嫌な雨
絶対投稿忘れる。
読んでくれている方がいたら申し訳ない。
外はどしゃぶりの雨が降っている。
今朝の天気予報通り、嵐が町に直撃した。
曇天の雲は厚い壁となって太陽を遮り、雨粒は屋根や林に激しくうちつけて、町中を騒がしく奏でている。
俺は寝巻姿で自室に篭っていた。
学習机に頬杖をついて、窓枠にはめられている磨りガラスを眺めている。
窓ガラスを無数に伝う水滴は木の根っこみたいに分岐していき、やがて消えてしまう。
何度も何度も伝わっては消える。
メイが地球からいなくなる。
いつかその日がきても、俺は茫然自失に陥らないよう、メイと友人としての一線を越えず関係を保ってきた。
「どうせメイはいなくなる。ずっと一緒にいたいなんて甘い幻想は捨てろ」と自分に言い聞かせてきた。
明日にはその辛抱の日々からやっと解放されるのに、倦怠感が襲来し、心の空洞が拡張されるばかり。
懸命に張り巡らせた防衛線はいとも容易く突破されてしまった。
今頃、メイは泰然としたまま、無限への旅支度に余念がないはずだ。
「不確かな未来なんて最初から切り捨ててしまえばよかったんだよ、か」
ようやく理解できた。
メイが昼休みに口にした不確かな未来とは俺のことだったのだ。
彼女はいつまで経ってもまごまごしている現在の俺に愛想を尽かし、過去の思い出を鞄に詰めこんで、宇宙へ発つ決意をした。
俺は切り捨てられたのだ。
メイが望むならば、従う他あるまい。
これまで、散々自分の恋路を邪魔してきた報いだろう。
俺なんぞは馬に蹴られて死すべし。
「また、さようならだ」
大切な人から順番にいなくなる。
規則正しく鳴る雨音が鼓膜の奥に侵入してきて、俺の呼吸を止める。