外伝その8 9
やがて――
メノスが向かう先に、大きな建物が見えてきた。
三階建ての広い建築物。
その中央には、高い塔がそびえている。
メノスが指をさす。
「あれが、中央制御棟!」
「なるほど、目的地ね!」
ジャックが肩を回す。
「じゃあ、さっさと片付けようか?」
「俺がやるぞっ!」
ケンが自分を指さす。
「いやっ!」
ジャックがすぐに割り込む。
「今回は俺の出番だっ!」
「もうっ!」
リーフがため息をつく。
「皆んなでやればいいでしょ?」
メノスが前に出る。
「あなた達のなかで」
静かに言う。
「一番攻撃力のある武器が存在するはず!」
一拍。
「そのチカラを、メノスは感じた」
さらに言う。
「それを使う事を、メノスは推奨する!」
三人は顔を見合わせた。
「アルティメットの事かな?」
ジャックが言う。
「ミューズの事じゃないのか?」
ケンが首をかしげる。
「じゃあ」
リーフが指さす。
「ケンがやるしかないかな?」
「おうよ!」
ケンが胸を叩く。
やる気満々だった。
しかし――
「ちょっと待った!」
ジャックが手を上げる。
「今回は、俺がやるって言ったろ?」
ケンが眉を上げる。
「お前、まだアルティメット覚醒してないだろ?」
ジャックがニヤリと笑う。
「へん!」
胸を張る。
「ところがどっこい!」
得意げに言った。
「もう、してるんだよ!」
「えっ!?」
リーフが目を丸くする。
「いつの間に?」
ジャックは、少し遠い目をした。
「貨物船に乗ってから、俺はずっと寝てただろ?」
一拍。
「実は、夢の中で修行してたんだ!」
さらに続ける。
「レイドと一緒に!」
(ジャックだけ、アルティメットになってなかったから……)
(戦力アップが必要かなと思って!)
レイドの思考の声。
「夢の中で、地獄を見ていたんだ!」
ジャックが肩を回す。
ケンも遠い目になる。
「ああ〜っ……」
小さくうなずく。
「確かに、あれは辛いよな?」
ジャックが拳を握る。
「だから、今回は俺がやるっ!」
ケンも納得するしかなかった。
「……仕方ないか」
その時。
メノスが再び指をさす。
「あそこの壁を」
静かに言う。
「最強の武器で壊して欲しい」
その先。
中央制御棟の――
三階部分。
「じゃあ」
ジャックがニヤリと笑う。
「派手にぶっ壊せばいいんだな?」
「派手にぶっ壊すべき!」
メノスも指をさした。
ジャックが叫ぶ。
「じゃあ、やるぜっ!」
拳を握る。
「レイド!いくぞっ!」
(ふっ!了解!)
レイドの声。
次の瞬間――
レイドが、ジャックのアーマードの中へ入り込む。
その瞬間。
ジャックの体が――
金色に輝いた。
まばゆい光。
周囲の空気が震える。
そして。
光が爆発した。
〝アルティメット・レイダーズ!〝
ジャックの手に握られていたのは――
金色の神槍。
〝ムーンライト・ミューズ〝
槍から、雷のような火花が弾ける。
バチッ!
バチバチッ!!
ジャックが叫ぶ。
「ドオリャ〜〜ッ!!!」
次の瞬間。
ドゴォ〜〜〜ンッ!!!
凄まじい衝撃。
中央制御棟の壁が――
爆発した。
瓦礫が飛び散る。
煙が舞う。
そこには――
修羅場と化した戦場が広がっていた。
ジャックは、一瞬で状況を理解する。
そして。
瓦礫の中から、声が響く。
「待たせたな!」
槍を構える。
「助っ人だ!」
やがて――
埃が、ゆっくりと落ち着いていく。
崩れ落ちた壁。
砕け散った瓦礫。
その上に――
金色のアーマードに身を包んだ
ひとりの戦士が、
静かに佇んでいた。
・・・・・・・・・・・・
……本編、第二部へ続く……




