外伝その8 7
「待たせたわねっ、メノス!」
リーフが手を振る。
「じゃあ、行きましょう!」
少し身を乗り出す。
「案内してくれる?」
「メノスは、その為に来た!」
即答だった。
「あなた達は、付いて来るべき!」
そう言うと――
メノスはくるりと振り向く。
そのまま歩き始めた。
「おいっ!」
ジャックが叫ぶ。
「ハッチにぶつかるぞっ!」
しかし。
メノスは止まらない。
そのまま――
ハッチを、すり抜けた。
すっと消える。
「……」
ジャックが目を瞬かせる。
「便利なヤツだな……」
「レイド!」
リーフが振り向く。
「ハッチを開けて」
「はいはい!」
レイドが肩をすくめる。
「人使いあらいね!」
ガコン。
ハッチが開く。
全員で船外へ出た。
・・・・・・・・・・・・
通路には、人影はない。
静まり返っている。
やはり――
隔離というのは、本当らしい。
「ふっ」
ジャックが周囲を見回す。
「お出迎えはなしかっ!」
ケンが呆れる。
「誰のお出迎えが欲しかったんだ?」
ジャックは即答。
「そりゃ!」
ニヤッと笑う。
「やっぱり、可愛子ちゃん――」
〝パシッ!〝
リーフのツッコミが炸裂した。
「いってぇ!」
頭を押さえるジャック。
(本当に、懲りないヤツだな……)
ケンは心の中でつぶやく。
「メノス」
リーフが呼びかける。
「で、中央制御棟って、こっちでいいの?」
「中央制御棟は」
メノスが前を指さす。
「このまま真っ直ぐ進んだところ」
さらに言う。
「そこに、レノアの反応がある」
「じゃあ――」
リーフが指を立てる。
「悪いんだけど」
「私達は壁を通り抜けれないから」
一拍。
「壁を通る前提はやめてくれる?」
その瞬間。
メノスは――
ぴたりと止まった。
動かない。
数秒。
沈黙。
やがて。
ゆっくりと向きを変える。
「こっちへ、行くべき!」
「そっ」
リーフがうなずく。
「ありがとう!」
ジャックが肩をすくめる。
「お前、もっと常識を学ぶべきだぞ?」
(それは、お前もだと、俺は思うぞ……)
ケンが心の中でツッコむ。
レイドは、すでに霊体に戻っていた。
(私は壁を通り抜けてもいいけどね!)
ケンはさらに思う。
(こいつは、協調性を学ぶべきだな?)
そして一行は――
建物の外へ出た。




