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宣誓

作者: 野良鰭樹

諸君、これは戦争だ。生きるということの戦争だ。戦争はまだ終わっていなかったのだ。明るい生活という言葉は忘れなさい。平和は常に気味の悪い薄ら笑いで君の牙や爪を抜き取りにかかろうとする。甘さでただれた安寧を律せよ。自律する戦争機械になれ。

常日頃から懐に銃を忍ばせろ。己が手持ちよりも金品を蓄えている者に銃口を向けるために。また、自身の身柄が敵の手によって拘束された際、自決するために。枕元には短剣と光源を置け。眠りに身を拐かされるな。夜に安寧の時を求めるな。

勤労に競争を見出せ。隣に立つのは仲間ではない。敵だ。一刻も早く蹴落とさなければいけない敵が隣にいるのだ。集団は連帯をしながらも互いをむしり合い、手足を引っ張り合う。そうして反発と同調を繰り返すことで全体は前に進める。待遇改善と保身に回った孤独な者に銃剣は持てぬ。諸君は個を棄て、組織として邁進することを誓ったはずだ。賽は投げられた、この期に及んで個人の自由を語るとは如何なるものか。集団戦を語れ。まず君の役割を思い出せ。

諸君の台所の米びつを兵站と思え。日夜続く補給戦だ。無駄な物品の消耗を切り詰めろ。余計な支出を無くし、今ある収入を最大限に活かせ。

ここにいる前線の軍隊ならびに従軍関係者の方々に感謝の意に代えて、この言葉を送りたい。

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