閑話休題 ヒュドール公国
井戸端会議&短め。
前回のあらすじ
イスキオス帝国は多種族が多い国だよー。
さまざまなものに恵まれた国だねー。
代わりに政治態勢は殺伐としてるんだー。
ヒュドール公国は土地柄的に水源が多く、全体的な民の七割を貴族が占めている。しかし代わりとばかりにスラム街や、麻薬・感染病が蔓延しやすいことでも有名な国だ。
白く美しいビーチや国の象徴である青龍が住まう大きな湖、当然貴族が別荘地として選ぶくらいには立地がいいことに反して、治安は正直良いとは言えなかった。
「……どうにか我々も温泉の恩恵を授かれないものだろうか」
それこそ賭博に闇金、人身売買や異種族への差別、麻薬に禁忌魔法、人間という種族の欲で溢れかえったことばかり。
「そんなもの湯を沸かせば金くらい取れる」
「しかし、例の国の湯ほどの効能と温度は人の手では再現が…」
今日もまた、貴族が悪巧みをし。
「…人でなければ良いのでは?」
「そう、例えば……龍、とかな」
今日もまた、その犠牲者が増えていく。
それを静かに青龍が眺めていた。
「……」
次はオルトロス皇国です。
【ヒュドール公国】
森の東側にあり、青龍を象徴とする公国。水源が豊かな貴族が治める国で、綺麗な景色を見られる場所が多いが、治安はお世辞でも良くない。さまざまな悪事が始まるのはヒュドールだという冗談が広まるくらいには治安が悪い。言語はインド語に近い何か。