すれ違い1
「ねぇ、あの人だよ」
「え、あんな可愛い人が?!やっぱ人は見た目によらないよねw」
あちらこちらからコソコソとした話し声が聞こえる。あれから騒動の噂は瞬く間に広がった。その内容は正しいものも、大袈裟にされたような話もある。そのせいだろう話しかけられることが明らかに減り、周りの私を見る目が変わった。もちろん悪い方に。別に興味のない人たちにどうこう言われることはどうでもいい。でも
「あ、舞おは」
「舞ーーっ!おはよう」
まただ、あの一件から舞に話しかけようとすると必ず横槍が入ってくる。それだからか、舞とちゃんと話す機会がなかなか無い。昼休みや放課後に誘おうとしても人と一緒にいたり、用事があるからと舞を取られる。それだけなら、良かったんだけど、舞自身も私を避けてる気がする。舞のことは友達だと思ってたから、急に距離が出来ると結構悲しい。他にも松田たちとは距離が空いた、話し掛ければ答えはくれるが、どこか他人行儀な態度な気がする。彼らは良い人でこれからも上手く付き合えると思っていたが、まぁ私たちの関係なんてそんなものだったということだろう。そんなことより、
「小町さーん、おはよう!」
「おはよう北川くん。」
なんでこいつは私に話しかけるわけぇぇ?!
だって可笑しいじゃない私のやったことは非人道的で、人間の心なんて一切ないようなことなのにぃぃ!
なのに、それなのに!!
「今日はいい天気だねー」
本当になにしたいのぉぉ!
はぁー、やっと学校終わった。今日は一段と北川だるかったなぁー、さっさと帰ろ。そう思い帰る準備をしていると藤がやってきた
「おい、白雛。これから時間いいか?お前と話したいっていう奴等がいるんだ」
「え、あぁうん。いいけど。」
素っ気なく返事をして、私と話がしたい人たちって一体誰だろうと思いながら藤に着いて行った。学校を出て、電車に乗り、少し歩いたら、とある家に着いた。ごくごく一般的な一軒家。藤がドアを開け、私も入る。
「久しぶりだね、小町 白雛さん」
「うん。久しぶり和田さん、それに君も」
そこには、和田さんともう一人、和田さんのことを正直に話してくれた男の子がいた。
「今日はこんな遠いところまで来てくれて、ありがとう。そして、合宿のとき、私を、た、助けてくれて本当にありがとうございました。」
「うん。分かったけど、私に話したいことってそれだけ?」
「白雛おまえさぁ」
藤に言われ、やってしまったと後悔する。
「うん。私からはそれだけっていうか小町さんって結構毒舌なんだね」
「お、和田さん白雛のことよく分かってるね」
少し笑いを含んだ和田さんの言葉は温かく、名前で呼んで欲しいと言ってしまう程だった。
「あ、あのー僕もそろそろいいですか?」
「あ、そうだった君は」
「あ、は、はい。僕の名前は影野 透と言います。小町 白雛さんあ、あなたに惚れましたあなたの、あなたの弟子にして下さい!!」
「そっちかい!!」
影野 透 1年3組の人。白雛に告白し てきた