HP10
ジジイはドラシルと名乗り、急に
「見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな」
と連呼し始めた。正直こわい。そして
くわっと目を見開き
「見えた!!!!!」
といって俺の頭からひょいとカードを取った。髪の毛がむしられたような気がした。本当に気がしただけだったが。
「ほれ。」
一言それを言ったらそそくさと何処かへいってしまった。
これがギフトカードか。ぱっと見ただの銀色の板だと思う。
「ぜーーーーんぶ儀式をすっ飛ばして終わらせたようだな。横着者め。」
先程のロリっ子が忌々しげにジジイが過ぎ去った方向を見る。ケッと可愛らしい声音を出して威嚇のようなことをした。かわいい。
「まぁこれでお前も晴れてギフト持ちってわけだ。これなぁ。使い方はな。まぁ見せたほうが早いか。」
またよいしょと背丈に合わない椅子に座って彼女は彼女のギフトカードを取り出す。
「あspづいfbrぴやb」
は?なんて?日本語でおk。
むふーとため息をつきながらカードを見せてくる。
「これが私のカードの内容だ。」
むふむふーーーんとない胸を張って見せびらかす。とってもかわいい。
「どうだ?凄かろう????」
どうすごいのかわからない。まじでわからない。
だってそのカードやっぱり何も書いてない。
首をかしげるとロリっ子がガビーンという擬音がよく似合う顔になって
「なななななな!?そんなはずはないだろう!すごいよなぁ!なぁ?」
「いやすごいも何も。何も見えないし。」
え?とでも言いたげな顔。あっけに取られたロリっ子はぽけっとしていた。
「わわ私のギフトカードの中身が見えないと!?」
「そうだが?」
「異世界人というのはギフトカードの中身がみえないのか?」
とブツブツ言っていたが。
「ならばこれどうだ!!!」
と再度銀の板を見せられた
そこにはまるでRPGのテキストのように彼女のステータスが映し出されていた。
容姿からはまるで想像もできないほどSTRの値が異常なほど高い。
マジかこのコこの姿で脳筋なのか…
意外を突き抜けるステータスにあっけを取られながら俺は
「まぁそれどうやって見るんだ?」
んん?とでも言いたげなニヤつき顔をしながら
「ふっふっふ閲覧解除魔術を起動しただけだ!」
つまりロリっ子の不手際ということだ!
ドヤッとされても正直困る。
しかし自分のギフトカードには何も記されていないことも一つ気がかりだったがそれはすぐに解決された。
「あーわかったぞ!ギフトカードどうやってみるかわからんのだろう。私も最初は見てなかったぞ。じゃあ私の言うとおりにやってみろ!」
1つ、自らの血液の流れを感じろ。
心臓の鼓動を感じるだけでも十分だ。
1つ、鼓動を感じたなら鼓動を流れを感じたなら流れを。ギフトカードに思い描くまま伝えろ
以上だった。
鼓動なんぞ脈を測ればいいと思ったが、なんと言うことか、脈が二連続でなっていた。いやなっているのは一回なはずなのに何故か二つ分感じる。
ドドクンといった感じだ。
コレが…鼓動を感じると言うことなのか?
その鼓動を俺はギフトカードに流すように流れるようにカードを持つ手をプルプルさせた。それだけで
「 HP10 称号:ー」
…とだけ表示された。
ん?HP10!?
え???RPGみたいな画面だと思ったが、HP10ってなに!?は????
いやいや、えぇ…
「あーそのなんだ。ちょっとわしも見てみたいなーって思ってたり…閲覧解除魔術が含まれているだろうから、左側の真ん中振れれば私もみてるんだけど…」
この現状を見せて何かおかしいと思うはずだ。
俺は言われた通りにそこに触れた。
「!?ダッッハハハハハハハハ!!!ギャハハハハハハハハハ!!よわっちいいいいいヒャハハハハハハハハハ!!!!!」
おかしかったらしい。
凹み、何故と思うが、それより
異世界に来たのはもう百も承知だ。だけどなぁ…
だがなぁ!!!
HP10ってなんの冗談だ!?
タイトル回収しました。
コレだけはしておきたかったよかったよかった。
一旦ここまで出しておきます。
もちろんこの先もどんどんお話を作れたらいいなと思ってます。
どうぞこの作品が面白いと思えた方はこの作品を追いかけてみてください。