仙道アリマサ企画作品 (天海波平)
丘がある
それは、小さな丘
その丘のてっぺんには、まん丸いお月さま
そして、お月さまの光の中に小さな影
それは一人の少女だった
白いワンピースを着た一人の少女
その少女は素足のままで
そして手は土で汚れている
少女はうなだれていた
目の前には植物がひとつ
その植物は枯れかかっていた
しなびて弱々しい葉っぱがそこにあった
少女は夢をみていた
この丘の上に色んな草花を植え
緑でいっぱいにする夢
だけど………
沢山の枯れた植物の跡があった
そこは灰色の世界だった
月が照らす灰色の世界だった
少女の目の前にある、しなびた葉っぱだけが
この世界の色だった
その葉っぱに雫が落ちる
少女の頬を伝った雫が落ちる
するとどうだろう
葉っぱは瑞々しさをとり戻し
そこから色が広がる
周りの枯れた植物も色をとり戻す
草花が生える、のびのびと
草花は茂る、どんどんと
やがて丘は、すべて緑の草花に覆われた
驚く少女はさらに驚く
星が降る、丘の上に
星は降る、少女のもとに
少女は踊る、楽しげに
少女が踊る、クルクルと
踊りにあわせて
少女の植物は大きくなっていく、どんどんと
茎や葉は月に向かっていく、のびのびと
少女は何かに気付いた
それは大きなツボミだった
少女はツボミの前に立つ
ツボミはゆっくりと開きはじめる
ツボミの中からは眩い光が解き放たれる
光はすべてを包み込む
草木を、月の星空を、そして少女を
丘のすべてを包み込む
眩しすぎて何も見えない
眩しすぎてすべてを消し去る
眩しすぎて少女をも消し去る
消える寸前………
少女は間違いなく
笑みを浮かべていた
丘がある
それは、小さな丘
その丘は朝日に抱かれていた
その丘は少女がいた場所によく似ていた
その丘のてっぺんには
確かに存在する………
白い一輪の花が
咲いていた
作品としては、ありきたりなストーリーですが、私があの曲から受けたインスピレーションとしてはこのようなものです。
以前の作品や、連載中の作品に合わせることもできましたが、素直な気持ちとして、このストーリーを選びました。
曲の始まりは、雫が落ちたところからイメージしています。
詩のような、童話のような、お伽話のような。
よくわからない書き方になってしまいました。笑
このような企画は個人的に有意義で、非常に楽しめました。
てか、楽しめます。
おかわり!!
仙道さま、素晴らしい曲をありがとうございます。