第四章 2
「あれっ、ジャック元気ないね~っ!」
リーフが首をかしげながら、ジャックの顔を覗き込む。
「いや、色々と気になる事があってね……」
ジャックはそう言って、空を見上げたあと、小さく息を吐いた。
「食料も残りわずかだし」
その言葉に、空気が少しだけ引き締まる。
「それに、なんかバケモノがいる可能性があるんだよね……ここ!……」
「ああ~~っ、でも、厄災からもう半世紀も経ってるんだよ?……
いないんじゃ、ないかなっ?!」
リーフは、いつも通りの楽観的な調子で笑った。
「とにかく食料は、なんとかしなくちゃな!
バケモノの餌になるのは嫌だけど……
自分たちの餌がないのは、もっと嫌だ!」
俺はそう言って、腹の奥に溜まった不安を振り払う。
するとジャックが、背負っていたバッグから端末を取り出した。
古びたコミュニティ端末だ。
「コミュニティ端末は、ほとんど使えないけど……」
「簡易レーダーは、まだ生きてるみたいなんだ!」
画面を操作しながら、ジャックは続ける。
「ここから西に、
だいたい5~6キロ先……」
彼は指で示した。
「かなり大きめの建築物がある!!!」
「なんの建物かは、わからないけど……
様子を見に行こうかなって思うんだけど、どうかな?」
その言葉と同時に、
俺の胸の奥で、説明のつかないざわめきが広がった。
――食料。
――未知の建築物。
――そして、バケモノの可能性。
この選択が、
ただの寄り道で終わる気がしなかった。
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