第六話
魔法について説明します
飛ばして構いません
「これが魔法大全か…」
結構厚みがあるなぁ…
でも、鈍器にはならないくらいの厚さだ。
こっちは新しい物みたいだ。
そういえば、これの説明も指南書にあったな。
『こちらの世界では割とポピュラーな教科書です。これから魔法を学ぼうという子供たちがよく読んでますね。大全とは言いますが本当に全部の魔法が書いてるわけじゃありません。(オリジナルの魔法や失われた魔法や王族に伝わる秘伝の魔法など)初心忘るべからずということで大切にして下さいね!』
絶対に失くさないようにしないとな…
というか、これは子供用というか入門書のようだ。
うーむ、こっちの世界では子供はみんなこんな分厚い本を読むのか?
大変なんだなぁ…
じゃあ、1ページ目めくりますか!
なるほどな…
今、俺はだいたい10ページ目くらいまで読み進めた。
そこまでに基本的な魔法の概念や使い方が書いてあった。
要約するとこうだ。
・こっちの世界には元の世界にない気体があり、それを吸うことで体に魔力が巡っている
・魔法を使う時は巡っている魔力を感じ取るのが大切である
・属性はそこそこあるが、一番基本なものは火、水、風、土の4つらしい
・その魔法のイメージ、知識それと変な記号みたいな(ルーンというらしい)ものを知っていればだいたい誰でも使える
・また魔法の使い方も人それぞれで、言葉でイメージを固めて使う人もいれば、紙かなにかにルーンを書いて発動したり、頭で全て済ます人もいる
本当はもっとあるが別に知らなくてもいいことばかりだろう。(たとえば新しい魔法の属性を初めて発見した人の名前とか)
…あーもうっ!細かいことはいい!
とりあえず俺は早く使ってみたいんだよ!
使い方は魔法をイメージして、体から魔力を捻り出して、正しい知識、ルーンのもとで発動すればいいんだったよな?
よし、やるぞ…
まずは最初に書かれていた[ファイア]という魔法からだ。
名前の通り火を出す呪文で、ライターよりちょっと強い程度の火が出るらしい。
イメージ、イメージっと
こう、まんまライターをイメージするんだ…
で、体の内にある魔力を捻り出す!
これは意外に難しいぞ…
水に手で掴んでいるみたいに中々、魔力を出せない…
くそっ!
集中が足りないのか?
集中…集中…
よしっ!
なんとか少しだけ捻り出した感覚があるぞ!
なんか、さっきが掴む感覚なら今は片手で水をすくい上げた感覚だ。
全然足りない気もするが、一応これで発動するはず!
あとは、知識とルーンか。
知識はさすがに中学生でも分かるから大丈夫だ。
ルーンはこれか…
ポッ
ん?
手に違和感を感じ、手のひらを見た。
うぉー!火がついたぞ!
すげぇー!なんだこれ!やべぇ!
俺は今、小学生みたいな感想しか浮かばないくらいには興奮していた。
しばらくそれを眺めているとあることに気づいた。
……どうやって止めるの?