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闇に選ばれし王子の誕生
雪が降り、葉がすっかり落ちた木の枝に白い化粧を施していく。
冬の到来を誰もが感じる中、国の中心に建つ王宮から大人たちの落ち着きのない声が聞こえてきた。
王国暦237年11月５日。カーミサス王国の第四王子、リアヤムド・カーミサス王子が誕生した。
しかし、室内は誕生を祝福するといった雰囲気ではなく、むしろ不穏なものを感じさせる雰囲気だった。
我が子の誕生に立ち会った国王は、自分の子を見た瞬間は呆然と立ち尽くし、出産のサポートをしていた看護婦は慌てふためき、無事の成長を祈るためにきた神官は天を仰ぎ、何かを唱え続けていた。
何故、こんな事になっているのか？
理由は単純であった。
カーミサス王国第四王子、リアヤムド・カーミサスの髪の色は
黒…………
