出会いの雨
なんなんだ、この雨は。
僕(西藤怜緒は雨の中を走っていた。
にわか雨が降っていた。
空は明るいのに、霧雨が降っている。
―そういえば・・・、あいつがいなくなった日もこんな天気だったな。
頭の中に〈あいつ〉の顔が浮かぶ。あいつの瞳、あいつの鼻、あいつの唇・・・。
―ダメだ、思い出すんじゃない。
僕は記憶にふたをする。もう〈あの日〉を思い出さない為に。
―それにしても、なんか、雨量が増えてきたような・・・。
僕の不安は的中し、雨の勢いが激しくなってきた。
もう霧雨と言っていられないほどの雨に僕はうんざりする。
―でも。
僕は顔を少し上げて、空を見る。
黒くどんよりとした空。
―このまま降り続けてくれたほうがいいのかもしれないな。〈あいつ〉を思い出さないために。こうやって、記憶も雲で覆うことができたら・・・。
そうやって色々と考え込んでいたのだが。
僕の視界がとらえたものに、僕はびっくりしてしまった。
「・・・あれ・・・?」
道の端っこに、人が倒れていた。
僕は近づいてみる。やっぱり、倒れている。
「これって・・・、助けるべきなのかな?」
僕はちょっと考え込んでしまった。
―でもこうやって見てしまったからには、助けないというとをするべきではないだろう。
僕の中の何かが話しかけてくる。
―しかし・・・。
―大丈夫だ。僕は一人暮らし。家族の誰にも分からないだろう。多分・・・。
―それに、祖母が言っていたのを忘れたのか?「一日一善」って。
―分かった。助けることにしよう。
僕はその人を抱きかかえる。
―うっ、結構思い・・・・。
しかし、やると言ったらやるんだ!!!
燃えた僕はさしていた傘をたたむ。
そして人をお姫様抱っこのように抱いて、夕方の雨の中を走って行った。
男性キャラを書くのは初めてだ・・・・。しかも女子校なので男子と触れ合う機会ナッシング!だからちょっと「理想の男子」っぽいところがありますが・・・・。