第14話
「それで、わざわざ昼ご飯を口実に呼び出してどうしたんだい? らしくないというか気持ち悪いんだけど。それに一応今は別行動中だよ?」
突然呼び出された圭吾は不思議そうな声で健輔に問いかける。
健輔としても、現在別行動している趣旨は理解しているし賛同していた。
昨夜のことがなければ、こうして話をすることもなかっただろう。
完全に健輔の許容範囲をを超えてしまっていて、相談できる相手が彼しかいなかったのである。
「ああ、悪いとは思ってるんだ。……俺の手に負えそうにない事案が起こってな。お前の知恵を借りたいんだ」
「なんで僕? 部長じゃ、いや、聞けるなら最初から聞いてるか。いいよ、健輔がそこまで言うってことは本当に大変なんだろうしね。とりあえず、言える範囲の情報は欲しいかな」
「本当にすまん。じゃあ、聞きたい事なんだが……。……その、俺たちは友達だよな?」
「へ? ああ、うん、幼馴染で友達でいいと思うよ。……まさか、それだけ?」
「いや、……大変聞きづらいんだが、その……どうやって友達になったんだっけ?」
「はあ!? 何言ってんの?」
健輔の告白に圭吾は訳が分からないと表情を崩す。
言っている本人の健輔もよく意味がわからないが、昨夜相談された内容がどう考えてもそんな感じだったのである。
健輔が圭吾を相談相手に選んだのは、何も友人だからという理由だけではない。
人としての機微、とでもいうべきだろうか。
人付き合いの巧みさなら、健輔など足元にも及ばない男である。
こういったことは慣れてそうだというのがあった。
圭吾の義理堅い性格も良く知っているため、仮に暈した内容から察しても黙ってくれるだろうという打算も含めて、トータルで圭吾がベストな相談相手だと判断したのだ。
「人物とかは暈すけどこういうことを相談されてな。流石にどうしようかと思って相談させてもらったんだ」
時間は昨日の夜。
1日の最後に突然振ってきた難題にようやく健輔の頭が回ってきた時に戻る。
「部長たちとどうして仲良く話せるのか? 今、そう言ったのか?」
優香が振ってきた話題の意味がわからずつい聞き返してしまう。
真っ赤な顔を見るに勇気を絞りだして話したなどというレベルではないのだろう。
まさの茹でダコのように赤くなっていた。
仮に人の顔が赤くなる過程を教科書に載せられるなら載せたくなるほどに完璧な照れ顔。
普通に美人な優香だが白い肌に赤が良く映えていた。
またギャップによる可愛さもある。
クールな感じの顔立ちの優香が真っ赤になるなど、想像したこともなかったためかなり新鮮で可愛く見えた。
そこまで思った時、自分がやった所業に健輔は青くなる。
あまりの緊急事態にうまく対応できず、勇気を絞り出した優香に対して聞き返すという愚行を犯したのだ。
端的に言ってひどい男である。
「はい! その、お、お恥ずかしながら、佐藤さんみたいに、みなさんとあまり……、その、交流できていないというか。私的な事でお付き合いをしたことなどがなくて、魔導に関すること以外でお話ししたことがないので……。どうすればいいのか、教えていただきたくて」
「そ、そうか」
この可愛い生き物は何だ。
内容よりも微妙にもじもじしながら話している優香に気が取られてしまう。
勿論、話も聞いているのだがあまりにもレアな光景のためどうしても気が散ってしまうのだ。
全方位から健輔を仕留めに掛かる優香に戦慄を覚える。
過去最大級に脳内を混乱させながらも健輔は必死に態勢を立て直す。
「お、落ち着け! 落ち着くんだ、健輔!」
「え? そ、その佐藤さん?」
「あ、いや、こっちの話だ。すまん、続けてくれ」
やるべきことは優香に萌えることではない。
彼女の真意を読み取り、的確なアドバイスを返さないといけないのだ。
私的なことでお話したことがない、つまり健輔が真由美たちにからかわれているのを見て羨ましくなった。
いや、それは似ているようでニュアンスが違う。
そのままではただのドMである。
重要なのはあんな感じのやり取りという言葉だろう。
つまり、真由美たちだけでなくある程度親しい間柄の友人とのやり取りなども含まれている。
そこまで考えた時、健輔の直感が答えを導き出した。
「なあ、ちょっと聞きたいんだけど。九条って幼馴染とかいるのか?」
「え、あ、はい、幼少からの知り合いはいますけど、それが何か?」
「それって同い年かな?」
「いえ、1つ上で姉の友人です。この学園にいますよ。姉と同じチームにいますから今度ご紹介しましょうか?」
これは確定かもしれない。
緩みそうになる表情を必死に維持する。
真剣な表情で頷き、不確定部分を詰めるために質問を行う。
「もう1個聞きたいことがあるんだが、九条って休みの日に何してるんだ?」
「休みの日ですか? 最新の論文を読んだりトレーニングをしたりしてますけど」
「……趣味って何だったりする?」
「読書です」
これは完璧かもしれない。
そして、優香はそれに対して何も思っていないようである。
いや、何かは思っているが本人が言葉に出来ていないのだ。
妙に頼み事がふわふわしているのも原因はそこにあるのだろう。
確信を持った健輔は厳かな雰囲気を纏いつつ、優香に告げる。
「よくわかった。急なことであれだからちょっと時間を貰っていいか? 明日にはちゃんと答えるからさ」
「あ、はい大丈夫です。……ただ、その、えっと相談した内容については内緒にして欲しいんですが、お願いしてもいいですか?」
「あーうん……ごめん。内容は暈すから圭吾にだけは聞いてもいいかな?」
「高島君ですか? どうしてでしょうか?」
優香の表情が急に冷える。
真由美もそうだが怒った美人、いや、美人が真顔になるだけでも本気で怖い。
大男に凄まれても欠片も怖くないが、美人に冷たい視線で見られると死にたくなる。
健輔は必死に笑顔を維持しながら、用意していた言い訳を優香に告げた。
下手なことを言うとこれまで培ってきた信頼も全てさよならするだろう。
ここは慎重に言葉を選ばねばならない、口は災いの元なのだから。
「俺1人に関する事なら答えられる範囲で全力を尽くすけど、今回のは1人だけじゃないみたいだからさ。やっぱり客観的な意見はいると思うんだが、どうだろう? 俺も憶測でアドバイスはしたくないからさ」
嘘をつくと時のこつは真実を混ぜ自分すら騙せるものが良いと言う。
何処で聞いたのかもわからない知識だが、今回は役に立つだろうか。
不安を押し隠して、それっぽい理屈を必死に作り上げる。
「な、なるほど。でも、その私が相談したってことは……その……」
どうしても健輔以外の人物にバレて欲しくないらしい。
一体何がそこまで健輔を信じさせたのか。
本人が1番わからないのだが、男として信頼に応えないといけないし、応えて上げたい。
割と硬派な男である健輔は心からそう思っていた。
しかし、事態はそれほど社交性に富んでいない健輔の限界を軽く超えている。
悩みに解決するためにも誰かの助力を切に必要としていた。
「圭吾は俺の親友だ。そこは俺と思って信じて欲しい。何より、正直に聞くわけじゃないから大丈夫だよ」
そう言い切ると健輔は自信満々の笑顔を作った。
アカデミー賞も取れそうな完璧な笑顔である。
仮にこの場に圭吾がいれば、純粋な女の子に詐欺をしかける屑の構図と名付けたことだろう。
健輔のよくわからない自信と勢いに圧されたのか優香は了承の意を表す。
「え……は、はい。わかりました。そう、そうですよね。親友かぁ……」
親友と言った際の優香の顔は貧弱な健輔の語彙力では表現できないほどに綺麗なものだった。
笑顔に見惚れながら健輔は今年は必ず御祓いに行くことを決意する。
天祥学園に入ってから突発的な出来事に襲われることは多くなったが今回は飛びっきりの厄ネタであった。
「いいのか?」
「はい、お手数お掛けしますがよろしくお願いします」
安心したかのように優香は頭を下げる。
綺麗なお辞儀と笑顔に厄ネタであると同時に良いものを見れたと胸を撫で下ろす。
いろいろと考える事はあったが、その日は明るくなった優香と共に素直に帰路へと着いたのだった
「――という訳なんだ」
健輔は圭吾に話しながら昨夜の会話を思い出していた。
1晩経ってから冷静になると自分が言ったことが何やらすごく気持ち悪いような感じがしてくる。
よく考えたらすごい気障なセリフを言っていたことも羞恥を加速させた。
圭吾に概要を話しているだけなのに何故かセルフ羞恥プレイをすることになりながらも、健輔はなんとか伝え終える。
「なるほどねー。……まあ、うん……大凡の事情はわかったよ。じゃあアドバイスを送ろうかな」
頼りになる親友の言葉に肩の荷がようやく降りる。
どんなアドバイスなのかと健輔は神妙な面持ちで沙汰を待つ。
「ありがとよ! いやー、頼れる親友がいると助かるよ」
健輔の言葉に圭吾は苦笑しながら応えた。
「多分、このアドバイスを聞いたら評価は逆転するような気がするけどね」
「はあ? 何か変なアドバイスなのか? 流石に俺はそれで怒ったりはしないけど」
「では、健輔の忍耐に期待しながら答えるとしましょうか。簡単な話だよ。まあ、まずは経験を積みましょうってことさ」
「経験だって? 一体どんな?」
圭吾の予言通り用意された策を最後まで聞いた健輔は見事にぷっつんすることになる。
もっとも、口で圭吾に勝てるわけがなく、気づいたらその助言を受け入れてしまっていた。
健輔の想定もしなかった方向へ自体は転がり始めるのだった。
健輔が圭吾相手に逆切れをしている頃。
彼を難問に叩き落とした張本人たる優香はチームメイトにしてクラスメイトの丸山美咲と話をしていた。
「そっか、そっちも大変なんだ」
優香が見た目クールな感じの和風美人なら美咲は可愛らしい感じの美少女だ。
幾分、年上に見える優香と比べれば実年齢より幼く見えるのが美咲だろう。
優香は平均以上という言葉も霞むような美人だが、美咲も十分に可愛い。
健輔たちがいる時とは違い落ち着いた感じで、美咲は優香との会話を楽しんでいた。
「丸山さんも高島さんとうまくいってるようで安心しました」
「圭吾君、すごく話上手だしね。魔導の使い方もすごく上手だから。最終日の模擬戦は楽しみにしててほしいかな」
明るく楽しそうな美咲の声。
圭吾との関係は本当にうまくいっているのだろう。
何も問題ないはずの会話で優香は一瞬だけだが、固まってしまう。
衝撃を受けたかのように硬直してしまったのだ。
「九条さん、どうかした?」
美咲も最近健輔が気が付いたように、優香が思ったよりも可愛らしいというか、クールではないことを知っていた。
どこか硬い表情のクラスメイトに不思議そうに問いかける。
「……あ、いえ、すいません! ちょっと考えごとしてたので……、本当にすいません」
「あ、別に気にしなくていいんだよ。……そっか。妃里さんが言ってたことはこのことなのか」
「石山先輩? 何かおっしゃってたんですか?」
「あ、ごめんね! なんでもないよ、ちょっと妃里さんが言ってたことがぴったり当てはまる感じだったから、ついね」
美咲はそれ以上触れられたくなかったのか誤魔化すかのように話を終える。
「隠し事とかじゃないんだよ? お互いにちょっと考え方してボーっとしてたことにしてくれないかな?」
「ええ、構わないですよ。元々はこちらの不注意でしたから。すいません、気を遣わせてしまって」
「気にしないで! 今日は楽しかった! また、一緒にご飯食べようね」
「はい、よろしかったらご一緒させてください」
2人は別れて次の予定に向かう。
他人と言うには距離が近くて友人というにはまだ遠い。
2人の距離が近くなるのはいつになるのだろう。
少女たちの悩みはまだ胸の内に沈んだままとなっている。
チームとして、ここから先を戦い抜く同士としてまだまだ不安な状態が見え隠れしていた。
そして、その事を先輩たちはしっかりと気付いているのであった。
「健ちゃんたちが何やら話してる? 別にお昼ぐらい好きにしてもらってもいいんだよ? 私の命令に服従しなかったら処罰とか軍隊じゃないんだし。何より一体感を高めるとか割と建前的な部分も多いからね」
部室に集まった同級生の話に対して真由美はそんな事を言い放つ。
「そんなことはわかってるわよ。でも、あの佐藤がいきなり相談したいとか怪しいなんてもんじゃないでしょ? あいつ、魔導のこと以外はほとんど右から左に流れてるような人間で細かい人間関係に悩むタイプじゃないわ」
金髪に高い身長とまるでモデルのような美人――石山妃里の言葉が部室に響く。
「お前は、佐藤に対して何か恨みでもあるのか? いいやつじゃないか、世の中には不快なただの馬鹿と、愛すべきバカがいるがあいつは後者だぞ」
眼鏡をかけた毒舌を吐く男性。
チームのリーダーである真由美の双子の兄、近藤隆志が呆れた顔で問いかける。
言葉は悪いが健輔を評価した内容だった。
愛すべきバカが多いチームだが、健輔はその中でも一際魔導バカである。
チームでも1、2を争うほどに魔導に真剣な健輔を隆志は気に入っていた。
「お前たち、くだらないとことで言い合うな。佐藤はあれでいて要領はいいんだ。ほっといてもうまく回るだろうよ」
最後に白衣を着た幼い外見とは裏腹に言葉が硬い武居早奈恵が発言する。
こちらも妃里とは違い、健輔に任せておけという発言だった。
なんだかんだでしっかりと練習にも勉強にも付いてくる健輔は先輩たちからしっかりと評価されている。
その事を直接伝える事は滅多にないが、彼らは意外と後輩たちをしっかりと見守っていた。
「あのね、私は佐藤が嫌いなわけでも、彼らの交遊関係に干渉したいわけでもないわよ! 問題は優香ちゃんのこと! わかってんの? あの子、イメージとは裏腹に凄く繊細なんだからね! 佐藤が少し扱いを間違えたら簡単に爆発するわよ」
「根拠がないし、何より先輩でも交遊関係に口を出すものじゃないでしょ? 優香ちゃん、芯の部分はしっかりしてるから大丈夫だよ。健ちゃんも優香ちゃんを女性とかじゃなくてライバルとして見てるから変な関係にはならないと思うし」
熱くなる妃里に冷静になれと真由美は正論を並べる。
些か希望的観測という投げやりな部分があれど、言っていることはその通りだった。
気勢を削がれたのだろう、妃里は口調を緩める。
「……わかった。ごめんなさい、少し熱くなったわ」
妃里が素直に謝罪を口にする。
真由美はテンション上がる深いことを考えた上で何故か力押しになるのに対して、妃里はアッパーになると普段の冷静な感じはどこにいったのか、暴走特急となるタイプだった。
早い話、頭に血が上りやすいのだ。
芯が熱い人物のため、あっさりと沸騰してしまう。
「大方の想像はできるし、予想よりもずっと早いから私にはいいことだと思うんだよね。能力的にも、性格的にもあの2人は割とぴったり合うから戦力的にも組ませてみたけど、案外私生活も相性がいいみたいだし、問題ないと思うよ?」
フォローするように早奈恵が付け加える。
「ああ見えて聡いやつらだ。九条のやつが人慣れしていないことなどもう、気づいてるだろうよ。まあ、お前が九条に肩入れする気持ちはわかるよ。何せ、2年前のお前とよく似てるからな」
笑いながら早奈恵に言われ妃里は自らの形勢の不利を悟る。
些か過保護であると本人も思っていたのだから尚更だ。
しかし、このチームに入ってから優香と1番接した時間が長いとはいえまさか健輔に懐くとは妃里は思ってもみなかった。
1番不安、というか影響を受けて欲しくない人物だったのだ。
優香のような真っ直ぐなタイプは、似たような直線形に懐けば必ず影響を受けるだろう。
出来れば、美咲辺りと仲良くなって欲しかったと妃里は嘆く。
「わかったわよ、私の負け! 1人で大げさに考えすぎました!」
妃里は両手を上げて降参したことを示す。
友人の様子に苦笑しながら、真由美は懸念を理解していることだけは述べた。
「まあ、2人共魔導に夢中だから、そんなに心配しなくていいと思うよ。妃里が優しいってことはよくわかってるしさ」
「というか、そこまでわかってるなら九条とお前が友人付き合いすればいいじゃないか」
もっともといえばその通りである隆志の言葉。
しかし、妃里は迷うことなくは即答する。
「そんなことしなくてもあの子なら自然に友達ができるわよ」
「だったら、何故わざわざここに話を持ち込んだ? 意味不明に大事にしようとしただけじゃないか」
早奈恵の的を射た発言に冷や汗を流しながらぼそぼそと妃里は答える。
「……妹を取られたみたいで、悔しかったのよ」
呟きの後、部室からは笑い声と怒鳴り声が響いてくるのだった。
普段は後輩たちに大人びた姿を見せる先輩たちもくだらないことで盛り上がる学生なのは何も変わらいのであった。
これを持っていよいよ健輔の逃げ場はなくなってしまう。
もしかしたら、妃里が勝利を収めた方が健輔にはよかったかもしれない。
圭吾が健輔に提案した事、それは――。
「どうして、こうなった……」
健輔は寮に帰り1人ベッドの上に寝転がり物思いに更ける。
勉強会を含めた1週間はあっという間に過ぎ去っていた。
明日は土曜日であることも合わせて1日スケジュールは空くことになる。
その後日曜日には最終確認を兼ねた圭吾たちとの模擬戦。
後、1週間もすれば公式戦が始まる。
ここまでは初めからわかっていたことで健輔も覚悟を決めていたため何も問題はない。
「どうしてこうなったんだ……」
明日を思いどうしようかと頭を抱える。
原因は言うまでもないだろう。
悪魔高島圭吾の仕業によって仕組まれたことだった。
圭吾の衝撃発言について健輔は思い返す。
「何が、『とりあえず、九条さんと2人で遊んであげたら? 何も特別なことしなくていいと思うよ。仲良く遊べたら友達だって教えてあげたらいいじゃない』だよ」
沸々と怒りが湧いてくる。
あまりにも唐突な物言いに咄嗟に反論したのだが、圭吾は呆れた表情浮かべて、
「『九条さんは経験がなくて何したらいいかわかってないだけだよ。根が真面目な人だからね』……ああ、そうかい! そこまでわかってるならなんとかしてくれよッ!?」
健輔は必死に意見を述べたのだ。
しかし、圭吾は柳に風とばかりに全てを受け流してしまう。
その後はよくわからないうちに話を纏められ、健輔が正気に戻った時には相談という名目で休日に遊ぶ予定が決まっていた。
どこから聞きつけてきたのか妃里からもメールで「変なことしたら、殺す」というありがたいお言葉が届いていて彼の退路を塞いでいる。
「変なことってなんだよ……」
愚痴を言いながらも明日について考える。
せっかく休日を潰して遊ぶのだから楽しくいきたいのだ。
2人ならここがお勧め、と何故か真由美から届いたアドバイスも活用して頑張ってみよう。
健輔は女子と2人で遊びに行くとはまるでデートみたいだな、と思いながら寝る準備を始めるのだった。