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総合魔導学習指導要領マギノ・ゲーム  作者: 天川守
第3章 秋 ~戦いの季節~
82/341

登場人物紹介(北原仁、二宮亜希追加。アマテラス終了。次からは後半の強豪になります)

ここは適宜更新していきます。登場人物が増えて把握が難しいとのことでしたのでお役に立てていただけると幸いです。

チーム『クォークオブフェイト』

 元アマテラス所属だった近藤真由美が自身のチームを作るために友人何名かと共に生み出した創設2年目のチーム。

 昨年は人数不足により正式チームとして届け出が出せなかったが、今年は12名を満たしたことにより、念願の世界大会優勝を目指して邁進している。

 学園によるチームランクは文句なしのAランクであり、アマテラスに劣るものではない。


チームメンバー

佐藤(さとう)(けん)(すけ)――1年生・万能系。魔力光『白』。魔導機『陽炎』

 本編主人公。

 身長は男子高校生1年の平均より少し高い程度で、顔は普通。

 身綺麗にすれば多少はマシになる程度。

 両親は普通の専業主婦とサラリーマンで1人っ子という現代日本の典型的な家庭育ちという平均を絵に描いたような男子高校生。

 戦闘スタイルは希少系統――万能系を活かした戦闘スタイル。

 ステータス的な特徴は存在しないが全ての系統を扱う能力を駆使して戦う。

 1番の武器は目と度胸。

 彼の真価はステータスではなくその戦闘センス。

 爆発力がなく派手さもないが堅実な生存能力は格上相手にこそ発揮される。

 万能系の特性を最大限活用し系統を偏らせることで相手の穴を突く戦闘スタイルを得意としている。

 エースではなくジョーカー、そんな立ち位置の魔導師。


九条(くじょう)()()――1年生。メイン・創造系。サブ・身体系。2つ名『蒼い閃光』

 魔力光『水色』。魔導機『雪風弐式』

 ヒロイン。

 主人公である健輔とはあらゆるものが対照的であり、彼が羨望してやまないパートナー。

 容姿は大和撫子といった感じの美少女。

 割と着痩せするたちなのであまり知られていないが立派なものをお持ちになっている。

 成績も学年で10番内に入る程の秀才。

 容姿と知性、涼やかな声と魔導師としての実力全てを兼ね備えたパーフェクトガール。

 実は結構古い家柄の娘であり、世間知らずなところがあるのはそのため。

 才色兼備の華として1年男子の憧れの的となっている。

 1学期は割と冷たい印象が先行していたため高嶺の花扱いだったが2学期からは柔らかい笑顔も増えてファンが急増。

 夏に男ができたのではという噂で一時期、健輔が抹殺リストの1番に昇ったがあんまりそんな感じもしないため保留となっている。

 魔導師としては健輔と違った意味で万能。

 生来的な能力である過剰魔力収束能力『オーバーリミット』もあり、死角が存在しない。

 戦闘スタイルは機動力を生かした1撃離脱を基本としたもの、現在は火力の上昇もあり、攻撃側に編重している。

 ステータス的な弱点は存在しないが些かメンタルが弱い面がある。

 特に1つ上の姉、桜香とは良好な関係だが言葉にできない想いがあるらしい。


過剰収束能力(オーバーリミット)』――番外能力と呼ばれる生来から持っている特殊技能の1つ。収束系と同系統の能力だが、違う点が1つ。収束系は100%までしか活用できないのに対してこちらは限界値が存在しない。

 本人の力量次第ではどこまでも伸びていく成長の化け物のような能力。


高島(たかしま)(けい)()――1年生。メイン・浸透系。サブ・創造系。魔力光『黄緑』

 健輔の幼馴染。

 家は近所で幼稚園から中学まで同じの完璧な幼馴染。

 健輔と違いオシャレなのと普通にイケメンなので女友達を含め交遊関係は広い。

 広く浅い交友関係は健輔と間逆となっている。

 健輔について天祥学園に来たのは大学部にいる年上の初恋の人を追いかけるため、迷っていたところを健輔に猛烈に勧誘されてやってきた。

 魔導自体も楽しいため、健輔には割と感謝している。

 世界大会で優勝したらもう1回告白しにいこうと秘かに考えていたりする。

 魔導師としては光るものがあるが、1年相応。

 回りの2人が異常なだけであり、彼も学年を考えれば十分に強い。

 糸を操るトリッキーな戦い方のため嵌ると強いが特定状況に持ち込めない場合は悲しいことになる。


丸山(まるやま)美咲(みさき)――1年生。メイン固定系。サブ流動系。魔力光『緑』

 健輔の女友達第1号。

 綺麗系の優香とは違い、可愛い系の女子。

 小柄な体格が実はコンプレックスらしく優香を羨ましがっている(逆に優香はもう少し低い方がよかった)。

 主人公ペアに負けてからそれまで以上に練習を積んでいるため、目立たないが1年で1番錬度が高いのは彼女。

 バックスは性質上裏方が多いため、試合でも必然影に隠れてしまう。

 魔導式を専攻していて、健輔と優香のために自作の術式を研究している。

 シルエットモードは彼女の協力がなければ完成しなかった。

 実は定期試験で総合1位の成績、魔導式に関しては現時点で早奈恵に勝るものを持っている隠れた実力者である。


藤田(ふじた)(あおい)――2年生。メイン収束系。サブ・身体系。2つ名『掃滅の破星』

 魔力光『赤紫』。魔導機『餓狼』

 戦闘系女子、チームのエースであり対人特化の女傑。

 健輔にとっては姉のような女性であり、多少無茶苦茶な事を言う程度の存在だが他のチームからすると悪夢のような女性。

 戦闘スタイルは素手の格闘、大規模破壊ではなく一点突破に主眼を置いている。

 その拳は5重展開された程度の障壁だと1撃で抜いてくるため防御がほぼ意味をなさない。

 高火力高機動という悪夢の移動砲台、現在でこそランクを持っていないが世界大会での活躍次第では普通にランクインする可能性がある。

 本領が対人、つまり機動格闘戦に限るため物理型に少し弱い。

 3歳下の弟がいて微妙に健輔と似ているらしい。

 固有能力『レベル・コーディネート』を保持。


『レベル・コーディネート』――メインとサブの習熟率を同じ値にする能力。メイン側が基準になるため、本人の錬度がダイレクトに反映される。

一見地味だが魔導研究的にも重要な能力であり、シンプルな強さを持っている。本人が努力しない場合はただの産廃と化すあたりに葵の思想がよく出ている。



佐竹(さたけ)(つよ)()――2年生。メイン破壊系。サブ身体系。魔力光『明るい黒』

 破壊系の肉弾魔導師、戦闘スタイルは葵と類似。

 格闘戦の能力だけなら葵にも劣らないが系統の差で彼女には届かない。

 前衛系として必要な技量は全て水準以上で押さえているが系統がネックのためレギュラーで出場できない。

 破壊系の拳は特定の相手によく刺さる。

 反面、今主流の火力型には接近する前に落とされることが多いため、相性がよくない。

 健輔からすると気のいい兄のような存在でチーム内の先輩では葵に次いで懐いている。

 休日は食べ歩きを行っていて穴場などを良く知っている。

 入学初期の健輔はよくお世話になっていた。


杉崎和(すぎさきかず)()――2年生。メイン創造系。サブ遠距離系。魔力光『黄』

 後衛魔導師だが、後衛のセオリー通りのタイプではない物量派の男。

 2年内ではあれこれ考える参謀型なのだが2年の中心たる葵が野性で生きているため活用される機会はあまりない。

 圭吾と似ている『決定打にならないが特定条件で厄介になる』魔導師。

 基本戦術は魔力で生み出したキューブを敵の陣に突然出現させて撹乱すること。

 創造系としては『魔力を生み出すこと』に特化している。

 チームプレイ用の能力であるため単体では左程強くない。

 所謂、『うまい』タイプの魔導師。

 我が強い葵の抑えに回ることが多く去年は苦労していた。

 健輔の加入により葵の制御がやりやすくなったため内心とても感謝している。

 趣味は空中遊泳、本当は前衛がよかったのだが適性を考えて今の形にした。


伊藤(いとう)()()――2年生。メイン遠距離系。サブ収束系。魔力光『明るい黄色』

 後衛魔導師で葵の幼馴染兼親友。

 戦闘スタイルは狙撃。一瞬の間隙を突いて相手を狙い討つ。

 呼吸の感覚を読んだり知能プレイを基本とするため力押しには弱い。

 また後衛であるため普通にうたれ弱い。

 飄々としているお姉さんキャラだが割と純情。

 根は真面目なため日々練習を欠かさない。


獅山香奈(ししやまかな)――2年生。メイン流動系。サブ固定系。魔力光『赤と緑』

 バックス。

 早奈恵の安定思考とは違い最大効率を求めるタイプ。

 専攻は魔導紋。

 既存術式のリソース限界までの改良が得意。

 逆に新しい物を生み出すことは苦手である。

 普段から術式の改良に精を出しておりそれがライフワークでいきがい。

 最近、影で美咲の相談を受けて一緒にある術式の研究を行っている。

 美咲と2人で陰で健輔を支えている。


近藤(こんどう)真由美(まゆみ)――3年生。メイン収束系。サブ遠距離系。2つ名『終わりなき凶星』

 魔力光『真紅』。専用魔導機『羅喉』

 チームのリーダーでランク5位の世界『最強』の後衛魔導師。

 基本的に包容力も高く柔軟な思考を併せ持つ優秀なリーダー、時には大胆な策も好むし、逆に細かい作戦も勝利のためには許容する。

 経験も豊富であり上に立つものとしてはトップクラス。

 戦闘スタイルは流行の大規模火力型の極致。

 魔導砲撃で遠距離から消し飛ばす、防御力も高いため下手に距離をあけてしまうと彼女1人に撃滅されてしまうこともある。

 やっていることは基本に沿った事でしかないのだが規模が別格の人。

 固有能力は『リミット・ブレイク』収束限界の上限値を失くすもの。

 『パワー・コントロール』魔力の減衰を操作する、の2つ。

 固有能力に多い自身の長所を伸ばす形になっている。

 明るく朗らかなチームの頼れるリーダー、チーム全員が程度の差はあれ彼女を尊敬している。

 基本を極めて頂点にまで近づいているため、同年代や後輩の後衛魔導師は彼女を目標にしていることが多い。

 最近、メキメキ伸びている後輩たちに実は対抗意識を燃やしている。


石山(いしやま)妃里(ゆり)――3年生。メイン創造系。サブ収束系。魔力光『オレンジ』

 真由美の親友でモデルのような美人。

 見掛けに似合わず根は真面目で普段は暴走する真由美を押さえる役割が多い。

 しかし、戦闘に入ると熱く燃え上がってしまうタイプ。

 戦闘スタイルは近接型の代表的なものの1つである両手剣、剣に魔力を込めて斬撃するだけである。

 安定している分、爆発力に欠けている。

 火力自体は収束系の関係もあり、悪くないが特筆するほどのものでもない。

 魔導師として平均は超えているが、2つ名には届かない熟達の魔導師というべきレベル。

 1人っ子であり、実は妹が欲しかった。

 素直で子どもらしい優香がとても気に入っている。

 彼女が健輔に興味を持った時は真剣にどうするか悩んだらしい。


近藤(こんどう)隆志(たかし)――3年生。メイン身体系。サブ創造系。魔力光『紺色』

 真由美の双子の兄にして、チームサブリーダー。

 あまり目立たないが熟達の魔導師であり、錬度だけならトップクラス。

 高機動型の魔導師であり、打たれ弱い。

 教科書に乗せたくなるような1撃離脱戦法を得意としている。

 健輔が密かに手本にしている『生き残る』魔導師。

 今でこそ、真由美との関係に納得しているが昔は結構嫉妬していた。

 魔導を習い始めることで折り合いをつけた模様。


武居早奈(たけいさな)()――3年生。メイン創造系。サブ固定系。魔力光『黒』

 チームの頭脳にして、参謀。

 真由美の親友であり、バックスの統括者。

 専攻は魔導陣、中でも転送陣を専門にしている。

 特出すべき点はなく全てにおいて普通に優秀な魔導師。

 健輔の転送戦法は彼女の協力があって完成したもの、他にもいろいろと相談に乗っている。

 コンプレックスは小学生にしか見えない小柄な体格、常に白衣を着て偉そうな口調で話しているのもそのためである。

 毎日牛乳を欠かさず飲んでいるが一向に背が伸びないのが最近の悩み。



『天祥学園』

 日本国内唯一の魔導専門校。アメリカ・欧州につぐ地位にいるさりげなく優秀な学園。

 魔導技術の各種テストなども兼ねて予算と技術を湯水のごとく飲み込んでいる。

 魔導が飲み込んだ以上のものを吐き出していなかったら確実に学園は残っていなかっただろう。

 1番の功労者たちは里奈や彩夏よりも2~3上の世代、そこの努力により多くの魔導が現在の形で整備された。


大山(おおやま)里奈(りな)――教師。メイン遠距離。サブ収束系。健輔たちのクラス担任

 おっとり系の巨乳美女教師。のんびりとした話口調に癒される生徒が多数、学園でも有数の人気教師である。

 担当科目は数学だが魔導師であるため、ぶっちゃけなんでも教えれる。

 中でも里奈は魔導工学も収めている生粋のエリート教員である。生徒からは『里奈ちゃん』と呼ばれているほどの童顔。普段はしっかりしているのだが、偶に大きなポカを犯したりするお日様系の女性である。

 魔導師としての実力は真由美を砲撃戦でボコボコに出来るレベル。

 教員たちは魔導に触れている時間が違うので純粋にレベルが違う。現役の時は真由美よりも弱かった。元ツクヨミ所属なので彼女もトリガーハッピーである、

 趣味は魔導機作り。


笹山(ささやま)(あや)()――教師。メイン身体系。サブ創造系。優香たちのクラス担任

 メガネ系のクール美人、なのだがそれは落ち着いたからこその姿。

 現役時代は葵も顔負けの戦闘狂だった。

 今と同じく根は真面目だったのだが、はちゃける側面が強かった。

 里奈とは学生時代からの付き合いだが仲良くなったのは大学部で同じゼミに入ってから。

 元はスサノオに属していたバリバリの前衛。

 当時の2つ名は『群青の剣鬼』、障壁を紙のようにスパスパ切っていたためについた。

 今は大分落ち着いているが酒を飲んだり、ストレスがたまると昔に返っていくらしい。



チーム『シューティングスターズ』

 ハンナ・キャンベル率いるアメリカの連合魔導学園所属のチーム。アメリカでは州単位で学園を保持してそれらを全てひっくるめて1つの魔導学園としている。

 主要15州ぐらいには学園が存在しているため、規模で言うなら日本の天祥学園を軽く上回る。

 魔導発祥の地として、最先端を爆走しているアメリカでも5本の指に入るチーム。

 ハンナはチームモデルとして、最近は真由美から聞いた『ツクヨミ』の構図を取り入れたりしている。


チームメンバー

ハンナ・キャンベル――3年生。メイン収束系。サブ遠距離系。2つ名『女帝』

魔力光『黄色』 魔導機『シューティングスター』

 

 真由美のライバルにしてランキング4位の魔導師。戦闘スタイルは真由美と同じだが彼女は質よりも量を重視している。

 圧倒的な数の魔導砲撃は彼女1人で敵チームを壊滅させるだけの物量がある。

 真由美もそうだが固有能力のおかげでメインとサブの差はほとんど存在しない。

 明るく楽天家、そしてかなりの自信家でもある。

 真由美と近しい性格だが己への自負は彼女の方が高い、また認めた人物以外には結構辛辣だったりする。

 口だけ達者な人間が大嫌いで逆に行動派な人間が大好き。

 固有能力は『ポイント・ゼロ』収束速度を0にする能力と圧縮速度を0にする能力、2つの固有能力を一纏めにして呼んでいる。

 総合力ではハンナ、逆に砲撃戦では真由美に軍配が上がる。

 豪快でワイルドな日本人がイメージするアメリカ人らしい人物。

 目標はナルシストこと『皇帝』の頭を踏みつけること。


アリス・キャンベル――1年生。メイン収束系。サブ遠距離系。魔力光『明るい黄色』

魔導機『シューティングスターカスタム』


 次代の『女帝』と言われる未来の有力魔導師。戦闘スタイルは真由美とハンナのハイブリットのようなもの。

 姉とは違い幼い容姿をしているが意思の強さは共通している。

 基本的な才能及び錬度においては優香に匹敵する存在だが、残念なことに『クォークオブフェイト』と戦った時は相手が完全な格上&特化キラーだったため良いところを見せれず脱落。

 本大会ではその憂鬱を晴らすように大暴れしている。

 姉を強く尊敬してハンナのようになりたいと常々語っていて、そのための努力を欠かさない。

 有能な姉を持っていて、自身も才能があるというのは優香と共通している点である。

 違うのはアリスの方が意志力が強いのと姉自体の才能差。

 現在の目標は夏の借りを返すこと。

 来年度はアリスとラッセル姉妹がハンナとサラに変わる新しい看板としてチームを牽引することになっている。

 正しく代替わり出来た数少ない例となる。

 現時点で固有能力は発現していないが兆候が見られているのは流石に姉妹と言うべきだろうか。


サラ・ジョーンズ――3年生。メイン創造系。サブ収束系。2つ名は『鉄壁』

魔力光『深い青』。魔導機『ガーディアン』


 世界最高の防御能力を持つと謳われる魔導師。

 破壊系などの弱点はあるが、それ以外では桜香ですら正面からの突破は難しいまさに『鉄壁』の魔導師である。

 格上相手でも必ず役割を遂行することが可能であり、嫋やかな所作からはイメージ出来ないほどに粘り強い。

 真由美クラスの火砲ですらほぼ完璧に受け止めるそれは魔力で作った壁というべき障壁から空間を隔てる壁レベルまで進化していると言われている。

 健輔にチームとしての役割を遂行することを教えた人物でもあり、彼を筆頭に影響を受けた人物は多い。

 ハンナとは親友だが一歩引いて彼女を立てるあり方は参謀として、なにより女房役としてふさわしい。

 固有能力を持っていない魔導師でありながら、最上位とも戦えるその能力は多くの魔導師が尊敬している。


ヴィエラ・ラッセル――1年生。メイン創造系。サブ収束系。魔力光『黄金』

魔導機『ディセント』

 

 双子のラッセル姉妹の片割れで姉の方。

 良く似た容姿をしているが性格は大きく異なり、姉のヴィエラはおっとり、のんびりとした天然な人物である。

 魔導師としてのタイプは物理型に分類され、創造系を駆使しての広範な物質創造に長ける。

 脳内のイメージを正確に投射するという創造系の特質を作中もっとも使いこなしているのが彼女である。

 創造系の一点に絞るならその才能は桜香すらも超えており、夏の時点でも岩に限るならどんなものでも創造出来ていた。

 現在はさらなる成長を果たしおり、壁役としてもサラに匹敵するレベルなっている。

 基本的に芸術肌かつ天才肌であり細かいことを気にしない感性で生きている人間。

 彼女だけなら戦闘技能はそれほどでもないが、その部分を妹が補っているため彼女たちに死角はない。

 2人揃えば、格上のエースとも十分に戦える数少ないセットで運用される魔導師の類である。


ヴィオラ・ラッセル――1年生。メイン収束系。サブ浸透系。魔力光『灰色』

魔導機『スネイク』

 

 双子のラッセル姉妹で妹の方。

 頭脳を担当しており彼女たちの戦いはヴィオラが基本的に主導権を握っている。

 感性の姉と違い、理性の妹であるため噛み合っていないように見えるが天才の言語を翻訳できる数少ない人間のため彼女たちの間に齟齬は生じえない。

 魔導師として戦闘スタイルは人形使い。

 姉が生み出す精緻なゴーレムをサブでありながらメインクラスで扱えるその操作術の巧みさを持って相手を追い詰める。

 夏の時に重ねた敗北は彼女にも大きな影響を与えている。

 『クォークオブフェイト』が世界に行った時には大きな壁となって立ちふさがるであろう。

 日常では礼儀正しく、少し言葉が意味深なぐらいの可愛い御嬢さん。

 姉が大好きすぎてシスコンをこじらせる1歩手前の領域にいたりする。

 そのため、男性にあまり興味がなかった。

 しかし、目的に邁進して努力を重ねている人物は好みのため、健輔や圭吾など『クォークオブフェイト』の男性陣には基本的に敬意を持っている。

 自チームの男性は割と情けない面もあるため、実は意外と辛辣。

 天才たる姉とアリスの間に入って緩衝役を担っているため、口に出したりはしないが少しは健輔たちを見習え、などと思っていたりする。



チーム『天空の焔』

 チームとしては設立してから6年目ほどのチームである。

 創立期のメンバーは既におらず、彼らと直接の面識があるものたちも少ない。

 文化の継承がうまくいかなかったがチーム名だけは残っている典型的な中小チームが母体となっている。

 赤木香奈子、クラウディア・ブルームなどの新戦力により頭角を現した復活のチーム。

 創立メンバーはそのことをとても喜んでおり、密かに応援したりしているがそのことを香奈子たちは知らなかったりする。


クラウディア・ブルーム――1年生。メイン変換系。サブ収束系。魔力光『黄色』

2つ名『雷光の戦乙女』 。魔導機『トール』


 ドイツ人で金髪の外国人美少女。

 元々は欧州校に所属している交換留学生。

 各魔導校を代表して、他の魔導校へ技術や人的交流を促すために存在する制度であり、交換留学という名だが通常の留学とは幾分異なるものとなっている。

 ある意味で国の代表としてやってきているので実力は保証書付、創造系から派生した欧州の新系統『変換系』の使い手にして希少な属性『雷』の保持者。

 魔力を自然現象に変換することは創造系のイメージ頼りではかなりの難易度を要求されて戦闘技能として片手落ちであった。

 それらのネックを解消するためにイメージ補助などを加えたのが変換系である。

 彼女はそれに適合した10人の1人で中でも希少な雷は彼女だけの素質。

 桜香が陳腐化を指摘したが、雷に限るならばそこまで汎用的な素質ではない。

 剣士としての才もあり、間違いなく天与の才を持つ少女。

 日本では無名に近かったが、チームの躍進に合わせて名を上げている。

 元チームは女性のみで構成される欧州の強豪チーム『ヴァルキュリア』。

 欧州最強の『女神』を排出したこともある日本における『スサノオ』などにあたるチームに所属していた。

 敗北を経験してから更なる修練を積んでおり、激戦区欧州でもエースを名乗るだけの実力をしっかりと持っている。

 健輔はおそらく父以外できちんと接した初の男性。

 実家はユンカーの流れを汲んでいる割とお嬢様な人で、その辺りで実は優香と共通点が多い。

 最近の悩みは友人2人の急激な成長。

 変換系を使いこなすための師を求めている。 

 バトルスタイルは正当派な力押し、余程の格上同格以外にはそれで勝てるため小細工を必要としなかった。

 健輔に対する敗戦から戦術に対する理解を深めている。


赤木(あかぎ)香奈子(かなこ)――3年生。メイン破壊系。サブ遠距離系。魔力光『漆黒』。

2つ名なし。採用候補『破壊の黒王』『漆黒の破壊者』など。魔導機『カタストロフィ』


 常識を打ち破った実戦なしで固有能力に覚醒した怪物魔導師。

 執念においてならば桜香どころか、世界最強である。

 破壊系を遠距離で使用するという魔導の常識を打ち破った超強力な固有能力を持って『天空の焔』を優勝候補に引き上げた最大要因が彼女である。

 そこそこの長髪をしており、前髪で顔を隠している影のある女性、きちんとする影の美少女になるそんな感じの彼女の印象をガラッと変えたのが対『クォークオブフェイト』戦。

 初戦の戦いでもそこそこ噂になっていたが、真由美を撃破することで一躍最強の後衛へと踊り出ることになった。

 大人しそうな外見に反してバトルスタイル、趣味などがかなりファンキーだったりする。

 バトルスタイルは真由美と同じ砲撃型。

 しかし、経験を除けばスペックにおいては全てが真由美を超えている。

 後1年早ければランキングの4位に食い込んでいた可能性もあるほどのもの。

 遠距離限定ならば桜香すらも仕留める最強の後衛魔導師である。

 固有能力は合計3つ覚醒しているが全てが破壊系を遠距離で活用するもののため、纏めて『バランスブレイカ―』と呼称されている。

 1つは破壊系と他の魔力を同時に扱うこと。もう1つが魔力を大規模に集める能力。

 最後に圧縮魔力を生み出す能力である。

 後者2つは収束系に似た効果を生み出すが効果が段違いであり、それも相まってただでさえ過剰な火力が手を付けられないものになっている。

 過剰放出される破壊系の魔力がオーラのようになっており、彼女を包むため純魔力攻撃に対しては基本無敵。

 経験を積み上げることでさらに強くなるなど、いろんな意味で厄介な女性。

 最近は後輩と友人に引っ張り上げられて明るくなってきたため、地味にファンを獲得している。


坪内(つぼうち)ほのか――3年生。メイン身体系。サブ収束系。魔力光『ピンク』

 香奈子の親友にして、チームを脇から支えるベテラン魔導師。

 エース2名がぶっ飛んでいるため、目立たないが元が中堅にギリギリ届くかという『天空の焔』所属と考えると十分以上に優秀な魔導師である。

 基本的に身体能力の強化に焦点をおいており、体捌きで葵に伍するほどのレベル。

 弱点は些か火力が不足していることと、控えめな性格が仇となりいざという前に出られないこと。

 『クォークオブフェイト』における妃里のポジションなため、影に日向に香奈子を支える良妻の鏡のような人物である。

 クラウディアは人間として尊敬しており、生活能力などが皆無な香奈子は彼女にかなり頼っている。

 炊事洗濯なんでもござれのお嫁さんにぴったりの女性。

 温和な雰囲気も合わさってチーム内の男子は結構憧れていたりする。

 母性的ないわゆる、年下にモテるタイプ。

 最近の悩みは自分が老けていると思われているのではないかということ。

 恋愛に対してかなり過剰な期待しているのは周囲の影響かもしれない。



チーム『明星のかけら』

 アマテラスの離脱組が「太陽」候補だった「曙光の剣」橘立夏を慕って作り上げたチーム。基本的な骨子が桜香が所属する前のアマテラスに近く、飛び抜けたエースではなく熟練のエース数人で相手を圧するという形になっている。

 現在のアマテラスは『桜香のアマテラス』なので実は正当なのはこっち。

 格上に対して若干弱い部分があるがそれでも国内では5本指に入るチームである。


(たちばな)立夏(りっか)――3年生。メイン創造系。サブ身体系。魔力光『オレンジ』。

2つ名『曙光の剣』。魔導機『(あけぼの)』 

 『明星のかけら』のリーダーにしてエース。

 基本的に常識人であり、快活な印象に違わず明るくスッキリとした人物。灰汁の強いチームのメンバーをまとめ上げれているのも彼女の人徳あればこそである。

 ショートカットの茶髪に化粧気がほとんどない感じなどと割とスタンダードな女子高生からは離れた人物でもあり、子供っぽいところが多々見受けられる。

 そういった部分も含めてチームメンバーは支えて上げたいと思っているのである意味でカリスマとも言えなくはない。

 普段の穏やかな様子に反して戦闘に関しては割とシビアで合理的な戦法を好む。

 この辺りの勝ちに対する執着は彼女も魔導師だということであろう。

 バトルスタイルは創造系を中心とした物量型。

 剣を創造して相手に投げつけるというシンプルなものになっている。

 近接技能も高いため、防ぎにくい遠近どちらにも対応できる優秀な魔導師。

 固有術式『魔剣招来』も合わせて、万能型魔導師としての総合力では学内でも3指に入る実力者である。

 弱点は火力不足と撃たれ弱いこと。

 格下にはかなり強いのだが同格、ならびに格上に対して厳しい試合が多いのはこの辺りが原因である。

 最近の悩みは桜香がさらに強くなったこと。

 打倒のためのハードルが上がって溜息を吐く回数が増えた。


平良元(たいらもと)(のぶ)――3年生。メイン遠距離系。サブ浸透系。魔力光『灰色』。魔導機『聖火』

2つ名『傀儡師』

 立夏のパートナー。

 単体の戦闘能力よりも誰かと組んだ時にその力を発揮する魔導師。

 その2つ名が示す通りに誰かを操ることに長けているが、本質は補助にある。

 立夏と組んだ時にその真価を発揮するため、本来はセットで運用するのが正しいのだが小器用なためいろいろな使い方をされている。

 昔はメガネをかけていたが今はコンタクトにしている。

 チームきっての知性派、立夏の足りないところを補う男。

 好きな子をつい苛めてしまうタイプの男でもある。


藤原(ふじわら)慶子(けいこ)――3年生。メイン遠距離系。サブ収束系。魔力光『緑色』 

 チーム内の幹部では唯一の2つ名なし。

 だからと言って、他の3人に実力で劣るのか言われるとそんな事はなく錬度で言えば『クォークオブフェイト』の妃里を僅かに上回る。

 高校生とは思えない色気とよくわからない清楚さが融合している妖しい魅力を持つ女性。

 色っぽさでは間違いなく学園最高クラスである。

 ニコニコと笑顔を浮かべて真意を読ませない笑顔を持っている。

 戦闘スタイルは砲撃魔導師。

 はっきり言って真由美の下位互換であり、常識的なスタイルを超えるわけでない。

 ただ近接戦闘能力などでは真由美に伍するレベルであり、高位魔導師であることは疑いようがない。

 チーム内の源田貴之とはそこそこ古い付き合いであり、お互いに気を許しているがそれが表に出てくることほとんどない。


源田(げんだ)貴之(たかゆき)――3年生。メイン収束系。サブ浸透系。魔力光『茶色』。魔導機『我王』 

 2つ名『破砕者』 

 坊主頭の巨漢の男性。実家はその印象を裏切らない寺生まれの超物理型魔導師。

 寡黙であり、その外見を裏切らない渋い声の持ち主だが普段は穏やかな人物である。

 戦闘時の嬉しそうな様子から勘違いされがちだが彼はバトルマニアではなく、自分の力を振るうのが楽しいタイプ。

 戦いそのものは左程好きではない。

 同チーム内の藤原慶子とはいろいろとあるが一応信用も信頼もしている。

 バトルスタイルは膨大な魔力に物をいわせて周囲の物質を操り、押しつぶしにかかる超物理型。

 単純な質量押しと高い操作能力が組み合わさって突破が困難な壁にして、攻撃となっている攻防一体の厄介な魔導師。

 火力がない魔導師では対抗手段がなく、春頃の優香なら嬲り殺しにされる程度には強い。

 反面超火力型にはいくらか遅れ取る面もあり、安定して強いが弱い部分はどうにも出来ないという不器用さが特徴となっている。 


三条(さんじょう)莉理子(りりこ)――2年生。メイン創造系。サブ固定系。バックス 魔力光『藍色』 魔導機『ショパン』 2つ名『戦譜の演奏者』 

 国内どころか世界でも最高クラスのバックス魔導師。

 専攻は『魔導陣』専門は『攻撃魔導』と割とデンジャラスな道を進んでいるがこれは大規模系の術式がそちらにしかないため、彼女の最終目標は結界のような形で病を癒したり出来るようになること。

 魔導機の補助なしだと現在でも目が見えず、その副産物的なもので彼女は魔力の流れを知覚できるようになるなどの特殊な能力を得た。

 魔導の研究的にはかなり稀有な人材であり、世界的にも有名な人物。

 2つ名がついているのもその規格外の能力を評価されてのことである。

 まるで演奏するかのごとく、術式を構成することからこのように呼ばれるようになった。

 番外能力――魔導連携『マギノ・リンゲージ』――自身の魔導陣と他者の式を融合させて同一化能力を行使することが出来る。番外能力に分類されているのは彼女しか使用できないためであり、固有能力と言い換えても良い分類の難しい能力。

 どちらかというと彼女の技量あっての面が強いため、特定の相手以外との合一は出来なかったりと不便な面も強い。

 趣味は音楽鑑賞。目が見えない時の楽しみだったため、今も変わらず音楽を愛している。


チーム『ツクヨミ』

 アマテラス・スサノオと並んで3貴子と呼ばれるチームの1つ。

 天祥学園を代表するチームの1つで伝統的に強豪チームに名を連ねている。とはいえ、アマテラスと比べると実力的には格下。

 バトルスタイルは後衛重視の超火力シフト、現在のトレンドを先取りしているチームのため強さはノウハウを含めてスーパーエースが存在すればアマテラスにも負けないと思われるだけの潜在能力がある。

 アマテラス以外の3貴子、ツクヨミ・スサノオはそれぞれの得意分野ならば格上を喰らえるチームなのだがその運用が特異すぎて扱いに難しいのが特徴。

 どちらかというとバトルスタイル以外の面で有名なチームでもある。

 国内最高のチームとも言われる文化の継承者、『全力で楽しく』がモットーであり、気持ちの良いチームである。

 チーム所属人数が多く、いくつかの分派というか分割チームを持っているのでも有名。

 ツクヨミ本体だけでも50人オーバーだが全部合わせると100に届きそうな人間が所属していることになる。


朝倉(あさくら)(こう)(すけ)――3年生。メイン遠距離系。サブ収束系。魔力光『青』

 現ツクヨミのリーダー。

 強力な指導力を発揮するタイプではなく調整型のリーダーであり、ツクヨミに多い協調タイプの人間である。

 バトルスタイルは伝統の火力型スタイル。

 穏やかな空気としっかりした芯を持っており、ここ1番での勝負勘に優れる。

 エースには届かないベテランよりも上、準エースクラスの魔導師。

 ツクヨミというチームを愛しており、文化を絶やさないことを目標にしている。


今井(いまい)陽子(ようこ)――3年生。メイン遠距離系。サブ収束系。魔力光『青紫』

 ツクヨミ首脳陣の1人。

 対外的にリーダーを用意することが多いツクヨミは大体幾人かの中心人物がいるが彼女はその1人。

 真由美に憧れているが同時に嫉妬もしている複雑な気持ちを持っている。

 バトルスタイルは例に漏れず、遠距離砲撃型。

 ベテランクラスの魔導師であり、遠距離戦に限るならば準エースクラスの魔導師。


中川(なかがわ)英知(ひでとも)――3年生。メイン遠距離系。サブ収束系。魔力光『黄緑』

 ツクヨミ首脳陣の1人。

 孝介の友人であり、理解者。彼とメンバーの仲立ちを良く行っており、チーム内の潤滑油のような存在。

 ツクヨミも組織ではあるのでまったく問題がないかと言えばそんなことはないが代々彼のようにチームのために身を粉にして働きかける人がいるためあまり問題にならない。

 バトルスタイルは砲撃型。火力よりも正確性よりだがあまり差はない。

 彼も準エースクラスの魔導師であり、砲撃戦ならば簡単には負けないだけの実力がある。


草凪良乃(くさなぎよしの)――3年生。メイン遠距離系。サブ収束系。魔力光『レモンイエロー』

 ツクヨミ首脳陣の1人。

 砲撃大好きなぶっ放し系の女子。

 真由美のように砲撃出来たら気持ち良いだろうな、と羨望を抱いている。

 4人の中では彼女が現ツクヨミのエースと言えなくはないのだがぶっちゃけると誤差のレベル。

 それでも真由美を除けば国内最高クラスの後衛であることには疑いはなく遠距離戦では無類の強さを誇る。

 天空の焔との戦いでクラウディアとほのかを接近する前に粉砕した。

 香奈子の殴り合いで負けてしまったが距離さえあれば負けないというツクヨミの評判を証明した試合でもある。


チーム『魔導戦隊――マギノレンジャー』

 戦隊ヒーローを模したチーム――といよりも戦隊ヒーロー好きの集団。

 魔導をヒーロープレイなどに使っており、ある意味で正しい使い方のチームである。

 現リーダーにして世界ランカーたる星野勝により、一気に有名になった。

 実力も備えたヒーロー集団に進化したため、いろんなイベントなどにひっぱり出されており、彼らも喜んで参加している。

 2年連続世界戦出場の経歴は伊達ではなく今年の出場チームの中でも本命の一角だった。

 ダークホース『天空の焔』により、ピンチに陥っているがまだ参加の可能性はあり油断できない。


正秀院(せいしゅういん)(たつ)(よし)――1年生。万能系。魔力光『白銀』。魔導機 『グレイス』

 魔導戦隊次代のエースと呼ばれている健輔以外国内唯一の万能系。

 健輔と違い普通にあらゆる能力に優れており、特に頭脳面では雲泥の差が存在している。

 相手の術式を解析してその場で再現できるレベルのバックスの天才。

 惜しいことに戦闘センスに難があり、健輔との戦いではその部分で敗北してしまった。

 現在は健輔との戦いから己の目指すバトルスタイル構築を目指して努力している。

 言い方は悪いが星野の固有能力に頼ったチートスペックのゴリ押しに慣れてしまったのが彼の敗因。

 同じチームの1年生所属の桃園舞の協力を受けて次代の魔導戦隊の根幹となる術式を構築中。

 俗に言う素直じゃない人間であり、実はライバルである健輔が活躍するのを喜んでいる。

 健輔も彼の動向は気にしているのでお互いがお互いを刺激し合う間柄。

 圭吾と同じくイケメンに部類される男。

 髪の毛先が魔力光の影響を受けて銀に染まっているのが様になっているため健輔は心の中で厨2病と呼んでいる。


桃園(ももぞの)(まい)――1年生。メイン固定系。サブ創造系。魔力光『淡いピンク』

 魔導戦隊のバックスの1人。

 1年生のバックスとして平均的な能力を持っている。

 特筆すべき能力はないがそれゆえに彼女が扱えれば誰でも扱えるということであるため龍輝はとても感謝している存在。

 割と孤立しがちだった龍輝とチームの仲立ちを行った人物であり、人間的に出来ている人。

 健輔に対しては龍輝と良いライバルになってくれて感謝している。


星野(ほしの)(まさる)――3年生。メイン浸透系。サブ創造系。2つ名『司令』。魔力光『赤』。

魔導機『ブレイバー』 

 現魔導戦隊リーダーにして世界ランク7位の魔導師。

 ランカーらしく全般的に能力が高いが特に強力なのが固有能力『スキル・ジョイント』の存在。

 これと組み合わせた巨大ロボットによる戦闘という他のチームにはない要素を持って彼は『魔導戦隊』というチームをここまで押し上げた。

 その2つ名の通りリーダーとして、司令塔としての能力がずば抜けているタイプ。

 魔導戦隊がここまで強いチームになったのは彼の功績である。

 固有能力『スキル・ジョイント』――魔力のラインで繋いだメンバー間の能力を共有する数ある固有能力でも最高クラスの能力。

 弱点と呼べるものが原則存在しておらず、チームの能力を飛躍的に高めるなどこれ1つでやれる範囲が多岐に渡る便利なものでもある。

 対策は魔力のラインを発生させないこと、もしくは使用されても上回るだけの能力を保持すること。

 ラインの切断で一時的に能力を無効化することは可能だが直ぐに再生するためあまり意味はない。

 仲間を含めて能力を付与するタイプの能力の中では最上位の1つ。これより上はある魔導師が保有するものだけである。



チーム『アマテラス』

 国内最強にして、最優秀のチーム。

 ただし、ウルトラエースたる桜香の存在ありきのため、他の学園の最上級クラスと比べると安定感に欠けている。

 元々は総合力のアマテラスと呼ばれる程にバランスが良かったのだが、昨年の大量離脱および分裂で主力級の流出ならぶにノウハウの喪失が起こったため、実質的に旧アマテラスとは別物となってしまった。

 分裂した伝統や主力級の選手は『明星のかけら』に吸収されているため、あちら側がある意味で真のアマテラスに近い。

 いろいろと問題も抱えているがエースの強さは格別であり、彼女1人で国内は蹂躙出来ると開催前は信じられていた。

 まさかの敗北により、新しい形を模索している最中の学園の『太陽』。

 彼らがその威容を復活させるのはいつだろうか。


九条(くじょう)(おう)()――2年生。5系統複合属性。2つ名『不滅の太陽』。魔力光『混合色』。全力の場合は虹色。 魔導機『天照』。

 アマテラスに所属して学園が誇る国内最強の魔導師。

 世界ランク2位という実績と5系統複合というインチキ臭い性能を持って、前衛系として最強の呼び名も高い。

 身体・遠距離・創造・収束・浸透を極めて高い錬度で習熟しており弱点らしい弱点は存在していない。

 『まっすぐ行って両断するだけで試合が終わる』と言われるほどにシンプルに完成されており、彼女が撃墜を決意して落とせなかった相手はアメリカの『皇帝』だけだった。

 番外能力を2つ、固有能力を2つ所持しており、その能力数でも国内最多となっている。


固有能力――『系統(タイプ)融合(セレクション)

 5つ保持する系統の性質を2つ備えた状態にして、複数の性質を持たせる能力。

 創造系などの遠距離創造はかなり難しいがこの能力を使えば、視認した場所に爆弾を設置、などいうことも出来る。

 桜香の性格とそれを必要とする相手がほぼいなかったため、普段は同一系統2つ分、単純に考えて2倍のスペックを発揮する状態で固定されている。

固有能力――『魔導吸収(マギノ・アブソート)

 純魔力を吸収する能力。桜香の任意発動であり、発動を意識することで円形のフィールドが展開。そこに接触した魔力を吸収できる。

 能力的にはそれだけであり、桜香保有の能力の中でも微妙な物だったのが魔力固有化の発現と共に大変なことになった。


番外能力――『魔力安定化(マジック・スタビライズ)

 常に体の状態を100%の状態で安定させる能力。通常の魔導師は魔力を使えば使うほど回路に疲労と残留魔素が溜まり、最終的には魔力が変換できなくなるのだが、彼女はこの能力の恩恵により、魔力切れや能力の低下が起こらない。

 最低値を100%で確定させているだけなので、実は限界以上の状態も指定することが出来る。

 その場合は常の場合とは違って1時間程で効果が切れてしまうが競技の上では大した枷になっていないのが現状である。

 桜香の能力の根幹を支える重要能力であり、研究価値もかなり高い。

番外能力――『過剰魔力圧縮能力(オーバーカウント)

 優香のオーバーリミット相当の能力。基本的な性質は同一だが、優香のものが魔力を集めることに特化したものなら、こちらは集めて、圧縮することに特化したもの。

 魔力の圧縮度――密度は攻撃力にも直結するため、事実上桜香は攻撃力を自在に変化させることが出来る。

 また、発動を応用することで本来ならば使用に時間が掛かる『魔力固有化』を即時に発動させることも可能。

 優香のものよりも現段階では1ランク上の能力である。


 以上の能力群と魔力固有化の発現により更なる強さを手にした太陽は玉座奪還に執念を燃やしている。

 最強の魔導師は来る日へ向けて牙を研ぎ澄ます。


北原(きたはら)(じん)――3年生。身体系・創造系。魔力光『グレー』。魔導機『影月』

 アマテラスチームリーダー、桜香のおかげでまったく目立たない天祥学園生徒会長である。戦い方も桜香という太陽に隠れる影のような戦い方が基本であり、相手の隙を突いた技などが多い。

 身体系の堅実さと創造系の奇抜さを合わせたアサシン戦法が彼の強み。

 桜香と戦い疲弊した相手を狙い撃つ。

 対クォークオブフェイト戦で活躍出来なかったのは、桜香の意思もあるが健輔との相性が最悪に近いため。

 似たような奇抜さ勝負で万能系の健輔に勝てない上にバトルセンスでも負けているため、桜香を信じて任せた。

 結果として、その判断が過ちになるとは彼も読めなかったのである。

 今度こそ一切の油断なく暗殺者は敵を狙う。

 太陽に隠れた脅威を見逃すと痛い目にあうだろう。


二宮(にのみや)()()――2年生。創造系・収束系。魔力光『ピンク』

 ボーイッシュな女性で桜香とは幼い頃からの友人。

 魔導と出会う前から才能溢れた桜香と共にいた女性であり、桜香が気を許す数少ない人間の1人。

 彼女も桜香の才能に屈服しているが、どちらかと言うと競うという概念のない人であり、他のメンバーとは少し毛色が異なる。

 魔導師としてのレベルは良くも悪くも中堅クラスを超える程度。

ほぼ同系統の妃里に劣るくらいであり、自身の実力不足を痛感している。

 雪辱に燃える桜香を支えるための能力を開発中、再戦に向けて自分に出来る最善を尽くす。



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