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なんか変なことになった@  作者: 良正 儚
.
10/15

第四章約束された始まり、――そして終わり ぱあと2

久しぶりの投稿です。

見たい方はいつでもどうぞ。

説明系の部分がちょっと多いかな?

それに区切り線が結構ウザいと思われるのでそこらへんは十分注意してください。

☆多治見市福祉センター2階中高生スペース PM 4:32

 とりあえず僕は現在パソコンに向かい合い、紙にメモった通りの順番に従って操作する。

 えーと、まずロキズノートでググって一番上にある黙示録というページに入って、全て選択でヤフーに入って、全て選択でヤフーで検索。一番下にある謎のページを聞いて、パスワード1995574を入力で……。

 パソコン上に新しいウィンドウが出る。

 ヴーンと音を立てて画面が表示される。


==============================================


 謎のページ 製作者 オカマの中のオカマMr.士方雪子

 全国の能力者の方々こんにちゃーす!

 ここは意見交換の場ということでヨロ~。

 まあとりあえずここのオーナーのマイケルですっっっっっ!

 このサイトは能力者以外の人には18禁サイトにしか見えないから、そこんとこよく覚えとけ!

 あと、そうそう、ここでの過度の暴言と中傷するヤツはオーナー直々に『電子病マイクロウェーブ』で脳ミソをトロトロ熱々のシチューにしゃうぞ♡フハハハハハハハハ!


==============================================

 

 ……頭痛くなった。休憩。

 

==============================================


 現在、『電子病』で死んだのは31人です。

 フザけ過ぎたなゴメリンコ。

 謝った気が全くしないぜ! ヤッタよ、母さん。

 あれ? 母さん心臓押さえてどうして床で寝ころがっているの?

 ん? アンタのヤることが信じられないって?

 そんなのいつものことじゃないか。

 父さんどこから出したの?その105ミリ榴弾砲。それ戦車に搭載されてるはずなのに。こっち向けないでよ。黒崎○里さんじゃないんだからーって、ぎゃああああああ!

 …………

 死んだとでも思ったか! 返り討ちじゃ! 喰らえスタングレネード!

 ふぅ。うるさい二人は寝たことだし。ニートはニートらしく趣味の愚かで無知な能力者共への教育でもするかっ

 兄ちゃん来た! 逃ーげよっ!

Conteえぬツー!

・初めに←絶対

・掲示板←押してみろって、いいことあるぞ……!

・オフ会約束←事実廃止状態

・雑談所←下ネタ歓迎

・Q&A←アカシックレコード採用


==============================================


「…………」

 どうしよう。今すぐこのパソコンを強制終了してこの場を去ればいいのだろうか。

 突っ込まなくていいところが助詞くらいしか見当たらないんだが。

「くっ」

 それでも一応友達の紹介してくれたサイトだし、僕自身が知っておかないといけない情報が入っているので、渋々だが「初めに」の所をクリックしてみる。

 パッ。


==============================================

 

  初めに

 このページを見てくれてありがとうございます。

 『電子病』の能力所有者です。

 トップページでは散々フザけておりますが、ここだけはキッチリと言っておかなくてはいけないと思っているのでよろしくお願いしますm(‐ ‐)m

 私がこのサイトを立ち上げたのは、私自身がフザけたいといのもありますが、一番大きな理由はこの能力者同士の殺し合い、通称消滅戦争による死傷者をできる限り減らすためでも、できる限り誹謗中傷がはびこったりするのを防ぐために面倒な仕様にしております。

 そこのところをよろしくお願いします。

 ではこのサイトをご活用してください。

 ・掲示板 ・オフ会約束 ・雑談所

 ・Q&A  ・隠しページ


==============================================


「…………」

 マジメにやれんじゃん。

 少し感心させられてしまった。

 まあ隠しページっていうのがすごく気になるのが、それを無視して掲示板をクリックする。パッと画面が変化する。

 

==============================================


アカウントを作成しますか?

はい はい はい はい はい Yes OK

 

==============================================


「…………」

 さっきまでの真剣さはどこ行った。

 なんとなくYesをクリックしてみる。


==============================================

 

 はい!ヒネクレ者~プッ。

 

==============================================


「ウザッ!」


==============================================

 

 オラオラ30秒以内に入力しないと『電子病マイクロウェーブ』だぞ~。

 能力名(横文字)□(漢字)□


==============================================


 え? つまりさっさと入力しないと僕死ぬってことですか!?

「えっ、えっと、ブ、レ、イ、、クカウンターでさ、い、じゃ、く、ふめつっと」

 コレタイピング遅いヤツとか、戸惑ったりしたヤツ詰みだよなと思いながら、決定ボタンをクリックする。


==============================================


 ぷっ、ダッサ!


==============================================


「ウッサいわ!」

(死んでしまえ!)


============================================== 

 却下。


==============================================

 

「読まれている!?」


============================================== 

  掲示板メニュー

 ・能力について New (現在05人アクセスしています)

 ・戦術について    (現在02人アクセスしています)

 ・アイテムについて 注目(現在10人アクセスしています)

 ・紙について New  (現在06人アクセスしています)

 ・(まだアクセスできません)(――――――――――――)

 ・(まだアクセスできません)(――――――――――――)

 ・(まだアクセスできません)(――――――――――――)


============================================== 

「まあ、普通なのかな?」

 まだアクセスできない掲示板があるのか気になるが。

 一番上の「能力について」をクリックする。パッ。


============================================== 

 掲示板(能力について)

電子病マイクロウェーブ』:じゃ、どんどん書き込んで、て~。まず挨拶から!

相剋爆弾クラッシュ』:って言われても……。

法典ルールブック』:とりあえず、初めまして『法典』です。よろしく。

高速停滞レイトラピッド』:どうも。『法典』とは友達です。こんにちは。能力については初心者なので色々知りたくて来ました。


==============================================


「ほっ」どうやら書き込んでいる人達は普通のようだ。


==============================================


『電子病』:おや? まだ一人書き込んでないようですな。さっさと書けやあああ!


==============================================

 

 掲示板でもマナーは大事だと思うんだが…。


==============================================


『極楽天使』:ヤッホ! ゴメンネ遅れちゃって! カボチャの馬車が全力疾走しちゃってお城を通り過ぎて世界一周みたいな! ヒガミン見てる~? と、いう訳で仲良くやろうか! アヒャヒャヒャ(。A。)/


==============================================


「!?」いる! 一人だけムッチャおかしなヤツがいる!


==============================================


『電子病』:さて、この掲示板ではどうせまともなツッコミ役やれるヤツはいなさそうなんでスルーな。さて無知な能力者共のために直々に教えてやる。一人一万な。

『電子病』以外:失礼しまーす。

『電子病』:ごめん!聞いてください!……っていうかまだ会ったばかりのクセに0.3秒の差もなく同時に全く同じ文を書き込むなんでどんだけ金に執着あるんだ!

『法典』:知りませんよ。大学生でバイト生活なんで金欠です。

『高速停滞』:同じく。

『極楽浄土』:小学生の財力じゃ軽々と渡せませんよー。

『電子病』:ふーん。小学生にしてはラリッてるね。

『法典』&『高速停滞』:アンタが言うな!

『電子病』:さて、能力がどういう条件で発生するかについて話すぞー。

『法典』:メンド臭くなって話題を一気に変えたな……

『電子病』:能力の発生条件には4種類ある。

 

「へぇー」僕の場合はその4種類のうちどれだろう?

 

『電子病』:そのうち97%が性的興奮だ。

 

「嘘だ!」僕は殺されて興奮する男子ではない! ないはずだ。

 

『法典』:まさか、……『高速停滞』。あなたは私と戦った時、興奮してたの……?

『高速停滞』:してる訳ねぇだろ! というか『電子病』が嘘吐いたに決まってるだろ!

『極楽天使』:殺した直後のヒガミンをアヤに押し付ければ……。


==============================================

 

「…………」そういや小学生の時、そんな感じの意味不明なことされたね。

 

==============================================


『電子病』:本当は、常時発動系が25%、意志発動系が30%、能力名口頭発動系が35%、特殊条件発動系が10%ですな。ちなみに能力名を口で言った方が、威力が上がるメリットがあり、能力の内容がバレるというデメリットもあるよ。


==============================================

 

「楽……、そこで諦めろよ……」もう既に遅いけど。

 まあ、僕には常時発動条件かな。発動しようと思ったことないし。


==============================================

 

『電子病』:そもそもどうして能力者が生まれたか知ってる?

『法典』:私知らない。

『高速停滞』:オレも。

『極楽天使』:私は知ってる~!

黄金世界ゴールデンタイム』:どうしてですか?

『高速停滞』:誰!?

『黄金世界』:あっ、すみません。挨拶が遅れました。今さっき来たばかりの『黄金世界』です。ヨロシク。

『法典』:よろしく。

『黄金世界』:あっ、どうも

『電子病』:それが二人の恋の始まりだった……。

『高速停滞』:今すぐその口閉じろ。能力で殺すぞ。

『電子病』:激しく嫉妬に燃え二人の仲を引き裂こうとする男!でも愛し合う二人を止めることはできない……。

『法典』:まあまあ、そんなムキにならないで。

『黄金世界』:そうですよ。本気にしたら負けです。

『高速停滞』:何で当の2人は平気なんだ……。

『極楽天使』そして、ついに『法典』を『高速停滞』が襲う!

『電子病』だが早めに仕事から帰ってきた『黄金世界』が間一髪で救う!決めゼリフは「お前、人間のクズだな」

『極楽天使』:『高速停滞』は自殺して、二人の生活には平和が戻ったのだった……。Fin

『高速停滞』:よし、殺そう。発動『高速停滞』。

『電子病』:ちょっ、何これキモッ! 体が……

『極楽天使』:うきゃああああああああ!!!!

『黄金天使』:一体何したんですか……。

『法典』:よく『高速停滞』を受けながらタイピングできるね……。普通即死するんけど。

『高速停滞』:チッ。とどめはさせなかったか。

『法典』:まっ、少なくとも明日までは目を覚まさないだろうし

『黄金世界』:一回やめますか。では明日夜11時に。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(一日経過)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『電子病』:復、活!

『極楽天使』:オッス~。どうも~。昨日はごめんね~。フザけ過ぎたよ~。ちなみに、後悔はしてない。

『高速停滞』&『極楽天使』:しろよ!

『高速停滞』アレッ? 『法典』はまだか?

『電子病』:そうだね~。おっ、バイトで無理とか書いてある。

『黄金世界』:へぇ。そういうの書く場所あるんですか。

『電子病』:Q&Aで調べろ。

『黄金世界』:フ~ン。コソコソ話ってモードもあるんですか。

『電子病』:まあ、そんなことはともかく。前回の続きで能力者が生まれた理由を話そうと思います。

『電子病』:一般的に知られているのは北欧神話のロキがいたずらに能力を人に与えたというヤツだけど……。


==============================================


「………ん。大体操女から聞いていたのと同じだな」


==============================================


『極楽天使』:私が知っているのと同じだー。

『法典』:ふぅ。やっとバイト終わった~。……へぇ。こんな理由だったのか……。ロキってどこにいるのか分かります?

『高速停滞』:多分ロキ今さら殺してもムダだと思うぞ。

『黄金世界』:自己満足だって。……つまり、ロキのせいで私の家族みんな植物状態で、『高速停滞』のおかげでやっと大学生活送れているって訳だし。

『法典』以外:…………

『極楽天使』:明るく行きましょう! あの夕日を目指して!

『法典』:もう沈んでいますよ。今1時。

『極楽天使』:…………。

『黄金世界』:ここはオレが空気を変えよう。

『電子病』:がんばれ!

『黄金世界』:布団がフットンだ。

『法典』:『電子病』さんお願いします。

『電子病』:了解。

『黄金世界』:ヴギャアアアアアアア!

『電子病』:悪が滅びたところで、体内残響フィードバックについて。まっ、簡単に言えば、能力の使ったことの反動ですな。

『高速停滞』:えっ? オレは別にいくら使っても何も起きてないけど?

『電子病』:体内残響が無いか。既に起きたか、常に起きているかのどれかだな。

『法典』:あっ、『高速停滞』の体力の無さはそれが原因か。

『高速停滞』:それを言うな!

『電子病』:例を挙げるなら、吉井○久はフィードバックで召喚獣の痛みが体を貫き、気絶した。

『高速停滞』:絶対それ違うだろ! バ○テス読んでいる人しか分からねぇし!

『電子病』:今日はもう夜遅いんで最後に付随効果プラスエフェクトについて話すか。

『極楽天使』:私先に寝るね~。母さんが怖いから~。

『法典』:お休みなさい。

『高速停滞』:おやすみ。……そういや小学生だったな……。何か子供っぽくない話し方だったけど……。

『電子病』:チッ、私の話を聞かないとは…。あのクソガキが………!

『法典』&『高速停滞』:性格悪!

『電子病』:大まかな区分。付随効果はポケ○ンで言う特性。


 種類 内容

創造クリエイト 相手を負けてもいいような気分にさせる。

破壊ブレイク 相手を畏縮させる。

道化師クラウン 相手が混乱しやすくなる。

ハート 自殺衝動に苛まれる。諦めがよくなる。

フィエンド 能力を使って暴れたくなる。

結界クローズド 能力者が近寄りにくくなる。

二重ガフツレ もう一人の特定の能力者が20m以内にいる時、能力が強くなる。

覚醒アウェイクン 能力者が自分の死を覚悟した時、30秒だけ、どこまでも強くなる。

 

 ポケ○ンが分からんヤツはただの特殊効果だと思っとけ。他にも種類はあるが大抵のヤツはこの8つ。気休め程度の効果しかないがな。『覚醒』は除く。『心』と『魔』は力が強い能力所有者に多い。ぶっちゃけ足枷。

『黄金世界』:そういや、前にエラーナントカっていう能力者が「私の付随効果は『消滅イレイズ』とか言ってたな……

『高速停滞』:えっ? 何で生きているんですか、アンタ?

『法典』:脳ミソ、フンフリピンクソースになったんじゃないんですか?

『黄金世界』:能力使ってギリギリで防ぎましたよ。(―A―)死んでないはずの母親の霊すら見えましたけどね。

『電子病』:もう、メンドいし、眠いんで私は寝る。サラバ。

『黄金世界』&『法典』&『高速停滞』:…………。

『法典』:じゃ私寝るんで。お休みー。

『高速停滞』:オレも。

『黄金世界』:何があまり復活したって感じじゃないけど…。オレも寝よう。お休みなさい。

 

「…………」

 そこまで読んだ所でやめることにした。この後、ほとんど雑談ばっかりだったし。

 もう5時10分だ。冬だから外はもう暗い。

 門限は5時半なのでそろそろヤバい時刻だ。

 ……さっきから後ろの管理人さんの視線がすごく痛い。

 僕はパソコンの椅子の前から立ち上がると。


「この中高生スペースでエロサイトを見ないでください!」


 僕は全力で家へと走って帰った。

 車に轢かれても逃げ続けた。


☆走馬灯

 中学一年生の生活で印象に残った出来事。

 いじめが少しの間あった。

 友達が複数できた。

 テスト結果で親を絶望させまくった。

 読書の幅がまた少し広がった。

 夏の合宿でとてもいい友達と初めて話した。

 拷問の幅が広がった。

 冬の合宿で大失敗した。

 初めて能力所有者と戦った。

 操女と楽にほぼ1年ぶりに再会した。

 25回目の精子と卵子までの分割拷問。

 操女が僕のせいで何人かの人間を殺したのを知った。

 大山が能力者だと気付いた。

 レイヤと戦って勝った。

 冥界に行った。

 初めて人を殺した。

 神や化物の類と対等に渡り合った。

 情報の連中と初対面。

 …………。

 色々あったなあ。

 一生残ることになると思う。心の中に。

 まっ、アルツハイマーとかにならなければ、だけど。

 僕の生活ではいつなってもおかしくないし。

 

 2月14日。土曜日。

 ……については無視しよう。

 アレは印象に残ったけど忘れたことにした。

 来年はもっと惨いことになるとは思わなかった。

 今年は今年でキツかったから仕方無い。

 2月18日水曜日。

 普通の学校の日。

 この日は何も起きなかった。

 授業をマジメに聞いたり聞かなかったり。

 ……この時はまだ授業中に本を読みたいという欲望を抑えられなかったので。

 と、まあ、さっきからずっと過去形で語っているのは飽くまで回想しているからで。

 頭の中でこの釈明めいたずっとこと言ってる自分でどうなんだろうと思いながら回想は続く。

「う~ん、眠い」

 独り言。

 まあ、これを隣にいる女子に毛嫌いされている訳で。自業自得だけど。

 清水先生が教材を1つ職員室に忘れて取りに行っており、皆はガヤガヤと雑談している。

 例えば、

「ウチの学校って本当に美人いないな」

「確かに。いるのは坂野とかほんの数人だけだ。やってらんないぜ」

「教師の中ではゼロだ」

「「「香山先生か!」」」

「あの人は、性格以外は美しいと言って過言じゃないよな」

「そうだなっ、もうどっか行っちゃたのが少し惜しまれるよな」

「まあ、澤田先生の友人らしいけど、流石に聞きにくいな」

「オレが聞く」

「「「おお流石、肉食系男子代表の金谷君!」」」

 とかそんな感じ。

 まあ、色々と頑張ってください。

 とかそんなこと思いながら矢野先輩に大分前に勧められた妄想化学読本を読んでいると、

「おい、僻実」

 ドスッ、

 背中に衝撃が入る。というか鋏が突き刺さった。

「グヘッ」

 血が口からこぼれるが、即座に本が汚れないように机の下に落とす。

 ゴメン。僕にはこれ以上の動作をする暇がなかったんだ……。

 ブシュッ、鋏が抜けた。

 例のごとく5秒後回復。

「おい、いい加減にしてくれないかな、安田君?」

「ハハハ」

「ハハハ、じゃねぇよ! ついに手刀から刃物にしたのかよ! この前はシャープペンだったし、見る人によっては猟奇的殺人現場だから! 冗談じゃ済まないよ!」

「でも、こうしないと話に応じてくれないもん」

「もん、じゃないから!」

 …………今後学校で本を読むのを少し控えないといけないのかな…。嫌だなあ。っていうか周りは人が鋏で刺されても何も思わないのか?

 まっ、仕方無い。

 とりあえず、本を拾ってから、

「で、何だよ?」安田に向き合う。

「何か雑談しようぜ」

「ごめんなさい。話題ありません」

 ザクッ。

「くっ……仕方無い。雑談するか」お前の熱い心には敵わないぜ…。

「それで良し」

「おっ? 何か楽しそうだな。おれも混ぜろ」

 山内がまざってきた。

「おれも」

 レンが来た。

「「「お前はダメ」」」

「何でだよ!」

 イケメンだから、とは言ったりしない。当たり前である。

 結局レンも入ってきた。

 ちなみに、大山は別クラスなのでこういう雑談はできない。

「んで、何か話せ」安田が命令してきた。

「…………」

 んー。何か話題はあったかな……。

 安田あんまりポ○モンしないし……。本とかはついていけないだろうし……。

「そうだな。前に僕と山内が失神して、安田が保健室に運んでくれたよね? んで、あの時、なぜかずっとおとなしかったけど何かあったのか?」

 ずっと聞き損ねたことを聞く。大分前のことだから覚えているかな。

「ツグナイガタリ一節目参照」

「「「え?」」」

 今現実の人間が言っていい範囲を軽々と超えませんでしたか?

「ん? 今オレ何か言ったか? 今ボケッとした瞬間、勝手に口が動いていたんだが……」

「何があったんだ?」山内。

「病気か?」レン。

 …………最近多いな。こういう不思議現象。まっ、どうでもいいけど。

「とりあえず、親がちょっと病気になっててさ。少し心配だったから」

 安田が幾分マトモな理由を言った。…だけど、

「お前ってそんなキャラだったけ?」

 僕は頭に浮かんだ疑問をぶつける。

「偶にはオレにだってそういう時だってあるよ」

「…………」

 まあ本人が言うのならそうなのだろう。

 とそこまでの会話だけなら僕が今回想することもなかっただろう。

 その後、レンが口を開いた。

「なあ、お前らはこういう時どうする?」

「ん? 何かの心理テストか?」山内。

「どんな時だ?」と安田。

 僕は静観することにする。

 こっそり、本を読む準備する。

「ちょっと内容は重いんだが、」と前を置きしてから、

 

「もし自分に殺人衝動があるのに気づいたらどうする?」

 

「「「…………」」」

僕たちが何かを答える前に先生が来てしまったので、この話についてはウヤムヤになってしまった。

 回想終了。


☆現実

「ぐっえっ……、あ……やっ……、め…………」

 僕は操女に首を掴まれながら持ち上げられている。

 もちろん息が全く出来ない。目の前には吸い込まれそうな真紅な瞳。

 ……その間にちょっとだけ回想してしまった。

 走馬灯とも言うかもしれない。

「■■■■■■■■■■■!!!」操女が何かを叫ぶ。

 僕の体がクレーターを作る程の勢いで背中から地面に叩きつけられる。

「ガハッ!」

 口から血がドバッと出る。鉄の味が広がる。

 安田に背中を鋏で突き刺された時の量とは比べ物にはならないくらいの量だ。

 僕の体は――服も含めてすべてがズタボロだ。原形を保っているのが不思議なくらいに破壊されている。

 骨も肋骨は全滅。内蔵はグチャグチャ。

 いつものように5秒後に全回復――しない。

 確かに回復するが、いつもよりずっと、ずっと遅い。

 それはもう、致命的で。

「■死■消■■■殺■■――!!!」

 グジャグジャと身の毛のよだつ音が響く。

 操女は何度も僕の心臓を持っている模造刀ではない、本物の刀で貫く。飛び散った血が白銀の髪と操女の顔を汚す。

 もはや悲鳴すら上がらない。

 立ち上がる暇なんて全くない。

 そして、

 操女は動作が一瞬止まる。

 僕は立ち上がろうとするが、体が全く動かない。

 操女の刀の真っ先が僕の頭の上を狙っている。

 ヤバい。この状態で頭を破壊されたら確実に死ぬ!

 

 操女の刀が振り下ろされた。

 

 物語は、必ず終わる。

 


ようやくクライマックスって感じです。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございました!

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