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災いの子と言われ、捨てられた私と四つの国の龍  作者: メガネ族
第一章 Living things cannot live without contact with society.
6/23

閑話休題 イスキオス帝国

必殺苦労人。


前回のあらすじ


ヒュアからこの世界の国の情報を大まかに教えてもらったよー。

同時にサキュバスという種族が嫌われる理由も知ったねー。

そしたらイスキオス帝国に行くように勧められたよー。

 イスキオス帝国の始まりは…ある精霊龍がいる森から、別の精霊龍によって追い出された種族が最終的に流れ着いた土地に黒龍が住んでいたことからだ。


今でこそエルフやドワーフと言った森の民から、人魚や獣人のような異種族までもが多く住んでいるイスキオス帝国にはある(おきて)があり、現在進行形でその掟に苦しめられている者がいたのだった。







「あのー…マヴロス王太子」



その呼び掛けに対して反応したのは、山積みの書類に埋もれかけている木製デスクに向かってひたすら羽ペンを動かしていた一人の男だった。


その男の髪は短い赤みが掛かった黒髪で、従者からの呼び掛けの声に反応して上げた顔は青白く、少し垂れた赤色の目の目元は寝不足故の隈で酷い有り様でありながらも、それすら作られたように感じ取れるほどの妖美な顔立ちだった。



「なぁにー…あとちょっとでこの書類終わるから手短(てみじか)詳細(しょうさい)よろー」



この男はマヴロス・スキア・イスキオス。イスキオス帝国の次期帝王の王子である。


イスキオス帝国では現帝王に次ぐ魔力と実力の持ち主………でありながら、気を抜いていいと本人が判断している時はとことん王族とは思えない言動などをする。…と家臣からすればもはや常識とも言える噂を社交界で言われている男である。



「実は…十五番目の王子と十三番目の王女が…」



 イスキオス帝国はさまざまな種族によって形成されている国であり、それ相応の後継問題というものも事実存在していた。


黒龍の血を引いた帝王に対して細かい種族ごとに妃を嫁がせた結果、生まれた王子王女は計三十人。その三十人のうち、比較的初めに生まれたのは十人。その後に二十人。マヴロスは四番目に生まれた王子だった。


最初は初めの十人の末っ子が溺死、次に九番目と七番目が毒殺、二番目と八番目は魔物の襲撃死、一番目は謎の病によって王太子でいられなくなり、残ったのは四番目と五番目と六番目。


そしてその後二十人新たに生まれた際に五番目が事故死し、生まれたばかりだった二十人のうち半数が不審死。…後宮があってもこれであり、帝王の心労は計り知れない。


肝心な六番目は凶悪すぎて手に負えず、だからと言って下の王子王女達はまだ物心すら付いていない赤ん坊までいる以上、残った四番目と病に侵されながらもできる限りのことをしている一番目しかいなかった。



「えー…まぁたやらかしたから尻拭いしろって?陛下も俺の扱いってのを」



 マヴロスは四番目でありながらも、根は酷く真面目であることは帝王も知っていた。だからこそ下の王子王女の尻拭いを何度か彼に頼んだ。


何故なら帝王とその妃から生まれた子に対して帝王と言えど容易に接触すれば、各種族からの反感を買ってしまうからだった。



「いえ、何者かに襲撃を受けて亡くなられたそうです」


「…………遺族に遺品と、死んだ王子と王女の資産等の振り分けを頼む」


「…はい」



それでも救えない時は救えなかった。


だからマヴロスは羽ペンを動かす手は止めなかったが、常にこれでいいのかと自問自答し、日々の3食に混ぜられた毒で舌が痺れたり、救えなかった王子や王女のことが心残りで眠る度に夢に出て寝れない…そんな息苦しい日々を必至にもがいていた。








「マヴロス様!!!朗報です!!!!」


「うるさー」


サキュバス(探していた)女の足取りが掴めました!!!」



 その知らせは残る三人の王子に希望をもたらしたのかは、本人のみぞ知っている。

次はヒュドール公国です。


【イスキオス帝国】

森の南側にあり、黒龍を象徴としている帝国。帝国自体が他種族を受け入れ、黒龍の血を引いた者の中から帝王を決める。帝王は通称魔王とも呼ばれる。今代の王子王女の総合数は三十人で、その半分以上が死亡した。かなりの実力主義社会。使用される言語は英語に近い言語を使う。難民の受け入れが寛容。

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