相談をした件
スマホが壊れかけているので念のためにストック分2話投下しています。
私ってば、あっという間に人気者(能力が)になっちゃったから教会行けなくなっちゃったんだよね。
まぁ、専業主婦も悪くはないかもだけれどちょっぴり暇だ。かといって外に出てバレバレなハニートラップに引っかかりたくはない。
「そもそもがメーティス並みに格好いい人ってレアだと思うのだけれど」
「奥様もそこそこにフィルターがかかっている気もしますが」
「でも、目つきが少しキツくって色合いが他の兄弟より若干地味というだけでしょう?顔立ちがこれほど整っている殿方ってそう多くないと思うのだけれど」
外国人って格好良く見えるからそういう感じなのかなって思ったこともあるけれど、何度見ても普通に顔立ちが整っている。
「そのキツそうな顔立ちが全てを無にしていると言いますか。ガラテアにおいての価値観には合わなかったのですが、奥様にそう思われているのならば旦那様もガッツポーズするんじゃないですか?」
その言葉に少し納得をする。国や地域によって美人の条件が異なるみたいに、カッコいい男性の条件も異なるのだろう。そうなるとあいつらの好みじゃなくてよかった!って思う反面、ラビニアではそれなりにモテてるの見ると塩撒きたくなる。人の男に手ェ出すんじゃないがるる、的な気持ちで。
子どもができたくらいでメーティスの気持ちが私から離れるなんてあり得ないと思うくらいには愛情を確信している私だけれど、外に出るためとか私の身柄を諦めてもらうために妊娠するってちょっと、というかだいぶ責任がないんだよなぁ。
メーティスがガッツリ覚悟決めてるので向こうは良いとして、私である。
私が母親になれるかどうかだ。
案ずるより産むが易しとはいうけれど、私のお母さんが母親になりきれなかった感じあるから不安度は高い。いやだって、夜遊びとかしてるもんね……。私が居なくなって変わってるのか、心配してくれているのか。いやなんかもう、弟しか心配してくれているイメージがない。そんなことを考えていると、自分が母親になるってちょっと想像がつかない。
「ノエル」
「ひゃい!?あれ、メーティス。今日は早いのね」
「ただいま。珍しいね、僕が帰ったのにも気がつかないほど考え事をしているなんて」
私を抱きしめて、「どうかしたのかい?」と心配そうに顔を見てくるメーティスにときめいた。私の夫がカッコいい。
それはともかくとして、夫婦だし悩み事はちゃんと話しておいた方がうまくいくかなと思って、きちんとお話をした。
だってまぁ、夫婦の問題でもあるしね。
「大丈夫じゃないかな。ノエル、孤児院とかでも楽しそうだし子供が嫌いなわけではないんだろう?乳母も雇えば負担は減るし、君一人に何もかもを任せるつもりはないよ。それにそういうものって、二人でゆっくり親というものになっていくものだろう?」
そう言われて、確かに初めから親になれる人っていないかなと頷いた。それに、元々メーティスの子どもが欲しくないわけじゃない。欲しいか要らないかで言うとめちゃくちゃ欲しい。
「病める時も健やかなる時も、僕は君の隣にいる。不安になったら今みたいにちゃんと話をしよう。何か駄目なことがあれば注意をして、意見が合わなければ二人で喧嘩もしよう。そうやって少しずつ家族になればいい」
手を取られて微笑まれると、顔が熱くなるのを感じる。思わず手のひらで頬を包むと、そっと目線を合わせてくれる。
「いつだって君が一番大切だよ、僕の……僕だけのノエル」
そう言って口付けられると、いつもより何かドキドキしてしまう。
「メーティス…、私やっぱりあなたの事自分でも驚くくらいに好きだと思います」
「うん。嬉しいよ。僕も、君を愛しているよ」
おずおずと手を伸ばし、その胸に飛び込むと彼は優しく頭を撫でてくれた。




