表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

第4話 青年の修行

え~、すいません(-人-;)


戦闘の描写をどう表せばいいかで悩んでいました……


まだまだ拙いところが多々ありますが、楽しんでいただけると幸いです(^_^)

祖父との鍛練はとても過酷だった。


まずは体力作りからだった。向こうの世界で少しはマシになるように鍛えていたが、祖父からまだまだ不十分だと言われた。


学校が終わり放課後になると、すぐに青年は祖父の家に行くようになった。

ちなみに所属している剣道部には、暫く休部すると伝えている。


祖父から出された体力作りのメニューはこうであった。



・町内(1周=約4km)を3周休憩なしで走る

・腕立て伏せ、腹筋、背筋を3セットそれぞれ

200回ずつ

・10分間の休憩

・近所のお寺の階段を往復20~40本

(一心の気分次第で回数が変わる)

・30分間座禅を組む



このメニューの内容を聞いて、青年は少しショックを受けたが、一度祖父に頼んでしまったからにはやり遂げようと思い、自分を鼓舞した。


最初のうちは、町内を3周走り切り終わった後、祖父の家の前で気絶して倒れていた。

その度に祖父は、水の入ったバケツを持ってきて青年の身体に水を浴びせて、起こしていた。

こんな日々が3カ月続いた。

その間、青年は弱音を吐かずに一生懸命取り組んだ。


その結果、青年の身体は以前とは比べ物にならないほどガッチリになり、座禅にも取り組んだことで心の乱れをなくすことができるようになった。


3カ月に及ぶ体力作りの次は、剣術の指導だった。青年は剣道部に所属していたが、実力は下から数えた方が早いくらいであった。


そのため、指導が始まってすぐに、祖父からの怒号が飛び、何度も指摘された。

力任せに木刀を振ると、祖父に竹刀で頭を叩かれたりもした。


だが、毎日木刀を振る続けると、少しずつ良くなっていった。


そして気付けば、剣を振る速さが音を置き去りにするまでになっていた。


青年は自分の実力がどれほどになったのか確かめたかったので、祖父に部活に行ってくると伝えた



祖父は笑顔で『行ってこい!』と返してくれた



久しぶりに剣道部に参加して部員との試合をすると、前までの実力が嘘のように次々と部員たちを倒していった。



そして、去年のインターハイの個人戦で優勝した不動先輩と互角に渡り合えるまでになっていた


不動先輩との試合は一時間以上続き、どちらも一本を取れなかったため、引き分けとなった



結果を報告すると、祖父は『そうか、そうか』と笑って頷いてくれた。


その後も鍛練は続いていった。

:

:

:

:

:

:

:

:

剣術の鍛練が半年経つと、


『そろそろ、次の鍛練に進んでも良い頃じゃな。あと2つの鍛練をこなせば儂から言うことはもうないな。』


と、祖父にそう言われて、剣術の鍛練を終えた。




次の鍛練は『気』の習得だった。祖父はなんと気が使えたのだ。


祖父の気は凪のような放出型ではなく、春蘭や季衣などのような内気功型だった。


向こうの世界で、何度か凪に『気』について教わったことがあったが、結局上手くいかなかった。


『精神を無にして、心の奥で何かを感じ取ったなら、それを爆発させるようなイメージをするんじゃ。上手くいけば、それで気が発現するはずじゃ。』


祖父から言われたことを実践したが、なかなか上手くいかず、夕方になる頃には力尽きて、床に大の字に倒れた。


「あ~、駄目だ。出来ねぇ……」



『カッカッカ、そりゃそうじゃ!一朝一夕で気が身に付いたら苦労しないわい。今までの鍛練と同様にコツコツとしていくしかないわい。』



『明日、また頑張るんじゃな。儂はもう出るぞ。』



手をヒラヒラさせながら、祖父は道場を出ていった



「やるっきゃないな………、よし!頑張ろう」



青年は自分を鼓舞して、明日の鍛練に向けて家に帰った


:

:

:

:

:

:

:

:


気の習得の鍛練を始めて、約2週間。


青年はようやく気の発現に成功した


発現した瞬間、青年は体の奥底から力が溢れるのを感じた


だが、発現したのも僅か数秒ほどで、すぐに気が尽きてふらつき、膝を着いてしまった。



『お~、この短期間でよく気が発現できたの。儂の場合は1カ月程かかったんしゃがなー。じゃが、本番はこれからじゃぞ。』



「えっ!?……」



『「えっ!?」とはなんじゃ。まだ、気を発現しただけで、気の総量が全然ないではないか。

そんなものでは、役に立たんぞ。』



正論を言われてしまい、青年は何も言い返せなかった……


『まぁ、そう落ち込むでない。気が発現できただけでも立派じゃ。』


祖父はそう言い、青年の頭をワシャワシャと撫でた



『一刀。これから毎日剣術と座禅に打ち込め。ただし、剣術はただ打ち込むだけでは前と同じじゃ。気を使いながら取り組むんじゃ。』


『気は自身の精神力・肉体の向上によって、必然的に総量も増えていくものなのじゃ。毎日欠かさずに励むのだぞ。』



「分かったよ、じいちゃん。毎日欠かさずに頑張るよ!」



こうして、青年は気の総量の増加に努めた










(少し時を遡って……………)


一方、青年は鍛練だけを取り組んでいたわけではない



祖父に鍛練を願い出た後日から、鍛練をしていない時間は勉強に費やしていた。


もちろん、向こうの世界で天の国の知識を取り入れるためだ


元々、青年は普通の人よりも頭が良くなかっため、人一倍毎日努力した。


授業中の居眠りをなくし、予習・復習に力を入れた


その結果、三年生に上がった頃には学年で常に3位以上を保っていた。


(閑話終わり)



気の総量を増やす鍛練も、始まって一年近くが経とうとしている


来週末には卒業式が迫っていた。


いつも通り鍛練を始めようとしたら、祖父に呼び止められた。


不思議に思った青年は尋ねてみた



「どうしたの?じいちゃん。」



『うむ、そろそろ最後の鍛練に挑ませようと思ってな………。』



「本当!?やったーー!じゃあ、お願いします。ところで、最後の鍛練って何?」



『最後の鍛練は…………』


祖父がそう言った瞬間、祖父の体が目の前から消えた


そして、何かが自分の脇腹辺りを横切るのを感じて、咄嗟に青年は後ろに跳んだ


『ほう……、今のを避けるか。さすがは儂が鍛えただけはあるのう。』


青年が先程いた場所には、祖父が竹刀を振り抜いていた



「な、なにすんだよ、じいちゃん!危ないだろ。」



『一刀、これが最後の鍛練じゃ。儂と試合をして、勝てば北郷流の免許皆伝じゃ。じゃが、今回だけは制限時間を設ける。日没までに勝てなければ、免許皆伝はなしじゃ。よいな?』


「…………………………………」



青年は言葉が出なかった



"じいちゃんとの勝負だって?勝てるわけがないじゃないか"



『どうした、一刀?勝負前に諦めるのか?あの時の言葉は嘘じゃったのか!!』



祖父に言われ、青年はハッとした



"そうだった……。俺は華琳たちを支えるための力を身に付けるために、じいちゃんに稽古を頼んだんだったな…。じいちゃんの期待を裏切る真似なんて絶対できない!"



青年は覚悟を決めると、祖父を見据えた



『ほう、いい面構えになったではないか。覚悟は決まったかの?』



「あぁ、全力でいかせてもらうよ。じいちゃん。」



互いに己の武器を構え、相手に意識を集中させる


風が舞うと同時に二人は駆け出す


「「はぁーー!!」」



祖父の方がやはり速かった


青年が竹刀を振る時には、既に祖父の竹刀は青年の

首筋に直撃しようとしていた


だが、竹刀は青年には当たらなかった



祖父がその異変に気付いた時には、もう遅かった



青年は竹刀を祖父の首筋に突きつけていた



『カッカッカ、儂の負けじゃな。よくここまで付いて来れたのぅ……。流石、儂の孫じゃ。』


祖父は青年の頭を撫でて、誉めた


すると、青年の心は嬉しさでいっぱいになり、思わず涙がこぼれた


「うっ………うっ………」



『ほれ、男が涙を流すものではないぞ。』



祖父は青年の頭をクシャクシャと撫で続ける



暫くの間、青年は静かに泣き続けた……


誤字・脱字・感想などの報告、お待ちしています(。・ω・。)ゞ


できるだけ、早めに次は投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ