登場人物紹介(世界大会編)
登場人物紹介世界大会編です。
チーム『ナイツ・オブ・ラウンド』
所属している魔導校は「イギリス」。
名前の由来はそのまま、アーサー王伝説に登場する円卓の騎士であり、騎士の名前に恥じずに近接系の強力な魔導師たちを有している。
歴代の騎士の中には、欧州最強として君臨した者もおり、名声においてヴァルキュリアの「女神」に劣らない。
実績と実力を兼ね備えた欧州の有力チームである。
主体は近接戦闘だが、遠距離にも対抗手段は有しており遠近どちらの距離での戦いもそつなくこなす万能チーム。
強力なエースも在籍しているため、総合的な安定感はかなりある。
代わりと言うべきか爆発力を失っており、それが近年の課題。
この課題は欧州の有力チームがほぼ全て抱えている問題なので、彼らだけのものではない。
アレン・べレスフォード――2年生。身体系・収束系。魔力光『黄・白』。魔導機「エクスカリバー」8代目。2つ名『騎士』。
身体系を極めたかなり珍しい魔導師。
火力全盛の昨今には珍しく古きよき『騎士』の戦闘スタイルを好む。
2年生にして剣技などを含めた魔導近接戦闘能力では世界最高峰の能力を誇っている。
単純な比較は難しいが剣技、という分野でなら間違いなく世界1位。
ただ魔導は総合的な戦闘力が必要であり、普通の人間のための技術である『武術』の冴えはそこまで影響がないのが実態である。
前評判も高く、今期の世界大会でも期待されていたのだが、いろんな意味で相手が悪すぎた不運の騎士様。
世界戦を通して今のままの限界を悟っており、チームを次の領域に導くためにも新しいバトルスタイルを模索している。
確実な魔力の運用に長けており、戦闘能力としては身体系単一のみで世界最強クラスの戦いに食い込んでいるため後何か1つ切り札があれば大きく化ける可能性がある。
天敵は圧倒的な能力でゴリ押ししてくる相手。
チーム『アルマダ』
所属している魔導校は「スペイン」。
日本におけるツクヨミのようなチームであり、チーム全体で役割を徹底した数少ないチームプレイ前提のチーム。
代々受け継いだ術式など知識の継承も行われており、チームとしての完成度では世界でも群を抜いている。
安定して世界戦に出場するチームであり、強力なエース抜きだと考えれば素晴らしい戦果なのだが、そんな彼らでも世界大会レベルでは見劣りしてしまう。
スーパーエースに対応した新しい体勢の構築が急務となっている。
マルティン・センテーノ――3年生。遠距離・浸透系。魔力光『ブロンズ』。2つ名『提督』。
「提督」とはチームを1つの艦隊――集団として機能させる存在である。
今代のマルティンは優秀ではあるが、エースとしての特徴は特に存在していない。
チームが築き上げてきた歴史を背負った故の強さである。
固有能力なしでチームを1つの存在として機能させるためのキーであり、彼で数えて6代目になる。
特殊な術式である『意識共融』を用いて世界でも勝ち抜こうとしていた。
そんな彼らの前に術式キラーとでも言うべき『皇太子』が立ち塞がったのは1つの運命であろう。
彼を筆頭に今のままで凡人が尽くせる全てを尽くしてきたのだが、それでも届かない領域にあるのが世界だった。
チーム『ラファール』
所属する魔導校は「フランス」。
欧州最速の集団であり、「早さ」に主眼を置いたチーム。
あっさりと勝つか、あっさりと負けるかのチームであり、その在り方は世界戦でも変わらなかった。
エルネストの後を継ぐ魔導師がいないため、来年度の弱体化が懸念されているが、意外と育成環境は整っているため上位レベルの能力は維持すると見られている。
エルネスト・ベルナール――3年生。遠距離系・創造系。魔力光『赤紫』。魔導機『ラファール』――7代目。2つ名『疾風』。
欧州最速の魔導師。
生身で音速を突破可能であり、高機動を活かした戦闘が持ち味となる。
特殊な魔力ホールを生成して、そこで加速するのが彼の戦い方。
自分の速度上げるのではなく、速度を出せる環境を構築するため系統が創造系になっている。2つ名は2重の意味を持っており、遠距離・近距離どちらも疾風のような攻撃が彼の特徴。
身体系がないため、戦い方に反して火力に乏しいのが弱点。
その部分を補えれば少なくとも『騎士』には負けない魔導師となれるはずだった。
チーム『ヴァルキュリア』
所属する魔導校は「ドイツ」。
欧州最強のチームであり、女子だけのチーム。
男子禁制を掲げているが、実はある条件を満たせば入ることは出来る。
作中で基準を満たしているのは皇帝と健輔の2名だけ。
総合力に長けたチームであり、代々のリーダーは『女神』の名を冠している。
歴代の女神は欧州最強の代名詞でもあり、今代の女神は歴代でも最強と名高い。
先代が偉大過ぎた故に、弱体化したように見えるというプレッシャーを背負っているため、残された乙女たちの真価が次年度では問われるだろう。
チームの傾向としてはアマテラスに似た総合型だが、近年はフィーネによる改革があったためそれに該当しない形になっている。
今後は変換系をスタンダードにした火力と長所を組み合わせたチーム力に長けたチームになると見込まれている。
カルラ・バルテル――1年生。変換系・身体系。属性は炎。魔力光「赤」。魔導機「ロートシュテルン」。2つ名「烈火の侵略者」。
ヴァルキュリアが誇る1年生の主力魔導師。
直情的な気質だが、野生と呼ぶべき勝負勘があり、女神の補佐と合わせて国内戦では無類の強さを誇った。
バトルスタイルは拳闘型。
葵とよく似た拳を用いた戦闘スタイルに属性である炎を組み合わせたもの。
しかし、現時点ではせっかくの変換系を攻撃の補助にしか使えておらず無駄が多い。
才能に溢れているが、まだ力を使いこなしているとは言い難い。
世界大会終了時点で、国内大会終了時点のクラウディアに劣る程度の実力しか持っていないのがその証拠である。
ある男性にリベンジするため、以前よりも遥かに熱を上げて練習しており、彼女だけの戦い方が誕生するのもそう遠い日ではないだろう。
イリーネ・アンゲラー――1年生。変換系・創造系。属性は水。魔力光「深い青」。魔導機「シュトローム」。2つ名は「水霊の創造者」。
水の使い手にして、欧州最高のクリエイター。
『水』というイメージからあらゆるものを生み出す驚異の創造性を持っている――のだが、世界最高の舞台では文字通り『芸』にしかならず、中途半端さも示してしまった。
クラウディアの親友でライバル。
クラウディアが日本に来ることを決意したのは同じ環境で彼女と競う限り絶対に勝てないと判断したためでもある。
次代の女神候補に選ばれるなど、才能は豊かで努力を欠かしてはいなかったのだが、世界のレベルではまだ足りなかった。
総合的な戦闘能力では、大凡クラウディアと互角ぐらい。
同年代に才能で負けたことなどなく、そういう意味では優香が新たなライバルとなる。
尊敬する相手であり、同時に超えるべき壁だったフィーネを超えた健輔にも興味を抱いており研究に余念がない。
今までのバトルスタイルは水を起点とした変幻自在な戦い方。
世界戦を戦い抜いたことで自分だけの在り方を考えており、イメージに捉われない新しい戦闘スタイルを模索している。
エルフリーデ・ベーア――2年生。変換系・遠距離系。属性は風。魔力光「黄緑」。魔導機「シュトルム」。
風の使い手。遠距離・近距離どちらも戦える宗則と違い完全に遠距離特化。
基本スタイルは狙撃型であり、文字通りの意味で音も立てずに相手を仕留める。
普通のスナイパーと違ってある程度の近接防御は可能であり、系統よりも属性に主眼を置いた戦い方を組み立てている。
普段の彼女はどちらかと言うと自由気儘な女性。
自らの主と見定めたフィーネ以外の言うことはあまり聞かず、友人であるレオナには多少配慮する程度で、口はあまり良いとは言えない。
かと言って、誰にでも噛み付く訳ではなく、見下げた性質の者に辛辣なだけ。
努力する者は誰であれ評価する真っ直ぐな人間が大好きな人。
レオナ・ブック――2年生。変換系・遠距離系。属性は光。魔力光「レモンイエロー」。魔導機「シュトラール」2つ名「光輝の殲滅者」。
欧州最強クラスの後衛魔導師。昨年はあまり活躍しなかったが己の役割と属性適性に覚醒してからは一気に伸びた珍しいタイプ。
攻撃の属性自体が桁違いに強力であり、実質1年の練習ではまだマスターしたとは言い難い。
世界戦での敗戦を通して、自分に足りないもの、ここから先に必要なものを見極めており先代の慧眼通りにリーダーとしての責任を果たし始めている。
現在のスタイルは遠距離が基本。
光の射程と速度を活かしたものとなっている。
最近の悩みは、彼女の理想形に近いのがヴァルキュリアの野望を砕いた男であること。
複雑な表情で、連絡先を見つめる姿が目撃されている。
リタ・アーレンス――2年生。変換系・遠距離系。属性は地。魔力光「茶」。魔導機「アビス」。
変換系で物質化まで至った大地の魔導師。
極めて防御が困難な物理攻撃を得意とする。
ちなみに属性は便宜的に付けられたものであり、実際のところは不明。
物質化に適した何かであることはわかっているが、詳細は未だに不明な属性である。
生みの親でありフィーネを除けば、最も謎に包まれた属性であり、今後の研究によっては大化けする可能性がありそういった意味でも目を離せない。
戦闘においては遠近のどちらでも活躍可能であり、比較的防御に優れている。
単純故に防ぎ難い投石攻撃は極めて厄介。
性格は朗らかであり、精神的にチームを支えている。
2年生の中ではエルフリーデが自儘で、レオナが心配性であり、彼女が間に入ることでバランスを取っている。
フィーネ・アルムスター――3年生。創造系・浸透系・収束系・身体系。後に追加で変換系。魔力光「銀」。魔導機「テンペスト」。2つ名「元素の女神」。
欧州最大にして、最強の魔導師。
銀に染まった美しき髪と瞳を持つ、人間離れした美貌の女性。
バトルスタイルは、高い魔力干渉能力と空間展開能力を活用したフィールド構築戦術。
個人でのバトルスタイルというよりもチーム単位での動きを意識しており、味方への支援、敵の妨害などを自在に行える「地の利」を意識した形となっている。
総合力が高く、なんでも出来るのだが、基本的に防御よりの傾向。
4系統複合持ちの上に固有能力『ナチュラル・ディザスター』まで保持している。
彼女を語る上で忘れてはいけないのが、固有能力の研究過程で誕生した「変換系」であろう。
魔力を別の形、現在は自然現象への変換が主だが、健輔によって他人の魔力に「変換」する、という形も見出された創造系の亜種系統の生みの親。
武器の扱いなどをマスターしたことで近接戦闘もこなせるのだが、本質は魔力を用いた遠距離系の魔導師である。
現在の魔導競技のルールと相性が悪く、結果として他の王者よりも1段階下になってしまった。
仮にルールなしの生き死にを決める戦いの場合だと、能力的に1番危険なのは彼女である。
性格は極めて温厚であり、天才にありがちな傲慢さなどは存在していない。
才ある者には珍しく挫折も成長も、そして仲間の素晴らしさも知っている。
最近の趣味は編み物であり、無意味に量産されたマフラーの群れを前に処分方法を検討したり、プライベートでは抜けているところもある。
固有能力「ナチュラル・ディザスター」。
文字通りの災害級の能力。
魔導の原則である魔素なき空間で存在出来ないというルールすらも無視する可能性があり、最大級の注目と警戒を受けている。
行っていることは魔力で自然現象を引き起すだけなのだが、やっている事象のレベルが高いため結果として制御をミスすると大変なことになってしまう。
フィーネが持ち得る中で最大の攻撃属性は『重力』。
その気になれば、ブラックホールを発生させられるのでは、と仮説が立てられているが、試す訳にもいかないため、学園側から制限を掛けられている。
研究ランクはSクラスであり、これ以上の能力は『魔導世界』だけである。
チーム『クロックミラージュ』。
所属する魔導校は「アメリカ」。
アレクシスによって1から作られた新星のチーム。
結成1年目、及びメンバーが1年生だけとなっており、王者『パーマネンス』とよく似ているチームである。
チームとしての評価は、そのままアレクシスの評価であり、まだまだ未熟な部分が目立つ。
世界という洗礼を受けた雛たちが、どのように育つのかはまだわからないのが最大の楽しみと言えるだろう。
アレクシス・バーン――1年生。身体・創造系。魔力光「紫」→「赤紫」。魔導機『ロストエイジ』。2つ名世界大会時、『皇太子』。
アメリカの新星。
1年生にして空間展開能力を持っており、展開範囲最大で自陣覆う程度は可能な規模を持っている。
上位2名の展開範囲が化け物過ぎるだけであり、彼の範囲も普通に考えれば十分なものである。
登場の経緯や能力などのあらゆる要素が『皇帝』を想起させた故に2つ名が「皇太子」となった。
魔導師と見た場合、アルマダ戦までは総合力が高く固有能力が強力なだけであり、特に見所はない。
前衛系でありながらバックス系の技能に高い適性を持っており、自分の術式を想像で組み上げることが出来る。
表だっていないが彼の本当の強みはこちら。
新しい固有能力はそれを最大限に活かせるものとなっており、相手が桜香でなければ決勝は十分に狙えただけの潜在能力がある。
因縁深い『皇帝』との戦いでは、桜香による瞬殺を感じさせない覇気で立ち向かったのだが、そもそも皇帝の能力は術式由来でないため覚醒した能力が通用せず、普通に戦うことになってしまう時点で勝ち目がなかった。
性格は実直であり、若さゆえの詰めの甘さはあるがそれ以外の完成度は中々のもの。
完膚無きまでに粉砕された男は雪辱を誓っている。
固有能力――『魔導平準化能力』
空間範囲内のチームメイトの能力を集約したり、集約した自分と同じ領域まで持ってくる能力。
基盤となる系統こそ違うが星野勝とほぼ同等の能力・効果を持っている。
違う部分を上げていくならば、アレクシスの空間展開範囲に入っていれば敵の能力もプラスされること、影響内にいるならば敵も吸収してしまう点は皇帝と似ている。
最低でも全員がアレクシスと互角の能力を得るため、使いこなせれば強力な能力。
固有能力『自在創法』
彼の才能であるバックス系の技能を最大限に活かす能力。
空間展開内の術式に介入するためのものであり、実はルール違反スレスレの能力でもある。
アレクシスの才能があって初めて効果を発揮するものだが、その前段階として相手の魔力に干渉する必要があり、敵を弱体化するにはその部分がネックとなっている。
チーム『パーマネンス』。
所属する魔導校は「アメリカ」。
アメリカ最強のチームにして、世界最強のチーム。
王者として2連覇を果たし、3連覇の大本命だった。基本的に『皇帝』のワンマンチームであり、事実として彼が要なのだが、そうと侮るとロイヤルガードたちを突破することは出来ない。
全ての要素に優れており、弱点となる部分は完成され過ぎていること程度しか存在していない。
クリストファー・ビアス――3年生。創造・創造系。魔力光『黄金』。魔導機『プロヴィデンス』。2つ名『皇帝』。
世界最強の魔導師。
世界大会敗北後もその評価は変わっておらず、完成度において他の2人の比ではない。
基本的なバトルスタイルは魔力人形による数のゴリ押し。
参謀であるジョシュアの能力を借りることで、死なない軍隊となった彼らを率いることで圧殺するのが基本。
この時点で彼に勝てる者はほとんどいないのだが、この能力も本当の力の前では余技でしかない。
黄金の魔力を全開にして、オーラを纏った「最強の幻想」を抱く形態があり、こちらに移行すると格下の能力を問答無用で無効化する。
正面から来て、正面から粉砕する王者の行進こそが彼の本当のバトルスタイル。
これだけの能力を誇り、事実として世界最強だったのだが、本来の彼は単一系統の能力者であるため、桜香やフィーネと比べると才能の絶対値ではかなり劣っており本質的には努力家。
彼の1番怖いところは大した敗北の経験もなく、苦難もほとんど経験していないのに経験値的に完成されていること。
努力が才能を凌駕することもあるという好例であり、強靭な精神力は健輔による敗北すらも1つの通過点として飲み込んでいる。
性格的には多少ナルシストなところがあるが、概ね好男子。
チームメイトも自身の扱いを納得しており、その辺りの能力はフィーネにも劣らない。
男性魔導師の評価は中々に高いのだが、反面、あまりにも自負が高すぎるため、高ランクの女性魔導師の評価は芳しくない。
世界大会終了後、決勝戦を見て何かを思いついたらしくイメージトレーニングに精を出している。
固有能力『魔導世界』。
単純明快にして、最強の固有能力。
創造系の固有能力であり、能力は単純にイメージによって創造系の限界を超える空間を想像すること。
皇帝の空間展開に上記の効果を付与する以外の能力は存在しないのだが、それだけで世界最強となってしまった。
実は他の系統の魔力を生み出したりも出来るため、その気になれば万能系の真似事ぐらいは造作もない。
やらないのは単純に彼の好みではないから。
研究価値は高く研究されているのだが、原理が皇帝の自負という意味不明なものとなっているため研究者たちは今日も頭も抱えている。
ジョシュア・アンダーソン――3年生。創造・固定系。魔力光「メタリックシルバー」。2つ名「ゲームマスター」。
世界最高のバックス。
味方の術式をリアルタイムで調整するアクティブ・エディットが特徴、なのだが、その効果を発揮するよりも皇帝が本気を出した方が強いという悲しみを背負っている。
彼の本来の役目は、クリストファーに対する苦言を放つこと。
思い通りにならない、ということが王者を自戒させるものであり、両者は納得した上で現在のような関係に落ち着いた。
最も、慇懃で皮肉屋な性格は素であるため、パーマネンスが嫌われている原因の6割くらいはこの男にある。
専用魔導機を持っていない、というよりも魔導機の性能などどうとでもなるぐらい本人の処理能力が優れており、バックスとしての技能は本当にずば抜けている。
性格はあまりよろしくなく、子どものまま大きくなったような感じの男の子。
親友であるクリストファーが楽しそうなので飲み込んでいるが、健輔に対する警戒は緩めておらず、次に戦うことがあった場合は術式を片っ端から解体するつもりである。




