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異世界でギルド経営始めました  作者: 維新伝心
13/13

名称

「アヴィーさん、その敵対勢力って魔王だとか魔王軍とか名乗ってませんか?」

アヴィーはハッとした顔になった。

それはリーフィルも同様で、驚いているようだった。

「は、はい。こちらが使者を送った時に書面で我は魔王ミッピーと名乗っていました。」

(名前可愛いッ!!怖さゼロッ!!)

今度は勇迅が違う意味で驚いた。

名前イコールと…勇迅は思わないがあまりにも威厳と言うか、魔王らしさが欠けてると言うか…皆無な名前。

(親か自分か襲名か解らないが、下手なキラキラネームよりたち悪い名前だな…対面したら笑い堪えられる自信ないぞ…まして威風堂々、雰囲気たっぷりに名乗られでもしたら…)

勇迅は、現代の千葉にあるのに東京と冠しているテーマパークの某世界的有名キャラクターや、お口バッテンのこちらも世界的有名キャラクターを思い浮かべながら、プルプル震えていた。

何を勘違いしたか(多分勘違いはしていない)、リーフィルはその様子を怖がっていると判断したらしく、

「大丈夫だよ〜一回目の衝突が終わってすぐに騎士国から増援が来たから〜その後何度か小規模の衝突はあったけど〜今は睨み合い状態だよ〜」

(全く…いい性格してやがんな…)

リーフィルの言葉に腹を立てるのは不毛だと早くも悟った勇迅は、話を続けることにした。

「魔王側が圧倒的有利なのに、特に理由もなく半年も膠着状態なのは腑に落ちないですが、それは今は置いておきましょう。」

勇迅自身、頭のどこかで引っかかりを覚えつつ、判断材料が少ない事もあり、ひとまず話を戻す。

「魔王軍の兵、配下は魔物やモンスター、魔族、色々な呼び方はありますが、様々な生き物を模した人外だと思います。そして、【召喚の儀】や無数の炎や氷柱を生み出す現象は魔法や魔術と呼ばれるモノでしょう。」

たかが名称ではあるが、今この世界ではされど名称。

得体の知らない脅威の名称を知るだけでも、雀の涙程には恐怖は薄まる。

全くの暗闇にほんの僅かな光が見える程度だが、それでも人は安心する。

そして、その得体の知らない脅威を知っていると解ると人はさらに期待し、縋りたくなる。

そうなる前に勇迅ははっきりと宣言する。

「これらは知識として知っているだけです。断じて魔王や魔王軍を倒せたり、魔法を使えたり、防げる訳ではありません。自分がいた世界もここと同じで人外や魔法の様な超常現象はなかったので」

その宣言を聞き、一瞬希望の様なものが見えて、明るくなりかけたアヴィーの顔が再び曇る。

しかし、勇迅はこう続ける。

「でも、この世界の人達がゼロから魔王の事を探るより早く、多くの知識を渡せると思います。ただ、あくまでゼロからよりマシ程度の知識ですが、それでもよければ協力します。」

この言葉にアヴィーは表情を少し明るくした。

「ありがとうございます!!今はどんな些細な事でも希望に繋がるなら、ご協力をお願いします!!」

勇迅は頭を下げるアヴィーを見て、但しと言葉を投げる。

「但し、約束して欲しい事があります。一つは魔王軍とかは関係なく、自分の帰る方法を最優先にして欲しい、させて欲しい。もう一つは生活、衣食住の保証。最後は自分の命を守ってもらえる保証です。これら全てをお約束頂かないとご協力は出来ません。」

勇迅はアヴィーの目を見、自分の要求を突き付ける。

これは当然の要求だとも思っている。

それはアヴィーもそう思っていたようで、即座に返事が返ってくる。

「もちろんです。」

と、はっきりした声で

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