死の自覚と転生
狸親父の初投稿の小説になります、右も左も分からないうえに文才も無く、とても稚拙で、作品と呼べるかも怪しいものですが、最後まで読んで頂けると、とても光栄です。
「・・・・・・どこだ?ここは」
突如として意識が覚醒し、目を開けると、白い、とにかく白い謎空間に仰向けに寝転んでいた、なにこれ?
しかし・・・・・・この謎空間、凄く暖かくって心地が良い、眠気こそ無いけれど、ずっと寝転んでいたいなぁ。
そんな怠惰なことを思いつつ、その思い通りに寝転んでいると、
「おーい、そこの君」
どこからか声をかけられた、心地の良い時間を邪魔されたような気がして、つい、むっとしてしまうが、無視はよくない、とりあえず、上半身だけを起こし、首を動かして、周りを確認するが、やはり、白い、これは夢なのだろうか?なんて、今更なことを考えつつ、上半身だけでなく、下半身も動かして、立ち上がり、背伸びをして、後ろを向いてみると、俺に声をかけたであろう女性がいた、木で作られたような質素な椅子に座っていて、俺に微笑みかけながら手を振っている、それにしても恐ろしいくらいの美人だな、彼女の容姿は、誰もが美しいと思うであろう整った顔に、彼女の腰辺りまで伸びている金色の髪は綺麗な艶を放ち、高い鼻、くっきりとした二重の目に、大きな碧眼、上向にカールしているまつげも長く、唇は健康的な紅色、シミひとつ無い白い肌、まさに、完成された完璧な美、としか形容ができない。
俺が、目の前で手を振ってくる美人に尻込みして、近づけないでいると、
「あ、君の分の椅子が無かったね、今出すよ」
美人は何を勘違いしたのか、苦笑すると、指を鳴らす、パチン、と、音が鳴ると、美人の目の前に木で出来た机と、美人が座っているものと一緒の椅子が、美人に向かい合うような形で出てくる、美人は机と椅子が出てくるのを確認すると、満足そうに笑みを浮かべ、俺にこっちに来いと、手招きをする、そこまでされては、尻込みなんてできないので、俺は、美人の方に向かって歩き出す、あれ?何で美人が指を鳴らしたら、机と椅子が出てきたんだ?やっぱり夢か。
俺は、そんな確信を抱きつつ、「どうぞ、座って」と、美人に言われて、彼女が出してくれた椅子に座ると、美人が、
「おはよう、私の名前は、エヴィリア、貴方の名前は?」
と、簡潔な自己紹介をしてから俺の名前を聞いてくる、俺の名前は確か・・・・・・あれ?思い出せない・・・・・・?
俺は、絶対に覚えていなければならない名前を思い出せないことに、首を傾げていると、
「あの・・・・・・どうかしたのかい?」
美人もとい、エヴィリアさんが、心配そうな顔をしながら聞いてくる、俺は、彼女の顔を見て、必死に名前を思い出そうとするものの、どうしても思い出せなかった、俺は、
「すいません、名前、思い出せないんです」
つい、俯きながら、エヴィリアさんに、自身の名前を思い出せないことを告げる。
それを聞いたエヴィリアさんは、特に驚くわけでもなく、少し、考えるような素振りを見せると、
「少し、確認させてくれないか」
と、言うと、エヴィリアさんは、自身の人差し指を俺の額に当て、目を閉じる、俺は、彼女の突然の行動に面食らって、動揺してしまう、というか、こんな美人にこのようなことをされてしまうと、この世の男たちはアッチ系の人意外は、こうならざるを得ないだろう、俺はつい、後ろへ下がってしまいそうになる、
「動かないで」
短く、とても真剣な声色で、あたふたしていた俺に、エヴィリアさんが言う、俺は、その一言で、蛇に睨まれた蛙のように、動けなくなる、と、エヴィリアさんの様子がおかしい、閉じられたエヴィリアさんの瞼は震え、白玉のような肌はどんどん青ざめていき、顔色も悪くなっていく、どうしたんだ、と言おうにも、体が何故か動かない、この状態が三分ほど続いただろうか、エヴィリアさんの様子は、さらに悪化し、エヴィリアさんの体は、痙攣を起こし始めていた、が、エヴィリアさんは俺の額からは、指を離さず、俺も体が動かない、エヴィリアさんの鼻から赤い何か、血が流れでてくる、と、ここで、エヴィリアさんは、俺の額から指を離し、肩で大きく息をする、その間に俺の体は動かせるようになり、俺は咄嗟に、
「エヴィリアさん!大丈夫ですか!」
立ち上がり、叫んでいた、エヴィリアさんは、大丈夫だと手を上げ、上げていないほうの手を自身の胸に置き、何かを呟くと、彼女の胸辺りが、少し光ると、青ざめていた肌が健康そうなものになり、顔色も元通りになる・・・・・・あ、これって夢だったね、なら大丈夫だ、問題ない。
とりあえず、これが夢であると再度自覚したし、目が覚めるまでゆっくりしていようか、俺は、ふぅ、と一息ついて、椅子に座る、と、エヴィリアさんが咳払いをすると、顔を上げ、俺のほうを向くと、
「では、本題に入らせてもらうよ」
と、先程のように、真剣な声と、表情で言う、俺は、今、夢の中にいるにもかかわらず、エヴィリアさんの声と表情に、緊張を覚えてしまう、俺はつい、ごくり、と唾を飲み込む。
「君はここに来る前に、何をしていたか、覚えているかい?」
「え・・・・・・」
何故か、俺は言葉が詰まってしまった、ここに来る前、これは夢だ、なら、眠った筈だ、その筈なのに、何で、おかしい、何かがおかしい、夢だというのに、冷や汗がでてくる、何でだ、思い出せない、そんな俺を見て、エヴィリアさんが、口を開いた。
「君、いや、桐嶋悟君、君は、幼馴染である森響子を庇って死んだ」
思い出した、俺の名前も、ここにいる理由も、俺は、死んだ、頭の中で、その時の光景が、再生される。
俺の態度に拗ねた響子は、青になった信号の横断歩道の真ん中よりも少し先に走っていって、俺の方に振り返り、小さな子供がやるように舌をだしていた、そのときだ、信号を無視して、響子に突っ込んでくるトラックが見えたのは、響子は俺よりも遅くトラックに気づいたが、動けていなかった、俺は響子を突き飛ばそうと走り、その結果、響子を突き飛ばすことができた、が、その代わりに俺がトラックに轢かれ、今にる。
「あぁ・・・・・・思い出した」
「悟君、死んだことを―――」
「よかったぁ~、響子は無事かぁ~」
「へ?」
変に強張っていた体から力が抜け、座っている椅子に、だらしなくもたれ掛かる。
いやぁ良かった、良かった、響子が無事ならば良いじゃないか、でも心配だなぁ、あいつは一人で大丈夫かが心配だ、朝に弱いし、親御さんにしっかり起こしてもらえればいいのだけれど、ん?エヴィリアさんが、唖然としているようだけど、
「エヴィリアさん?どうかしました?」
「え?あ、あぁ、なんでもない、えぇ、死んだとかそういうのは、本人次第ですよ、えぇ、そうに決まっています」
なにか早口で言っているけど、俺って死んだよね、だったら、ここってどこだろう?本当は死んでいないとか?それは無いか、吹っ飛ばされてるときに、あ、これ、死んだなって、思ったし、俺の勘は良く当たるからね、ってことは、ええと・・・・・・確か、響子が持ってたライトノベル、だったかな?それに、転生っていうのがあったような気がする、どうなんだろ、聞いてみるか、
「エヴィリアさん」
「だとしても、少しは慌て・・・・・・なんだい?」
「俺ってどうなるんですか?」
「あぁ、君の思っている通りだ、転生させるよ」
「おぉ、まさか本当に転生出来るなんてなぁ、どうせならファンタジーの世界に転生できたらいいな」
「ん、そのことなら、所謂剣と魔法の世界って所に転生する予定だね」
「まじですかい、地球では志半ばで死んでしまったし、楽しめればいいかなぁ」
「まあ、そのあたりは君次第だね、っと、君には特典を決めてもらわないとね、転生はそれからだ」
エヴィリアさんが、そこまで言うと、机の上に、サイコロがでてくる。
「そのサイコロを振って、でた目の数だけ、特典を決められる」
俺は、その説明を聞いて、サイコロを手に取ると、サイコロが急に光りだした、
「「え?」」
俺はつい、間抜けな声を上げてしまう、何故かエヴィリアさんも、なんだ?爆発でもするのか?
そんなことを思いつつ、光るサイコロを持っていると、すぐに光が収まり、再びサイコロを持つと、
目の数が増えていた、何故?
最後までお読み頂き、誠にありがとうございます、と、言っても、短いので、途中で読むのを止める前に、読み終えてしまったかもしれませんが、如何だったでしょうか、やはり、人物描写はとても難しいですね、これからでも、頑張っていきます。
前書きでも言ったように、まだ、右も左も分からない状態で、もし、ご感想等を頂いた際に、拝見することができないかもしれませんが、ご感想等、よろしくお願い致します。