真第一章 終わり。
本編やれ自分。
真第一章 終わり。
作者の都合によりこの小説は終了しました☆
おい、やめるなバカ。殺すぞ。
(お前が悪いんだぞ。ここまで追い詰めたお前が。)
知るか。そして、死ね。痛みを超えた快楽を教えてやる。
(えっ、ヤダ、ちょっ、おまっ、アァーーーーー♂!)
信(じてください)第一章 始まり
☆4年前 多治見市内のとある踏切前
キンコンカンコンキンコンカンコン
線路。
騒々しい踏切前。
僕と同じ子供たちが6人程。
僕の目の前には何百人もの人が乗った大きな鉄の塊。
そこに乗る慌てた車掌さんの顔。
ああ、失敗しちゃった。
ブシュ―――――――――、グシャッ。
単なる自虐の話。で、裏返しな自愛の話。
おそらく、僕の人生が本格的に人生じゃなくなってきたのは中学校1年生の頃だろう。正確には冬。
自分のゲームが母によってトンカチで叩き壊され、心に深い傷を負った時でもあるが、今は関係ないだろう。
そう、それは学校の合宿から帰る時だっただろうか。
どうしようもなく間違えてしまったある日。
知らなくてもいい知識
僕の通う学校、私立丸日丘中学校は大学受験の合格に精を出している中高一貫校である。
つまり、隣接して丸日丘高校もある訳である。
さらに、隣接こそしてはいないものの球部大学という私立大学がある。創設者は同一で、行こうと思えば行けるがレベルが低い。
どこにあるかと言えば愛知県。
僕は、小学校6年生の一年間を捨てて東海地方ではトップの蒼海中学を受験し、合格を目指したが――失敗。涙が……!
結果として、丸日丘の特待生合格となった。
そして、その後は丸日丘でトップクラスの成績を、とはいかずに落ちぶれ35位あたりをさまよい、この前の期末テストでは53位と死んだも同然の順位になった。
来年はもう特待生は望めないという現状。
同じく特待生にてかつ同様に落ちこぼれる羽目になった山内康史君とすぐ仲良くなるのも当たり前だった。通称やっちゃん。
さて、そんな僕の通う丸日丘中学校は山の上に建てられている。
登校方法としては4つ。徒歩、自転車、スクールバス、電車。普通の生徒は。
そして、僕は、
朝7時に起き、7時半になったら家を出発、多治見駅まで行き、7時45分発か50分発の電車に乗って高蔵寺駅で降り、8時3分から8分発のヤスカバスに乗って登校、帰りはその逆、という結構メンドい日常。
☆12月22日 学校駐車場付近 PM 7:30
「おい、僻実」後ろから声をかけられた。
「うん?」僕――螺旋僻実は振り返ろうと――
ザクッ
「痛っ!」僕の首に友人かつクラスメイトの安田滉の手刀が入る。
「ハハハ」
「『ハハハ』じゃねぇよ! 痛いからやめてくんない?」
「なあ、お前どうやって帰んの?」
「スルーか、おい」
…………どうしようかね。
12月22日月曜日、スキー研修終了3日。現在時刻7時半頃。真っ暗。
さて、ここは丸日丘中学校の駐車場。親が迎えに来て話しあっているのがアチコチに見受けられる。
…………。
僕は現在帰る方法がない。バスも時間的にない。お金も持っていない。
帰りのST(ショートタイムつまりホームルーム)で担任の澤田先生が何度も聞いていたらしい。
スキー研修の帰宅にバスが必要な人は手を挙げなさい。
僕は本のことばかり考えていて全部スルーしてしまった。
…………。
「どうする? 親も来ないし、バスも来ないけど」安田が再度聞いてくる。
「…………徒歩」
「は?」ありえないものを見る目だ。最近よく見る。
「この学校から高蔵寺駅まで……歩く」
「……道知ってるのか?」
「1度だけやったことがある。8ヶ月くらい前」もう全く覚えていない。
「バカだろ」
「……うん」否定できない。
そもそも、バカじゃなかったらこんな状況にはならなかった。
「お金がなくて親に連絡できないなら先生に借りれば?」
「…………」確かにこういう理由なら貸してくれるだろうが、
「今まで散々迷惑かけてきたしなぁ……」
澤田先生に迷惑をかけた数は余裕で人類の最大寿命年数を超える。
ここでまた、がっかりさせるのは避けたい。
「今、オレも金持ってないしな」安田も持っていないようだ。
「だから、歩くよ。じゃあな」
僕は旅行用の小さなキャリーバッグを引きずり、安田に背を向けて坂道を下り出した。
「まっ、がんばれ」
「はいよ」
これが始まりだった。
☆高蔵寺駅5キロ以内のどこか PM 8:56
「あの……」
僕は偶然近くを通りかかった男性に声をかけた。
が、無視して通り過ぎられた。
現在、人に道を聞きながら駅へと進むが全然わからない。バスの外で見かけた光景が1つも見つからない。
周りが暗いというのもあるのだろうけど、
「あの……」
僕と同年代くらいの女の子が通り過ぎたので声をかける。
女の子がその声に反応して振り返り、僕を見る。
「…………!」
顔を真っ赤にして走り去っていった。
「…………?」
僕の顔が変だったのだとうかと、触ってみるが特にいつもと変わらず、何かが落ちることもなかった。
結構かわいい子だったけど、別に僕の鼻の下が伸びているということもない。何だったんだろう。
考え込んでいると――、
タッ、タッ、タッ、
緑色のジャージを着た知らない男の人が夜のジョギングをしている。
よし。
「あの……」
と呼びかけたところで急に十字路を左に曲がって声が届かない。
グシャッ。
「えっ?」
この音は……。
僕は、曲がり角の所まで歩き、左側を覗く。そこで目に入ったのは、
麦わら帽子に元は真っ白だったと思われるワンピース。8歳くらいの金髪金眼の女の子。
可愛らしいと言える。今が真冬の夜でワンピースや手の平から血が滴り落ちていなければの話だが。
そしてすぐそばの路上に、緑の布切れが辛うじてかかっている原形不明の肉の塊が赤い液体の上に落ちていた。
「…………」理解ができなかった。
おびただしい程の血臭。
暗闇の中でもはっきり見えるほどの輝く女の子の金眼。
どうしようもない死の感覚。
シュン、と変な音がして、瞬きしていないのに、血まみれの女の子がその地から完全に消えた。
「…………」
数十秒待ってから、赤い塊に近付く。キャリーバッグはその場に置いておく。
タン、タン、タン
いつもよりも足音が大きく聞こえる。
シュタッ、――何かが着地する、音。
背後からのその音に気づき、ほんの数秒前に見た金髪が眼に入った直後、
「―――――」声が出ない。
僕はバラバラにされ―――――――
☆不明 PM 5:30
「あーあ、主人公死んじゃったー」
いきなり、僕の友人の唄姫が呟きだした。
「ん? どうかした?」
「ああ、うっちゃん! このマックシェイクがねー」
「シェイクスピアだから、それ。ああ、確かに主人公死んでるね。」
☆高蔵寺駅5キロ以内のどこか PM 9:02
―――――死ななかった。
というより死ねなかった。
まあ、四肢と頭部もそれぞれに引き裂かれてグチャグチャ、胴体は五センチ四方のサイコロ×無数になってるけど。
何そのシュールレアリズムの境地。芸術家目指せ。
バラバラになって5秒後、
ズズズズッ
「ぐあああああああ!」
切り裂かれた肉片同士がくっつき出す。
神経が繋ぎ合う激しい痛覚。
脳の再生による強烈な不快感。
気持ち悪い程の睡眠欲が騒ぎ出す。
少し周りを見渡すとあの女の子も、肉塊も消えている。
「はあ。」溜息が出る。
またかよ。
僕の体は小学5年生、11歳の姿になっていた。
最初のは嘘ですよ~ (汗)