第四章 9
そうこうしているうちに――
客は、向こうからやって来た。
近くのドアが、
内側から激しく殴られ、歪む。
「――ドガァァァンッ!!!」
金属が悲鳴を上げ、
ドアは変形しながら内側へと押し込まれた。
そして――
その隙間から、
ゆっくりと、何かが姿を現す。
「……グル……
……ル……ル……ル……」
喉の奥から漏れる、低く濁った唸り声。
怪物――
と呼ぶには、
まだどこか“生き物”の形をしている。
だが、その大きさは、
熊ほど。
四本足。
筋肉の盛り上がった胴体。
ベースは――
ライオンか、虎か。
ネコ科の獣を思わせる身体。
だが、足先は違う。
熊の手のように太く、
そこから伸びる長い爪。
そして――
顔。
ワニのように前へ突き出た長い口。
隙間なく並んだ、鋭い牙。
――ミックス?
そんな生易しい言葉では、片付けられない。
どう見ても、
獰猛。
間違っても、
俺たちと遊ぶために現れた存在じゃない。
「きゃああああああっ!!!」
リーフが、
反射的に叫び声を上げる。
「リーフ!!!
ベンチの奥に隠れろ!!!」
俺は叫びながら、前に出た。
「絶対に、
ドアから出てくるな!!!」
バットを握る手に、
はっきりと力を込める。
――逃げ場は、限られている。
――相手は、明らかに“狩る側”。
ここからは、
生き残るかどうかの話だ。
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