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総合魔導学習指導要領マギノ・ゲーム  作者: 天川守
第3章 秋 ~戦いの季節~
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第103話

 九条桜香に死角なし。

 事前の情報からわかっていたことだが、一連の攻防ではそれを追認するに留まっていた。

 系統融合の応用で戦闘における系統的な死角は存在しない。

 破壊系が唯一の例外だが、それをも埋める能力が存在している。

 番外能力2つにより、スタミナ切れもほぼない。

 彼女は試合の最後まで最高のポテンシャルを維持したまま戦い抜けるのだ。

 テクニックも対人特化の葵をあしらえるレベルだ。

 基本に忠実であり、お手本通りと言っても過言ではないその体捌きは見る者の目を引きつける。

 近距離戦に限定するならば彼女は国内最高峰どころか、世界最高峰の1人だろう。


「ちぃ、めんどくさい」


 情報を整理すればするほど勝機が消えていく相手も珍しい。

 普通ならばどんな相手でも詳細を把握すれば対抗する手段が見えてくるものだが、桜香にはその理屈が当てはまらない。

 戦闘というものは究極的には相手よりも早くて、1撃で仕留めることが出来るのならば技術だのなんだの不要である。

 撃破した相手のことなど考えなくて良いのだから、それは当然の帰結であろう。

 桜香はどこまでもその原則に沿っている、だから強い。


「たああああ!」


 葵の特攻、捨て身の全力を攻撃を桜香は一瞥し、首を振った。


「優香のチームメイトに気は進みませんが――」

『結界障壁』

「こ、この!」


 葵の特攻は障壁で動きを阻まれる。

 葵の火力が災いして腕が僅かにめり込んだ状態で固まる。

 戦場で棒立ちしているに等しい無防備な姿に桜香は障壁ごと粉砕しようと魔力を高めていく。


「終わらせます」

「や、やられる! ――なんてね」


 ニヤリ、不敵な葵の笑みに桜香が訝しんだ時。


「貰った!」


 健輔が叫びをあげて突っ込んでくる。


「破壊系ですか?」


 桜香はあくまでも冷静に相手の狙いを看破しようとする。

 1番あり得るのは破壊系の力で結界を破壊し、こちらに肉薄する、といったところだろう。

 優香はそのアシストに背後から奇襲をかける。

 桜香は相手の性向とあり得そうなパターンを推測し、それを潰すように動く


「まあ、このぐらいでしょうか」

『ブースト』

 

 魔力を一気に放出し、防御を行う。

 これで2名は近づけず、葵はおしまいだった。

 桜香の戦闘経験はこの程度の策ならばたやすく粉砕する。

 あまりにも次元が違うからこそ、桜香は大抵の事を力押しで実現出来てしまう。

 障壁は消し飛び、態勢を崩す葵に剣を向ける。

 今度こそ、終わりだった。


「さようなら、葵」


 無慈悲な刃が葵を切り裂こうとその意思を向ける。

 桜香は距離を詰めるために、葵に向かって突撃を仕掛けるのだった。


「掛かったわね!」


 その瞬間、葵に張り付けていた健輔の罠が炸裂する。

 突然、正面に魔導陣が現れた時、流石の桜香も一瞬動きが固まった。


「え……」


 転送陣、展開に時間がかかるため戦闘に使えない代物だ。

 バックスの系統を用いてのみ展開出来るこれには制約が多い。

 しかし、これを唯一戦闘機動しながら展開出来るものがいる。

 転送陣は何も人だけを送りこむものではない。

 そう、例えば――


「部長印の砲撃だ。受け取れ」


 ――攻撃なども送りこめるのだ。

 閃光に飲みこまれる桜香。

 作戦の第1段階は無事に終了、次のステップへと進む。




 合流した健輔たちは互いの戦果と状態を確認し合う。

 ここまであらゆる意味で前座、これからが本番なのだから。


「案外、うまくいったわね」

「まあ、あんまり意味ないでしょうけどね」

 

 桜香が無傷であることなど察しがついていた。

 この作戦の肝は桜香に最後の固有能力『魔導吸収能力(マギノ・アブソート)』を使わせることにある。


「私の囮もなかなかうまかった?」

「大変お上手でしたよ。俺のトラップもよかったでしょう?」

「ええ、やっぱり細かい事をやらせたら健輔は最高ね」


 桜香から見て1番あり得る作戦だったからこそ乗ってきたがそうでなければここまでうまくはいかなかった。

 遠距離攻撃で仕留めに来られたらまずかったのだ。

 もっとも、健輔は最初から桜香はその性向が近接戦に向いていると読んでいたのだが。

 いざという時の行動は必ず、剣に頼ると信じていた。

 なんとか誘い込み炸裂した渾身の罠、普通ならばエースクラスでも深手を負うことは避けらない。

 しかし、その渾身の策も彼女には通じない。

 依然として、絶望的な状況であるの変わらないのに2人は笑っていた。


「いや、うまくいってよかったわ。あれを引き出さないといつまでも話進まないんで」

「そうねー、さすがにあれはめんどくさいわ」


 桜香の最後の固有能力は魔力を吸収する能力だ。

 これによって、破壊系を含む魔力攻撃を無効化し近接戦を相手に強要する。

 本人の任意発動のため、意識の外から攻撃すれば無効化されることもないのだがそれの難易度は推して知るべし、であった。

 この固有能力の存在が彼女を最強の一角に押し上げたと言っても過言ではない。

 近接戦で彼女に勝てるものなど、それこそ世界でも片手で数えれる程度しか存在しないだろう。

 そんな厄介な能力をいつまでも温存されて、ここぞというタイミングで使われるのを避けるために健輔たちは一芝居打ったのだ。

 

「さて、ここから本番だけど大丈夫?」

「まあ、勝てる可能性があるの俺だけですから」


 葵ではリーチが足りない。

 技量的には申し分ないがあまり桜香とは相性が良くなかった。

 葵でも桜香の障壁を一撃では壊せないのだ。

 結界障壁を突破するには破壊系が必須になる。


『健輔さんを信じてますから』

「おう、任せろ」


 優香も同じく桜香には勝てない。

 桜香は純粋に優香の上位互換、少なくとも今の優香ではどうしようもない相手だった。

 優香と葵の力を合わせても決定打に欠けるため、勝機はないのだ。

 しかし、健輔にだけは僅かながら勝機がある。

 無論、1対1正面対決で勝てるほどのものではない。

 最終的に1対1になるのは必須でもそこに至るまので過程が重要なのだ。

 そして、葵と優香はその状況を作るための捨て駒になる。

 健輔が桜香に勝つための、生贄だった。


「お願いします。――2人とも」

「ま、先輩に任せなさい。あんたの望むように場を整えて見せるよ」

『同じく、です。今度何か奢ってくださいね。私も姉さんとは決着を付けたかったんですから』

「ふ、ああ、約束する」


 ただ1人、最強という玉座に座る女性に引導を渡そう。

 1人で全てを背負う桜香には決して出来ないことで勝利して初めて、彼女はそれを認めてくれるから。

 そう、仲間の大切さを教えるためにも敗北させないといけない。


「いこう、『陽炎』」

『はい、マスター』




 桜香に勝利するために必要なものは何なのか。

 今日、対決する日に備えて健輔は考え続けてきた。

 圧倒的なパワーがあれば勝てるのか。

 無理だろう。

 固有能力による純魔力封じも含めて彼女には単純な力押しが意味をなさない。

 では、スピードはどうだろう。残念ながら、こちらも微妙であった。

 人間の体を維持している以上速度は限界域が定まっている。

 桜香の速度は事実上の最高速度に近いのだ。

 仮にそこを超えることが出来ても圧倒的ではない。

 テクニック、ディフェンス、アビリティも同様である。

 どの分野を見ても数値的に彼女に勝てる部分は存在しない。

 勿論、各項目単体を見れば超える者もいるだろう。

 しかし、総合的に見た時彼女を超える存在はいなくなる。

 魔導という相性の世界で彼女はその全てを潰せるだけの絶対性を持っている。

 しかし――

 

「俺だけは力技だった」


 ――健輔を潰すためにやってきたのは力技だった。

 それは選択肢として正しいし、万能系という希少なだけの弱小系統最大の弱点である。

 桜香が戦術として選んだ選択肢は間違いなく正しかった、だからこそ健輔はそこに勝機を見つけたのだ。

 対人特化で機動力も優れている葵には彼女の火力を超える火力とリーチで対応し、優香の万能性にはそれを凌駕する万能性で対処した。

 これらの相性は努力云々でどうにか出来るものではない。

 チョキではグーに勝てないのだ。


「優香、合わせて!」

「はい!」


 桜香に勝つのに必要なのは強力だが穴のあるの能力ではない。

 どれほど大きな差があろうとも、駆け引きが出来ること、その1点のみである。

 無傷で佇む桜香に優香と葵が仕掛ける。

 固有能力を全て発動させて、極限まで集中した桜香。

 これこそ、彼女の全霊の力だった。


「こ、この!」


 葵の連続攻撃を軽く避ける。

 速度において互角に近い2人の高速戦闘は余人を交えることすら許さない。

 蹴り、拳、頭突き、手段を選ばぬ葵の全てを『不滅の太陽』は完璧に防ぐ。

 そして葵の連撃の一瞬の空白、動作の繋ぎ目を桜香は見逃さない。


「ッ! 後は頼んだからね!」

 

 桜香が葵を薙ぎ払う。

 葵が撃墜されたその一瞬に優香が切り札を解放する。


「『雪風』!」

『術式解放』

「『蒼い閃光』!!」


 名を現した空色の閃光を見つめ、桜香は防御態勢にすら入らない。

 魔力を吸収する彼女の能力の前では砲撃系統は全て無意味だ。

 

「ッ! はああああ!」

「遅い」


 優香の双剣を軽く弾く。

 戦闘における万能性は優香もかなりのものがあるが、桜香は完全に上位互換だ。

 正面からぶつかって勝てる相手ではない。

 それでも優香は向かう、この一挙一動作全てが後に繋がると信じているからだ。


「ッ、お願いします!」

「おう、任せとけ」


 優香が落とされて、最後に健輔が残る。

 これだけ見れば葵と優香が仕掛けて、個別に対処されて各個撃破されたように見えるだろう。

 ぞれは一面として事実であるが、正しくもない。

 健輔が考えに考え抜いた先にあったのは結局、桜香が知らぬ方法で挑むしかないということだ。

 かつて、『明星のかけら』橘立夏が桜香に勝利することが出来たのは当時の彼女が魔導に慣れていなかったことが要因としてあげられる。

 当時は固有能力こそなかったが、それ以外は今と同じ状況だったのだ。

 基礎ステータスでは立夏を圧倒していた。

 今、経験を積み固有すらも備えた桜香にこの話は無意味のように聞こえるかもしれない。

 

 ――だが、健輔はそこに勝機を見つけた。


 桜香には原則、近接戦を仕掛けねばならない。

 つまりは固有の内1つ、『魔導吸収能力』については考えなくてよくなる。

 となれば、基礎ステータスこそ上昇しているが立夏と戦った時と変わらない状況になるのだ。

 後は桜香の経験にない攻撃をすれば良い、いや、正確には桜香に主導権を渡さなければよい。

 桜香は待ちからのカウンター、もしくは受けからカウンターを得意している。

 そして、これらはどちらも彼女の必勝パターンだった。

 だからこそ、無意識でも彼女はこれらに頼っている。

 必勝パターンを封じた上で主導権をもぎ取れる、刹那のタイミング、この一瞬を得るために優香と葵の2人は全力を賭した。


『藤田選手、ライフ0%撃墜! 優香選手、ライフ0%撃墜! 1対1です。他の戦線では拮抗していますが、これは……』

『1年生と『不滅の太陽』との一騎打ちです~』


「いくぞッ!!」

『シルエットモード、ランダムセレクト』

「な……!」


 桜香はカウンターが得意である。

 勤勉で努力家、普通に使っていてはシルエットモードであっても僅かな動作から読み取って攻撃を仕掛けてくるだろう。

 だからこそ、健輔は自身でも系統を把握することを放棄する。

 体に魔力が流れ込む一瞬、その刹那だけで攻撃を組み上げるのだ。


「はあああああ!」

「くっ……」


 桜香は事前に相手の動きを把握してから戦闘に入る。

 自身から攻勢を仕掛けることもあるが、攻撃を捌く方が多いのは本質的な部分で彼女がカウンターを好んでいるからだ。

 この試合でもそうだった。

 葵がどれほど強かろうと動きに必ず規則性がある。

 優香の万能性も桜香と近いからこそ、読みやすかったのだ。

 幻影とて、されるとわかっていれば対策を打てる。

 特化してしまった魔導は弊害として、柔軟性を削ぎ落としているのだから。


「そ、そんな戦い方が!?」

「ッおらあああ!!」


 だからこそ、彼女は『不滅の太陽』だった。

 万能性と高い地力が組み合わさって彼女を正攻法で倒すには桜香より強くないといけないという本末転倒な事態になっている。

 しかし、その不条理に逆らえる系統が1つだけある。

 どれほどその手札が弱かろうと数だけは最大の万能系、それだけが勝てる可能性がある。

 ならば後は簡単である、いかにして彼我の戦力差を埋めるのかという話になる。


「今度は誰ですか!?」

「まだまだ!!」


 大前提として実際の桜香を体感したことで映像やデータから受けていた印象の是正は出来た。

 次に桜香に主導権を持たせないこと、彼女の攻撃を受けて対処するのは無理だ。

 相手が出す札にこちらが合わせることになる。

 それでは最終的に桜香に押し切られてしまうのだ。

 死角のない王道の戦略だった。

 また通常のやり方では仮に主導権を握れてもすぐに合わせられてしまう。

 卓越した万能性と絶対的な力強さ、そして彼女自身が最後にも立ちふさがるのだ。


「しょ、正気じゃない! 自分でもわからないのにどうして戦えるんですかッ!?」

「練習したからに決まってるだろうがッ!!」


 主導権を握り続けて押し切る。

 言ってしまえば健輔の策などそれだけだ。

 得意なシルエットモードを普通に使い分けても対処される。

 地力の差で仮に嵌めてもうまくはいかない。

 だったら、逆に考えるしかなかった。

 自分もわからなければ相手もわからない。

 正確には桜香がこちらの系統を判別する時間にタイムラグを生み出すのだ。

 健輔も実際に体に魔力が走るまで正解はわからない、もしかしたら判断が間違っている可能性もある博打も良いところの戦略である。

 だが、術者たる健輔にもわからないからこそ、桜香にもわからない。

 桜香の体に染み付いた戦い方はこんな時でも、冷静に相手の動きを読もうと反応する。

 しかし、無意味である。そもそも、健輔は読みあいなどするつもりはない。

 桜香からすればそれまではきちんと魔導をやっていたのにいきなり別のゲームになったような理不尽さを感じているだろう。

 これこそが万能系の厄介なところであった。


「糸!? どんなタイミングで切り替えを――」

「おら!!」


 完全ランダムの切り替えに体に染みついた動きだけで対処する。

 系統を切り替えてきた経験だけなら健輔は間違いなく世界一の魔導師だった。

 そこだけは、桜香にも負けない。

 そして――


「電気……? ま、まさか」

「消し飛べ!!」

『ライトニング――』

「『天照』!」

『諾、障壁展開』


 弾ける雷光で健輔の表情は桜香からは見えない。

 変換系の『雷』、確かに健輔はこれを僅かながらに扱えるようになった。

 しかし、本家のクラウディアでさえ扱いに苦慮しているものをそんな簡単に扱うことが出来るのだろうか。

 答えは否だ。

 健輔は雷撃を必殺の威力で放つことは出来ない。

 もちろん――


『――目潰し』

「なっ!?」

「おしゃああああ!」


 ――桜香はそんなことは知らないのだが。

 障壁を破壊系の拳で粉砕する。

 ランダムでやっているが、健輔はただの1度も意図的に操作しないなどとも明言していない。

 相手が勝手(・・)に勘違いしていても彼に訂正する必要はないのだ。

 わざわざ完全防御態勢を取ってくれたのだ遠慮する必要はない。


「まずは一発だ」

『お返しです』

「ぐッ!?」


 無防備な脇腹にパンチを入れる。

 葵印の必殺の拳は当たりさえすれば『太陽』も落とす。

 劣化コピーに過ぎずとも魂は受け継いでいる。


「続けて、優香の分」

「っあ」


 双剣に変化した『陽炎』が相手を切り裂く。

 

「『陽炎』」

『了解です。スモーク』


 魔導機から煙が噴き出してその姿を隠す。

 桜香がこのままサンドバックになってくれるようなら苦労はしない。

 

「は、は……。慎重ですね。『天照』」

『応。サーチ開始。ブースト』


 魔力の放出で周囲の煙を散らすが、一向に晴れない。


「ゲリラ戦じゃないですか……」


 健輔の本質を桜香も読み違えていた。

 ここまでやるほどの男だったのだ。

 仕切り直しの距離などを取るはずがない。

 額に汗が流れる。

 久しく感じていなかった敗北の予感、桜香の第六感が警告を発しているのだ。

 アメリカの『皇帝』と欧州の『女神』以外からは感じることはないと思っていた。

 健輔は一撃で倒せる相手である、それは間違いがない。

 矛盾であろう、倒せるのに倒せていない。


「流れがない……」


 いつだって場の中心は彼女だった。

 もっとも苦戦した『皇帝』との戦いもチームとしてはともかく個人としては互角だった。

 

「ん」


 ごくり、と唾を飲み込む。

 決断することに急激に喉が渇いたのだ。

 この煙は姿を隠すためのものではない、逃げてもいいぞ、と挑発しているのだ。

 このまま近接戦闘を受け持つのが危険だと判断しているのならば、一度離脱して遠距離戦を仕掛けてやり直せば良い。

 少なくともここから逃げればやりやすくはなる。


「逃げる……」


 どんな理由があれ、一度でも背を向ければもう立ち向かうことは出来ないだろう。

 最強たるものが多少不利になったからといって尻尾をまいて逃げ出せば『アマテラス』の名誉も一緒に地に落ちる。

 逃げられないのだ、そういう風に追い込まれている。

 心理的な選択肢だけは残している辺り、悪辣であった。


「な、なんて性格の悪い……」


 温厚な桜香も微妙に腹が立ってくる。

 なんとしてでも勝利する。

 義務的なものではなく欲求として桜香が勝利を希求し出す。

 これが最後にどうなるかはわからない。

 勝負は最終ラウンドへ。

 絶対的な万能性を持つ『不滅の太陽』と器用貧乏の万能系の1年生が決着をつける。


『桜香選手のライフは50%、佐藤選手は70%。どちらが勝つのか、目が離せません!!』


 最後の交錯で全てが決まる。

 桜香のデータから策をここまで運んだ健輔が勝つのか。

 それとも、地力で勝る桜香が勝つのか。

 この場にいる人間たちは固唾を飲んで見守るのだった。


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