第四章 7
俺は、息を切らしながらベンチへ駆け込んだ。
中には――
思った以上に、色々な道具が残っていた。
「ラッキーだな!」
その直後だった。
「あはははっ!!!」
思わず、笑いが漏れる。
リーフが、
キャッチャーの防具を一式装備して立っていたからだ。
「も~~~~っ!!!
そんなに、笑わないでよっ!!!」
リーフは頬を膨らませて、ぷいっと顔を背ける。
「ケン!!!
良いのがあったぞっ!!!」
ジャックが差し出してきたのは――
金属バット。
しかも、
手に収まりのいいマスコット・バットだった。
「俺の分と、予備のやつも、何本かあったぜ!!!」
そう言って、親指を立てる。
「何もないよりは、マシだな」
俺も同じように、親指を立て返した。
そのとき――
ジャックの表情が、少しだけ真剣になる。
「……で、何がいたんだ?」
「分からん……
だが、人間より明らかにデカい」
記憶を辿る。
「……四本足だった」
一瞬、沈黙。
「……そうか」
ジャックは短く息を吐いた。
「それだけで
もう、ヤバいのは確定だな」
「ああ……
“おもいっきりヤバい”か
“かなりヤバい”かの違いだな」
俺たちは、
無理に笑って、その場をやり過ごした。
だが――
バットを握る手に、
じっとりと汗が滲んでいるのを、
俺は誤魔化せなかった。
ここは、
まだ安全圏じゃない。
――あれは、
必ず、追ってくる。
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