第四章 13
「そうだなっ!」
「ええっ!」
短く言葉を交わし、
俺たちは探索を続けた。
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それから、
だいたい一時間ほどかけて、
スタジアムの内部を一通り調べた。
――だが。
食料になりそうなものは、何もなかった。
期待していた分、
その事実は、静かに効いてくる。
ただし、
完全な空振りというわけでもない。
薬品類が少し。
着替えに使えそうな衣類。
燃やせそうな紙類と、
一本のライター。
それから――
飲めるかどうかは分からないが、
水のボトルが何本か。
まだ新品らしいバッグも見つかった。
「……これ、使えるな」
俺はバッグを広げ、
拾い集めた戦利品を詰め込んでいく。
「今日は
ここで寝るか?」
自然と、そんな言葉が口をついた。
「そうだな!!!
岩の上よりは、ずっとマシだろ」
ジャックが頷く。
そのとき――
奥の通路から、リーフが顔を出した。
「ねえねえ!!!
奥の部屋に、応接セットがあったわよ!!!」
少し弾んだ声。
「寝るのに、丁度いいわっ!!!」
「へえ~~
そりゃいいな」
思わず、笑みがこぼれる。
「これで、
ぐっすり眠れるかもな」
そう言いながらも、
俺は心のどこかで、
この場所を完全には信用していなかった。
――変異種は、逃げただけ。
――夜になれば、視界は奪われる。
それでも。
今は、
休まなければ、前に進めない。
俺たちは、
一夜だけの“拠点”として、
このスタジアムに留まることを選んだ。
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