カップル
別れよう
そう言われたのは入試まであと、4ヶ月と言う日だった。
(いやよ)と言う言葉が喉まで這い上がってきたが
私は必死に我慢した。
翔と私はその日、一年記念日
だった。
そんな大事な日になんで別れを切り出してくるのだと
少し、苛立ちを覚えた。
「もう入試も近いしそのままだと二人にとっても良く無い気がするから」
翔は申し訳なさそうにそう言うが
私は、翔がもう私と付き合っていることに
飽き飽きしていることを知っている。
「受験が終わるまで距離を置くとかじゃダメなの?」
ダメだ。そうわかっていても
ダメ元でも、私は聞きたかった。
「ごめん」
謝られてもわからない。
答えになっていない。
「ごめんって何よ」
いつからなの。
私に飽きてしまったのは
そう聞いてみたかった。
最後だから、全部知りたかった。
私のことをどれくらい好きだったのか。
まず、本当に私のことが好きだったのか。
翔にとっては私と付き合うことは遊びだったのかもしれない。
「わかってよ。」
わけがわからない。
翔は私ととにかく別れたいのだ
一人になりたいのだ。
いつからか私が翔を縛ってしまっていたんだ。
わかってくれよ。
何をわかって欲しいのだろう。
わかってよって便利な言葉だ。
「わかった。別れよう。」
私は別れたく無い。
でも、このまま渋っても、めんどくさい女なだけだ。
「あなたたち別れたの?」
友達の明美が小声でそう聞いて来た。
「うん」
「あんなにラブラブだったのに」
明美は残念そうに言う。
私と翔が一緒にいるところを
一度も見たことないくせに。
私と翔が別れたことが噂になることはなかった。
付き合っていたことを明美しか知らないのだから
当然だ。
「でも、受験だからって別れようってひどくない?」
明美はどうにか私を慰めようと
思ってもないことを口にしてくれたらしい。
「まあね。まあ、向こうは有名な私立目指してるって話だし。仕方ないよ」
そう、翔は県ではとても有名な、私立高校を目指している。
「確か野球が有名なとこだよね」
翔はその高校で野球をすると良く意気込んでいた。
「そうそう。」
そういうと、明美は
そう言えばと言って続けた。
「すごいよね。女の子なのに」




