第六章 4
「わあ……素敵な家ね!」
リーフは目を輝かせながら言った。
「ちょっと狭いかもしれないけど、ゆっくりしていってね」と、レイドは微笑む。
「私は食事はいらないけど、キミたちはどう? 食べる?」
レイドの声に、俺は思わず反応した。
「あっ……それは助かる! 今日は何も食べてなかったし、腹ペコだ!」
レイドに案内されて食料の備蓄庫を見ると、様々な食品が整然と並んでいた。
レトルト食品のようなものが中心だったが、今の俺たちにとってはまるでご馳走だ。
量も十分で、俺たちが食べ続けても何年分かはありそうだった。
「ところで……レイドは、どうして食事をする必要がないんだ?」
俺がそう尋ねると、レイドは少し考えるようにしてから答えた。
「キミに見せた、あの霊体の姿を覚えているかな?」
「あの体の状態なら、体全体から直接、太陽光のエネルギーを取り込めるんだ」
「一度、完全にエネルギーを満たせば……およそ一か月くらいは、補給なしで活動できるみたいだ」
「へえ……便利ね」
「ちょっと、家電みたいだけど」
リーフは感心したように声を上げた。
「確かに便利かもしれない。でも……時々、自分が幽霊にでも、なったみたいな気分になるんだ」
レイドは、少しだけ寂しそうにそう言った。
「幽霊かどうかなんて、結局は外見の問題だろ」
俺は、はっきりと言った。
「レイドの心は、間違いなく人間だ」
「そうそう。体が人間でも、心が冷酷な悪魔みたいなヤツだっているんだからさ」
ジャックが肩をすくめる。
「そんなこと、気にする必要ないって」
「慰めにもならないかもしれないけどな」
「いや……ありがとう」
レイドは小さく微笑んだ。
「そう言ってもらえるだけで、嬉しいよ」




