服屋
なかなか話が進まない、、、
難しい。
お金に関しては百倍毎で単位を変えてます。
一ゴルド=百シルバ
一シルバ=百カパー
一カパー=百ブロス
一ブロス=百アイン
一アイン=0.1円
やってきました、服屋。
どうも、お邪魔します。
ん?誰だガキ!ですと?
これは、これは失礼いたしました。
わたくし、ジャン・デ・アークと申します。
この度アーク商会という店を親が開く事になりまして、その為にも相応しい恰好をしなければならないのです。
いやはや、こんな格好では仕方ない事。
田舎から来たもので、こんな農民と見紛う恰好で驚かれたでしょう。
いやはや、タペスはよく栄えておりますね。
皆さま恰好が洒落ていらっしゃる。
はい、いやはやその通りで。
は?ああ、この言葉使いでございますか。
若輩ではありますが、早いうちに言葉に気を付けろと親に言い含められておりまして。
お貴族様に失礼があってはいけないと。
ええ、そうなのですが勉強中でありましてまだまだで、恐縮ですね。
おっといけない、早めに戻ってこいと言われておりまして。
はい、一人で来たのです。
この大きな買い物もひとつの勉強であると。
さっそくですが、あちらの服を見せていただいても?
ふむふむ、さるご貴族様のご子息がお召しになった一着と。
なるほど、なるほどしっかりとした補正に頑丈な生地。
これはさぞかし値が張るのでしょう。
いったい幾らになりますか?
一シルバ?(約十万円)
それは苦しいですね。
お館様よりお預かりしたのは四十五カパー(約四万五千円)なのです。
困りましたね、田舎者にはどれを選んでよいのやら。
そうだ!店主のその確かなお見立てでひとつお薦めしていただけませんか。
なにをおっしゃる!これほどの品ぞろえ、そこいらの店ではまずお目に掛かれますまい。
であればこそ、店主たるアナタ様は一流の目を持っていらっしゃるに違いない!
え?これに帽子もつけていただけると?そんなそれでは店主殿に悪い!
わかりました。
そこまで言われるなら私も五カパー自腹を切りまして五十カパー(約五万円)お渡しいたしましょう。
その代わりと言ってはなんですが、いい袋屋をお教えいただきたいのです。
なにぶん荷物が多くなりそうなので。
なに?こんな丈夫な袋までお付けいただけるのですか?
それは、なんと大変ありがたいのですが、失礼かと思いますが大丈夫なのでしょうか?
ああ、私は店主殿より多くのものをいただきました。
このような誠実潔白な方とお知り合いになれたことこそ私にとっての一番の買い物でございます。
いずれ恩返しができるようにより一層学びに身が入るというものです。
店主殿、ありがとうございます。
ええ、店主殿もお元気で。
アーク商会を大きくして、またお会いできる日を楽しみにしております。
では、よい一日を!
◆◆◆◆◆
儲けものでした。
どうも、絶賛嘘つきジャン・デ・アークでございます。
名前からして嘘じゃないかですって?
ダーニング性、つまりダー村のジャン、なんて名乗るとやっと縁が切れた村との関係がバレバレですからね。
今後はジャン・デ・アークと名乗ることにしますよ。
ここから新たな一歩を踏み出すわけですよ。
はてさて、名前はともかくこれでとりあえず服と帽子が整いました。
これが意外と重要で、どこに行っても門前払いされる確率はガクンと下がります。
いやはや信頼性は外見からにじみ出るものと言われていますから馬鹿にできるはずもないですね。
さて、では次は寝床ですね。
村でいた時に行商人とやりとりして貯めた三年分のお金はほとんどなくなりました。
寝床はできるだけ安くすませなくてはいけません。
野宿なんて町の中でするなどもっての他なので神殿か酒場が最も有力な候補となりますが、どうしましょうか。
よし、考えていても始まりません。
実際に行って確認してからでも遅くないでしょう。
もうそろそろ日が暮れてくるころ。
街灯なんてないからどこにいるかもわからなくなりますので早めに移動しましょう。
では、皆さまごきげんよう。
いざ服屋
嘘も方便
寝床探しレッツラゴー