔を隠す為にそっぽを向く。

眞野(まの)さん、大丈夫?」

 彼は焦るように、私の顔を覗き込む。

「母さんが……すみません」

 事情を知っているようだ。

 そりゃあ、あれだけ叫んでいれば生徒達の耳にも入るだろう。そうなれば自然に息子である福岡くんに嫌でも情報が入る。

 福岡くんは、いままでに見たことがない顔をしていた。怒っている。その眼差しには恨んでいるようにも見えた。

「福岡くん」

 名を呼べば、その眼差しは柔らかくなる。

「折角、連絡先を教えてくれたのにごめんね」

 上手く笑えているだろうか。

「一回も連絡しないまま、終わりそうだね」

「母さんに、なにを言われたんですか?」

 彼になんと言われようと、私は言わなければならない。

「連絡先、消して。お願いだから」

「母さんにそう言われたんですか⁉︎」

 あんな穏やかに笑う彼に、こんな気迫で言ってくるなんて予想していなかった。だから面食らう。

「あ……すみません」

 私が怖がったように見えたのか、彼は気まずそうに謝った。

「じゃあ、さよなら」

 彼の引き止める声を背にして、逃げるようにその場から離れた。

 無視して、ごめんね。福岡くん。


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