間幕
勇迅は気絶こそしなかったが、痛みで動けなくなっていた。
カカッカと笑うリーフィルと、慌てメイド服姿の二人に助けを求めるアヴィー。
そして、勇迅はメイド服姿の二人にベットまで引きずられ(今度は文字通りの意味で)うつ伏せで寝転ぶ。
ベランダでは、アヴィーが顔を真っ赤にしてリーフィルに説教している。
その間もリーフィルは反省の色なく、笑顔を絶やさないでいた。
「あのー。アヴィーさん、話を進めませんか?」
勇迅はズキズキとお尻の痛みを我慢しながら、アヴィーに問いかける。
するとベランダからひょっこり心配そうな顔を出しすアヴィー。
「コウケツ様…その…本当に大丈夫なのですか?」
どれに対しての大丈夫なのか…
アヴィーの事だから、全てに対しての大丈夫なのだろう。
なので、勇迅はアヴィーの心配を払拭し、何より話を進める事を選んだ。
「痛いは痛いですけど、落ち着いてきまし大丈夫です。経緯、心情はどうあれ、整復してくれたのは認めたくないですけど、ありがたいです。」
言いつつ無意味とわかってはいるが、リーフィルを睨みつける。
案の定、本人はどこ吹く風。
「それに話を進める上でアレはこの場に必要なんですよね?」
最後の問いかけに、アヴィーは首肯した。
「はい。相談役、という面でも必要だと思っておりますし、何よりコウケツ様の召喚を実行した張本人なので…」
アヴィーは困った顔でリーフィルの方を向いた。
リーフィルはそれを見て、勇迅に満面の笑みで手を振っている。
(腹立つッ!!)
勇迅はその笑みから最初の印象のみを心に思い浮かべた。
「その辺りも詳しく知りたいので、自分はちょっと動けないので、こちらで話をしましょう。」
勇迅がそう言うと、アヴィー、リーフィルはベランダから勇迅の寝転ぶベットの方へと寄ってくる。
その間にメイド服姿の二人がサッと椅子を2脚とテーブルをベットの近くに寄せ、お茶とお茶請けまで用意した。
二人が座り、アヴィーは真剣な面持ちで、リーフィルはお茶とお茶請けに手を付け、勇迅はベットの上でうつ伏せになり、傍から見ると変な様相の話の準備が整った。