『承』(ぼるてん担当)
※新たな使用ワード
『柿の種』『織田信長』『アルティメイトオーガニックサンバイザーアルティメイトイラストレーター』『まわる』『ダンジョン経営』
※スペシャルワード
『喜怒哀楽』の怒
そして俺が目を覚ますと――。
「うっ……ううっ……」
「おう、気付いたか!」
布団の中で横になっていた。
眼前には、柿の種色の肌をした大男が俺を覗き込んでいる。
大男は自慢気に口を開く。
「アルティメイトオーガニックサンバイザーアルティメイトイラストレーターのように空から降ってくる奴なんて初めて見たぜ! オレはコイツは助けるしかねぇ、そう思ったんだよ!」
どうやら俺は、この大男に助けられたらしい。
しかし、アルティメイトオーガニックサンバイザーアルティメイトイラストレーターのように空から降るなんて事が実際にあるのか?
やはり、あのブーメランパンツの言う通り、俺は転生したのか……
「おい、悪いが鏡を貸してもらえるか?」
「おう! ほらよ……」
大男から鏡を受け取り覗き込むと50代中盤の男の顔になっていた。
明智光秀に転生したのは間違いないようだ。
しかし、ふと大事な事を思い出す。
あの変態ブーメランパンツの言う事が正しければ、今日は本能寺の変の前日の筈……
「なぁ! 今日は何日だ!?」
「今日は天正10年6月1日じゃ!」
「じゃ?」
「んーんーん! 天正10年6月1日だ!」
大男は咳払いをすると、今日の日付を言い直す。
やはり本能寺の変の前日だった。
「助けてくれてありがとな! すまないが俺はやる事があるんだ! じゃあな!」
「……」
俺は慌てて外へ飛び出した。
しかし行く宛など無く、目的地も不明だ。
1時間程、街を彷徨った後、途方に暮れた俺はふとマッチョ変態ブーメランパンツの言っていた事を思い出した。
【一つだけスキルを与えてやろう】
これだ! これに賭けるしかない。
俺は藁をも縋る思いで、あの言葉を叫ぶ。
「光秀ダイナマイト!」
だが、何も起こらない。
もう一度、声量を上げて叫び直す。
「光秀ダイナマイト!!」
やはり何も起こらない。
今度はビブラートを効かせるように叫ぶ。
「光秀ダイナマイト〜〜〜〜〜」
「ピカーッ!!」
視界が真っ白になった。
思わず目を閉じて蹲る。
暫くして目を開けると、足元には男が寝ていた。
(コイツは……織田信長!?)
間違いない、コイツは織田信長だ。
何故か俺の記憶に、織田信長の顔が鮮明に刻まれていた。
確か本能寺の変では、明智光秀が寝込みを襲うんだったな。
訝しみつつも足元の男に声を掛ける。
「お、おいッ!……」
「……!?」
寝惚け眼に俺と目が合った織田信長は、布団から飛び起きた。
だが、その拍子にロウソクが倒れ、部屋の周囲は一瞬にして炎に包まれた。
「なんて事だ……俺はまだ何もしていないのに……」
「明智……貴様よくも……」
織田信長は俺を睨みつけるが、炎の手が迫るこの状況でそんなものに気を向けている余裕はない。
炎から逃れる為に、俺は思案を巡らせる。
(なんかないかなんかないかなんかないか……)
そして一つの言葉を思い出した。
(そうだ! あれに賭けるしかない!)
俺はビブラートを効かせながら叫んだ。
「光秀ダイナマイト〜〜〜〜〜」
「フワッ……」
すると、俺の体が天井を突き破り、アルティメイトオーガニックサンバイザーアルティメイトイラストレーターの如く空へと浮き上がる。
地上を見下ろすと、柿の種色の大男が口を開け、俺を見詰めている。
俺は大男へ向け手を振ると、大男は回りながらダンジョン経営をしていた。
視線を空へと戻すと、俺の体は雲の中へ突入しようとしている。
パラパラを踊りながら雲を抜けると、目の前にはマッチョでブーメランパンツの変態神が現れた。
ぼるてんさん
スペシャルワードをクリアしました。