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第三章 13
「私の家は……
もともと、
アルメニア・ファーストにあったの」
リーフは、
少し間を置いてから、そう言った。
「え……
じゃあ……
リーフの家って、
Aクラスなのか?」
ケンが、思わず声を上げる。
Aクラスとは、
アルメニアの中でも、
限られた特権階級を指す呼び名だ。
居住地は、
アルメニア・ファースト。
政治や行政など、
アルメニアの重要な機能は、
すべて、
この地区に集中している。
「ええ……
一年前までは、
父は、
アルメニア・ファーストの
中央議会にいたわ」
リーフは、
静かに続ける。
「でも、父は……
政府の方針である
“アルメニアへの定着と繁栄”に、
疑問を持っていたの」
「父は、
さまざまな分野の知識に精通していて……」
「地表は、すでに、
人が住める状態にまで
回復している可能性がある?!
ということも、
知っていたわ」
「だから……
地表への正式な調査を行うべきだと、
議会に、
何度も進言していたの」
「でも……
そのたびに、
穏健派に阻まれて……
結局、実現はしなかった」
リーフは、
少し視線を落とす。
「そして……
一年前……
父は、
突然、病死したの」
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