表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
災いの子と言われ、捨てられた私と四つの国の龍  作者: メガネ族
第一章 Living things cannot live without contact with society.
8/23

閑話休題 オルトロス皇国

オルトロス皇国とイスキオス帝国は重めですね。


前回のあらすじ


ヒュドール公国はとにかく裏表が激しい国だよー。

別荘地としては素晴らしくても、治安が悪かったら意味がないんだよー。

これじゃあ青龍も見てるのが辛いよねー。

 森の北に位置するオルトロス皇国にはある伝説がある。

それは異世界から訪れると言われる、聖女と聖者の偉業の伝説だ。


どういう原理で、どういった経緯で彼らが白龍を象徴するオルトロス皇国にやってくるのかは、誰も知らない。それに…



「〜っいたんだもんいたんだもんセイジャ様見たもん!!!!この目で見たもん!!!!」


「けど、皇国の近くで魔物や魔族の報告は……」



聖者や聖女が現れるときは、遠からず世界に危機が訪れる時。そうなるとオルトロス皇国を初めに大量の魔物や魔族が発生する。



「見たものは見たんだもん!!!!」


「幻覚でも見たのよノース」


「ティタおねがい信じてよ!!!」



聖者を見たのだと言う小柄な少年は、フォティノース・フォス・オルトロス。


愛称はノースと言い、オルトロス皇国の第一皇子であるが、かなりの夢見がちが故に王位継承権が二番目になってしまった逸話がある。


見目こそ優れているが度の過ぎた野生児で、先程から主張している発見現場も国で行ける者が少ない秘境であることからいるわけが無いのだ。


まさかほとんどの国民であろうとも、白髪金眼の少女のような少年が枝から枝を伝って大人でも苦労する山を越えて、例の森の少し手前まで行けるとは思わないだろう。



「遠かったから良く見えなかったけど、焦げ茶っぽい髪でボクよりも身長が高かったんだ!!」


「ヘーソーナノーネー」



対してノースに厳しい現実を告げる少女は、フォティノーティタ・フォス・オルトロス。


愛称はティタと言い、ノースの双子の姉ということもあってオルトロス皇国の第一皇女兼王位継承権第一位の少女である。


現皇后とお揃いのプラチナブロンドを背中で一塊の三つ編みにし、現皇帝の叔母譲りの薄紫色の瞳を持つ一見儚い少女。


しかし、見た目に反した現実主義者ということもあって、双子の弟であるノースの言っていることの大半に対して証拠がないなら信じられない、と言い切るだけの知能も持ち合わせている秀才である。



「ボクより身長が高かったってことは、きっとセイジャ様だ!!!」


「どこをどうとったらそうなるのかノースの頭を覗いてみたいわ」


「ティタはバカだなあ、アタマは覗けないよ?まあ、ティタがどうしてもっていうならわるい人のアタマに穴を開けるの、手伝ってあげる!」


「…ノースは、冗談を冗談だと捉えないからたまにゾッとするわ」


「え?」


「なんでもないわ」



 そんな二人は現皇帝との血の繋がりはない。

本来であれば王妃が迎えられて、その皇子または皇女が生まれる筈だった。


しかし…現皇帝には昔恋人がおり、なんなら妊娠が発覚し出産まで半分を切ったあたりで行方不明になってしまったのだ。


もちろん、誰の陰謀でもなかったとは断言できない。…だが、当時の皇帝にも認められた結婚は嫁が行方不明になったことで消えた。


それを現皇帝の友人だった公爵令嬢が思い切って、当時可愛がっていた自身の親族が放ったらかした庶子の甥と姪の双子と養子縁組し、そのまま白い結婚に持ち込んだ。


運がいいことに公爵令嬢の家系は数世代前に皇女が嫁いでいたことで、家臣らからも反対されることなく白い結婚をなすことができた。


それに皇帝も恋人に心を明け渡してしまったが、いなくなったからと言って心変わりする気もなかったので、同じく双子を安全な立場にしてやりたかった友人と手を組んだ結果というわけだった。


…ただ、問題がなくなったというわけでもなかった。



「それにセイジャ様ならボクがオシャレして、セイジャ様の心を射止めれば国にとっても良い事だね!!!」


「……ノース、」


「ティタはそうなったらボクに似合う服を選んで欲しいんだ!!それで」


「もうやめてノース!!!!」



 本来貴族にとって庶民と結婚する家は余程家が傾いていて庶民側が稼いでいるからか、庶民側がなんらかの栄光を授かったときくらいだ。


そして相手が庶民であろうとなかろうと、オルトロス皇国では女性側の純潔を失うことはかなり批判的で、今でこそ暖和(かんわ)してきたとはいえ少なからず良い印象は与えられない。


だからノースは自身の姉に手を出すと分家の男に脅され、当時のノースとティタはほとんど瓜二つだったことからティタの使わなくなった服を着て、必死に己の姉を守った。


…それこそ公爵令嬢と皇帝が男を問い正すまで、ずっと。



「ティタ…?」


「…私はそんなことのために、自分の時間を使いたくはないわ」


「でも…」



 ただでさえ、栄養失調で身体の成長が遅い弟に無理をさせたくないと姉はまた、今日も勉強を続ける。

次は最後のエクリクスィ王国です。


【オルトロス皇国】

森の北側にあり、白龍を象徴とする皇国。白龍の血を引いた皇族が治める国で言語がノルウェー語に近い。一応男女共に働くことが許されているし、特に女性が嫁ぐ婚姻の際は以前より軽減されたとはいえ…相変わらずと言われるくらいには世間の目が厳しめ。身分が重視されてしまうことが多い。伝説が残るように異世界召喚された者が最初に現れる国であり、現れた際は国家間のぶつかり合いが増える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ