表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 松室悠紀
2/4

落としたノート

貴方は字が綺麗な人がカッコよく思えることはありませんか?

字が綺麗なことに憧れることはありませんか?

私はその思いが少しばかり強かったのです。


始まりは落し物でした。

学校の階段の隅にノートが落ちていました。

ふと拾い上げると名前のないノート。

悪意はなく中を見てみたのです。


一目で恋に落ちました。

美しい字が美しく並ぶことは、こんなにも素敵なことなのかと。


内容から同じ学年である事は分かり、相手をみつけることは難しくありませんでした。

そして、あぁ、美しい字を書く人は美しい人でした。


たどたとしかったことでしょう…

見苦しい行いでしたでしょう…

その子に話しかける内容を探す日々が続きました。


一言笑ってくれたから、おどけて見せて。

俯いていたから、微笑んで。

その子の字だけでなく全てを好きになろうと思って、


幸せな日々でした。



でも、終わりはすぐに来ました。

いつも通りのある日のこと、数学の関数を聞きにその子が来た日。

その子が関数っていう字を書いたのです。


その子は、

門構え略字派でした。


初めは見間違いだと思いました。

次に見間違いでないことが理解出来ました。


あの!

門構えの画数の多さが!

あの、めんどくささが可愛いというのに!

彼女は門構えについて、

彼女は何一つ理解していなかったのです。


私の恋は、門構え略字派の門に阻まれてしまいました。


おしまい。


門構え略字派の皆さん、あなたの知らない間に恋のきっかけは去って行ってしまってるのですよ?

門構えはきちんと書きましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ