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災いの子と言われ、捨てられた私と四つの国の龍  作者: メガネ族
第一章 Living things cannot live without contact with society.
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森からの飛び立ち

よく見たら気付くかもしれないティア兼テオドラの誕生時期。


前回のあらすじ


ヒュアとアトラスのそれぞれから、沢山のことを教えて貰ってたよー。

アトラスはテオが魔法を使うのが少し嫌みたいだねー。

裏切ったの、そんなにショックだったのかなー。

 森の外では春を迎え、早朝(そうちょう)のみ森からイスキオス帝国や他の陸地への砂浜から潮が引いて歩けるようになる。


森に来た時期であり七歳になったばかりの冬を節目に私は十二歳、つまり小学校の高学年くらいの歳になった。そして、相変わらず魔法を教えてくれないアトラスには言わずに森を出ることにした。



「じゃあ、アトラスに宜しく言っておいてね」



アトラスが定期的に森から出かけて、何故か毎度土産として持ってきた少年服の一つを着て、残りは持っていけるだけ荷物に詰めた。



「…本当ニいいの?十六歳になるマではいテもいいンだよ?」



春とはいえ、未だ肌に突き刺さるかのような寒さに手が(かじか)みそうになる。そんな寒さの中、目の前の波打ち際は確かに水平線の向こうに見える陸地への道を、砂浜で作り出していた。



「いいの。あの感じじゃアトラスいつまでも魔法教えてくれないし」



魔法が掛かった肩掛けバックに入り切らない筈の生活用品を忘れていないか確認して、森の土から海の砂浜の変わり目に立っているヒュアを後ろに振り返って見た。



「……次の森に来れるトきは、森を出てかラ二度目の夏だからね。間違えて春に来ても海の水は引かないから、気を付けるんだよ」


「ありがとヒュア」


「ソれと髪と目の色についテ聞かれたラ、魔法が失敗したカらって言うんダよ。それでもシ髪と目の色を変えてクれそうな人がイたら茶髪と翠目にシてもらうんだ」


「了解。じゃあ、またねヒュア」


「……うん、じゃあね」



ヒュアに手を振って別れを告げながら、南の陸地に栄えるイスキオス帝国を目指して砂浜に足跡を残した。







 歩き出してから体感で三十分過ぎた辺りで、何故かグラグラと大地が揺れた。前世の生まれが日本だった私としては半ば日常茶飯事なので揺れが収まり次第、急いで砂浜を走った。


津波を警戒して走ったはいいが、走り切って後ろを振り返ると既に森への砂浜の道は消えていた。今はどのくらいの時間だろう。


空を見る限り太陽のような光源が真上に来ているから、多分昼かな?どおりでさっきからお腹の虫が鳴くわけだ。


…それに走り続けで疲れた。森で駆け回ってたとはいえ、砂浜だと余計に体力を持っていかれるんだなあ。


本当ならオヤツとして持ってきていた、大きめな林檎を丁度いい流木に座り齧って空腹を満たす。しまっていた本を読み歩いていると、砂浜を過ぎて土壌(どじょう)に足を踏み込んでから十分程歩いた先に村が見えた。


でも、人気がしなかったので通り越してもう一つ先の村を目指した。






 歩いて一時間くらい経過すると、少し暗くなって来た道の先に木製の馬車のようなものが見えた。そろそろ日が落ちて夜道(よみち)になるんだろう。灯りにするつもりらしきランタンが馬車の周囲を照らしていた。


これが第一村人ってやつになるかもしれないと弾む気持ちが抑え切れずに、若干のスキップをして馬車から降りて休憩しているおじさんに話しかけた。



「おじさんさ、今なにしてるの?」


「うわっ誰だお前!…ってただの小娘が一人でなにしてんだ、家出か?」


「私イスキオス帝国目指してるの、おじさんはその馬車でどこ行くの?」


「あー……まあ、俺もイスキオス帝国目指してんだ、ちょっくら用事があってな。良かったら嬢ちゃんも馬車乗るか?」


「乗る!!!」



これが渡りに船というものだろうか、丁度砂浜を走り抜けてきた足が疲れていて歩く気力がなくなってきていたのだ。異世界で初めての馬車、それは森に閉じこもっていた私の好奇心を掻き立てるには十分だった。

一応不定期更新ですが、できるだけ更新頑張ります。


【精霊】

世界を作った創造神の目であり、全ての生き物の友だったが、ある時を境に人間に見える程の実力を持つ精霊が減っていき、ついには各属性精霊の頂点に君臨している精霊しか人間には見えなくなってしまった。

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