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すれ違い2

あの謎事件から一日経った。今日も今日とて学校に行く。だが、それはいつもと違った。

「白雛様おはようございます!あ、藤さんも」

「俺はおまけか」

陰野が出迎えにきていた。昨日、弟子宣言を行い、朝に家の前で待っていたのだ。二人で……。

「それを言うのであれば私もおまけですかね」

「いや、勝手に着いてきたのそっちだろ」

話を聞くと、陰野と透子は隣の家で、両親仲がとても良いらしい。他にも衝撃の事実があった。

「そういや名前も似てるよな。なんか、関係あるのか?」

「………空が透明で綺麗だったそうです。」

「でも、それって違う日なんじゃないの?」

「………同じ日に生まれたんです。…………こんな事実白雛様には隠しておくつもりだったのに、はぁーなんでこんなのと同じ日に生まれちゃったかな」

「そんな言い草ないでしょ!私と私の両親、それからあんたの親にも今すぐ謝りなさい!クソ透!!」


登校時だけじゃなく、透明コンビと藤は暇さえあれば私のところにくるようになった。


「あ、それ話題のお菓子、一つくれ。」

「これ、白雛様のために持ってきたやつなので無理です………って勝手に食べないでください!」

「あ、それ私も知ってます。独特な食感で美味しいとか」

「和田さんも食べる?」

「っ、いいんですか、では一つだけ」

「なんで、お前まで……あぁー、どんどん減ってしまう……」

久々に、私の周囲が賑やかになった。居心地は悪くないが、視界の先に舞や松田、相田、佐野が映ると、少し気まずい。

「…………………ふ〜ん。」


昼休み、知っていたが透明コンビと、藤がご飯を誘うためやって来た。席を立ち上がり、そちらに行こうとすると、声を掛けられた。

「ねぇ、僕も一緒していいかな?」

…………は、無理だけど。なんで北川なんかと一緒に昼食べなきゃ行けないわけ。今日は大人しかったから、話しかけてこないと思っていたのに……。そんなことを思っていると、藤が言った。

「北川くん、違ってたらごめんだけど…お前が一緒にお昼食いたいのは俺らじゃなくて、白雛だろ?」

ちょ、ちょーーーーと待て。え、あの藤さん?急にぶっ込みすぎじゃないですか?

「あ、バレてた?実はそうなんだ。でも、誤解しないで欲しいな。それとは別で君たちとも仲良くなりたいと思ってるよ。和田さん、陰野さん……もちろん藤君もね」

こ、こここコイツもコイツで何言ってんのーー?!あぁーー、藤と北川の笑顔が怖い!!それに、周りの視線が痛ぁぁぁい!やめてお願いだから、そんな変な目でこっちを見ないでぇーー!!

「じゃあ白雛と二人で食えばいいじゃん。」

何言ってんの?嫌だけど!!

「え、いいの?」

良くないですけど!!何勝手に完結させようとしてるの?

「ちょ、ちょーと藤、私の意見は?」

「………白雛もいいらしい。」

藤〜〜〜?流石にこれ以上は、と思い言葉を発そうとしたら、耳元で囁かれた。

「今度、激辛ラーメン奢ってやる。チーズのトッピングと、唐揚げ付きで」

「私も今日一日だけなら一緒に食べていいよ。」

そんな魔法のような言葉を囁かれたら、頷く選択肢以外なかったのだ。



「いい天気で良かったねー、雨だったらここ使えなかったよ」

「そうね、でも屋上って立ち入り禁止じゃなかった?」

そう、私たちは今屋上でご飯を食べようとしている。だが、屋上は立ち入り禁止で、授業以外での利用は許されていない。

「使ってもバレなきゃ大丈夫。ほら、犯罪もバレなきゃセーフって言うでしょ」

「へぇー、そうなんだ」

なんて悪い空気一刻も早くこの場を立ち去りたい。

そう思い、聞いてみる。

「ねぇ、本題は?ただ仲良くなりたくて誘ったわけではないよね」

「随分とセッカチなんだね。まぁ、いいよ。ずっと聞きたかったんだけど、小町さんはずっとこのままでいるつもり?」

「それってなんのこと」

「花岡さんのことだよ」

「舞のこと、でも、なんで、北川くんが、」

舞と私になんの関係もないあんたが心配するの?そう戸惑いの目を向けた。すると、彼は少し顔を赤らめ、言った。

「……………僕は好きな人が、辛そうにしてるのが嫌なだけだよ」

「………ん?!え、す、好きなって、えっ?!どういうこと?」

「はい、僕の話たいこと終わり。分かったらさっさと仲直りしてきてね。両思いなんだから、気難しく、考えず、ずばっと言うんだ。分かった?じゃあ、僕戻るから、出る時バレないように気をつけて。」


え、ちょっ何もわからない。



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